南向きのバルコニー

訪れる鳥たち、空に浮かぶいろいろな形の雲、木々の表情・・・
徒然なるままに日々のことを綴っていきたいと思います。

9月の嬉しかったこと 

2018年10月01日 | 芸術
昨晩の台風は凄かった。

家が揺れましたものね。

ゆっくり眠ることができませんでした。

それでも、3時過ぎになると、風が弱まり、
そこから朝まで寝たような気がします。

各地で被害をもたらす台風、
もう勘弁してほしいです。
よろしくお願いします。


今日から10月が始まりました。

そこで、9月を振り返って、
嬉しかったことをひとつ、あげてみたいと思います。

まだ残暑の残るある日、
箱根へ出かけてきました。

目的は、岡田美術館で開催されている(現在は終了)
田中一村の絵、「アダンの海辺」を見に行くためです。
田中一村は、晩年、奄美大島に移り住み、
奄美の自然を生き生きと描いた日本画家です。

「アダンの海辺」を見ること、
これは、数年来の願いでした。
こんなに早く機会が訪れると思いませんでした。

今年5月、沖縄の離島に行った時、
海辺に茂るアダンの群生を目にして、
一村さんは、このアダンを描いたのだな〜
故郷から遠く離れ、海と空と砂粒の一つ一つに精魂を込め、
すべてを注いで描いたのだな
と感慨深く思ったものでした。

ほんとうによかった、
見られてよかった。
いつか奄美大島も訪れてみたい。

ということで、9月の嬉しかった出来事でした。

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<朝顔図屏風> 鈴木其一

2016年10月21日 | 芸術



朝顔図屏風  鈴木其一(すずき きいつ)  

この大屏風の前に立つと、
ただただ感嘆します。

なんという大胆さ。
かつ、繊細さ。

静かに、どこまでも静寂が漂い、
ひたひたと心が浄化されていくような感覚。






こちらは、
琳派の大御所 尾形光琳の燕子花図(かきつばたず)  



先達、尾形光琳へのリスペクトを感じます。



朝顔図屏風は、現在、サントリー美術館の鈴木其一展で
展示されています。




メトロポリタン美術館から、はるばる日本に里帰り中のこの作品、
日本にないのが、本当に惜しいです。



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河鍋暁斎のお墓

2015年09月07日 | 芸術
河鍋暁斎のお墓に行きました。

暁斎(きょうさい)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師、画家です。

先日、三菱一号館美術館の暁斎展を見てから
暁斎が好きに。

場所は、台東区谷中の瑞輪寺。





自然石を配したお墓です。
上にある石は、カエルのようですね。



蛙を愛した暁斎にふさわしいお墓でした。

近くのお寺には、詩人、立原道造のお墓もあり、そちらには数年前、お参りしました。

谷中は、お寺の町です。
谷中銀座は賑やかな商店街で、たくさんの人が訪れますが、
寺町はひっそりとしています。



ところどころ古い民家も残っています。



なにやら、中から素敵な音楽と話し声が。

喫茶店なのかな。

入る勇気はないけれど、いい雰囲気です。
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河鍋暁斎を観に行く

2015年08月04日 | 芸術


幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
狂っていたのは、俺か時代か 画鬼 暁斎展

浮世絵師、画家の河鍋暁斎の展覧会を
三菱一号館美術館に観に行ってきました。

東京丸の内のオフィス街にある美術館は、とても素敵な作りで、
緑のアプローチを歩いて進んで行きます。







暁斎(きょうさい)は、幕末から明治にかけて活躍した
異才の画家です。

今回の展示は、親交のあった建築家コンドルとのコラボ。
コンドルは、旧帝国ホテルの設計で有名ですが、
この建物、三菱一号館も手掛けています。

英国人建築家と、当時の人気絵師との間に、
いったいどんな関係があるのでしょうか。

自らを「画鬼」と称し、繊細かつ大胆、ユニークで型にはまらない絵を
次々と生み出していった驚きの絵師、暁斎。

その画風、姿勢に惚れ込んで
弟子になった英国人建築家コンドル。

暁斎の死まで続いた親密な交流。

コンドルの絵も何点か展示されていましたが、
外国人が描いたとは思えない純然たる日本画で、
腕前も相当なもの。
特に、コンドルが師、暁斎を書いた絵は、暁斎の人格がにじみ出ていて、
秀逸でした。

暁斎に関しては、いろんなエピソードがあるのですが、
その中でも面白いのは、
御殿女中の着物の帯の柄を細密に書きたくて、
その後を追いかけて行って、ひんしゅくをかった
というもの。

当時、御殿に仕えている女の人の着物は、
庶民の着るのと違い、生地も柄も上質で、素敵なものだったのでしょうね。
どうしても細密に写生したかった暁斎。
でも、筆と紙を手にした男に後をつけられ続けた女性は
きゃ~!ってなものですよね。

当時の政権を諷刺するような絵を描いて、
牢屋にも入っています。


暁斎の絵は100点以上展示されていましたが
私の一押しはこれです。

  美人観蛙戯図


華やかな着物を着てすましている美人画ではなく、
蛙たちが戯れている様子を愛おしそうに眺めている女性のさりげない美しさを描いたもの。

古今東西、こんな絵を描く画家がいるでしょうか。

蛙の相撲を眺めている美人画なんて。

暁斎は蛙が好きだったようで、たくさんの蛙を登場させています。
子供の時、初めて写生したのも蛙だったそうです。

そんなことからも、親近感がわいて、
ますます暁斎のことが好きになりました。


 東京丸の内 三菱一号館美術館
   9月6日まで





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