タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

おまじないぐらい見逃せよ論は案外ステマ。食育の語源は怖かった。

2021年07月04日 | Weblog
健康食品会社の中には消費者の財布をすっからかんにしてしまう悪質な者が昔から絶えません。この問題が「フードファディズム問題」として提唱されてから20数年経ちました。いまでは多くの方々が、「コロナには免疫力アップ食品」等の大げさなコマーシャルやTwitter投稿などに対して、悪質な金稼ぎだと苦言を呈しています。

そうなると困るのが、今まで「免疫力アップ」「ダイエットに」「頭が良くなる食い物」などの様々なパターンで荒稼ぎしてた人たちです。そこで彼らがSNSなどで最近やっているステマがこれです。「おまじないだからいいじゃん。おまじないレベルでもプラシボ効果があることは分かってるんだから。金額だってたいしたこともないし。いちいち目くじら立てる方がおかしい。」という論法です。でもこの論は地獄への道に舗装されています。
理由は3つあります。

(1)このパターンの言説は必ず歯止めがきかなくなり、家族、友達、学校の先生・生徒など様々な人間関係を通じてひろまっていき、途中でノーと言う人が仲間はずれされるから。

例えば、スーパーで友達にあって、「これ、体に良いって話題よ。おまじないレベルかもしれないけど、食べた方が安心よ。」などと勧められますよね。
うっかり「おまじないにお金を払いたくない。」と言うと、相手は「あー真面目すぎてやだ。たかがおまじないを勧めただけでこれだもん。」と開き直って言って人間関係を台無しにします。だからイヤイヤながらそれを買う羽目になります。

で、実体験ですが、私に「科学的事実なんか言わなくても、もっとおおらかになってもいいじゃない。」と言っていた友達が、実は、ある有名食品会社の中間管理職の妻でした。目的を隠して古典的ステマ(口コミ)をやっていたのです。何年かけても私を論破できないと分かると、捨て台詞を言って去って行きました。

こんなことが本当にあるなんて、恐ろしいです。皆さんもくれぐれも気をつけてください。

(2)まじないを許せば、最初は食べ物レベルでも、すぐに「祈祷だってどうせおまじないだからいいじゃない」という話に退化します。
こうして病人に対して、「お金がもったいないからまじないで直せばいい」という圧力がかかります。これは個人レベルから国家レベルまで生じうる話です。
 外国にも、頭痛薬などに高額を払うのがもったいないから○○のまじないをつかう、という人がいる国があります。○○の実名はこのブログに書けません。表向き国民健康保険を減らすためとなってますが、裏は、その国の新興宗教にお金が入る仕組みになってるからです。日本をそんな怪しげな宗教に牛耳られる国にしたくありません。

(3)おまじないは迷信や差別とセットです。元々日本は昭和30年代まで迷信が強く残っていた国です。例えばある種の顔の特徴は、親の食べた食品が原因だとして差別されていました。
 ニセ科学なまじないを広めたことで有名な石塚左玄氏の場合、明治時代の著書「通俗食物養生法」229~230ページ(第七版)に、「欧米諸国のように肉や魚をたくさん食べると、人面獣心(外見は人間でも心は獣のように慈悲がないという意味。)になる。」と外国人差別を記しました。同時に、そうならないために石塚式食事法=食育を家訓としなさいとも書き、これが「食育」の語源です。

 石塚氏の「食育」という言葉自体は長く忘れられたものの、「肉や魚などをたくさん食べると獣のような心に成長する。」というまじないは呪いのようにその後も長く残りました。そのため第二次戦時中や今世紀のゼロ年代に「A国人は肉を食ってるから凶暴だ」とする人種差別が一部で発生しました。

たかがまじないと認めるのは、ダムに開いた小さなありの穴のようなものです。「たかがまじないぐらい見逃してやれよ」の一言がどれほど恐ろしい結果を招くか、皆さんもよく考えてみてください。

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