タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

洋食は和食。和食離れって結局何?

2022年05月02日 | Weblog
日経土曜版「食の履歴書」は各界の著名人に食の思い出を語ってもらう名物コーナーです。先日 4/30(土)はピーター・バラカンさんが登場しました。48年前に日本の音楽出版社に就職して以来、日本に長年暮らしたバラカンさん。日本には庶民的な味がたくさんあるが、特にカツカレーが大好きと聞いて、なぜか今まで以上に親しみを感じてしまいました。いいね、カツカレー!私も大好きです。
 そしてカツカレーは日本独特の料理だから「あれは完全に和食です。」とバラカンさんは言います。その通りです。日本で食べる洋食は、日本独特の料理であることが多いため、実は洋食は和食の一ジャンルなんです!!
 お前なに馬鹿いってんだ?と言う方のために詳しく説明すると、例えば次の料理は日本発祥です。日本式のカレー、ナポリタン、キャベツにのせるとんかつ、魚のカルパッチョ、オムライス、コロッケ、ドリア、ハヤシライス、あんパン、クリームパン、あんトースト、モンブラン、ショートケーキ、プリンアラモード
つまりですね、
 中国のあつものをヒントに羊羹を作ったように、
 中国の豆腐をヒントに絹ごし豆腐を作ったように、
 西洋の料理をヒントに洋食を作った。
 で、羊羹や絹ごし豆腐が和食なら、洋食も和食でしょう? (中国起源は和食に分類していいが欧米起源は和食に分類できないと言い出したら、諸外国から「和食は中国文化の傍流」と見なされる。

 だから、読売新聞の今年1月8日記事「ドラマやマンガ 和食の伝道師」でもしっかりと、「海外ではラーメンやカレーも和食に含まれる」と記されています。海外の視点で見たら、日本人が発明した料理は和食。日本人が「カレーは洋食だ」と叫んでも、海外から見たら、「にんじんとジャガイモとタマネギを煮込んで、小麦粉と油の混ざった固形カレールーで煮込む料理」は日本オリジナル。だから和食です。

 さて、今紹介した読売の記事ですが、クロージングだけが他の段落と論理的整合性ないのが気になります。記事によると「(日本の食がドラマやマンガを通じて世界に知られるようになったのに)当の日本では洋食化が進み、和食離れが課題になっている。海外にならって和食を見つめ直し、その良さを今一度かみしめてはどうだろう。」とあります。でも、先に「海外ではカレーも和食」と記事に書いている以上、洋食も和食だとみとめてるわけです。だから、日本の洋食化は健全な和食の推進ということです。和食であるカレーやあんパンやショートケーキを食べながら和食の良さを見直すのはいかがでしょう。

あれ、そうすると、記事の中の「当の日本では和食離れが課題になっている。」という文章はなに?
 というか、「だれが」「なぜ」和食離れは課題だと言っているの?

というか、そもそも本当に和食離れが起きているの?論拠は?
まさか「米の消費量が減ったから和食ばなれだ。だからコメ農家には課題だ。」って乱暴な説じゃないことをねがいます。


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