タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

NHKさん、現代のおにぎりが三角形なのは神様と関係ないんじゃ・・・。

2019年05月12日 | Weblog
NHKの情報バラエティ「チコちゃんに叱られる」は、身近な疑問の謎解きをする楽しい番組で、ウチの家族でも、知り合いの間でも人気だけど、「でも、時々、なんか納得いかない説明の回があるよね~」というため息も時々聞こえてきます。
 特に、5月10日に放送された「おにぎりが三角なのはなぜ?」には、家族全員で呆然となりました。全国でもこの回に疑問を持った人が多かったらしく、一部のニュースサイトでもネット民が騒然となっていると取り上げていました。

 この番組は、最初に答を言ってから専門家さんが登場して理由を説明する構成で、この時に登場した先生は「おにぎりが三角なのは神様が宿りやすいから」と説明しました。「神様は高いところに宿るので山のイメージの三角形に握った」んだそうです。そして画面に登場したのは、古代遺跡から発掘された、お誕生日パーティーにかぶる帽子を小さくしたようなとんがった山形の、炭化したおにぎりの写真。

 ところが、番組の中では、このとんがり帽子の形が山の形だという証拠は一切示されなかったし、私の知り合いの間でも「穀物の神様には、高いとこに宿る伝説はないよね」「神様を宿すために山の形にしなければならないなんて言いだしたら、森羅万象全てに神が宿ると教える神道の立場は一体???」という声もありましたw。しかも、番組では、な、なんとですよ、記録に残っている最古のおにぎりは丸かったし、その後の時代もおにぎりは○や俵型などが多かったと!!!
 
 そうですよ、そうですよ、私の周りのある程度の年齢以上の方々も、口をそろえて、「うちのおばあちゃんも○型だった!」「俵型だった!」という声が続出。
 そして、結論で先生は、現在のおにぎりが再び三角形になったのは、「コンビニで運搬や陳列が簡単だから」と説明!!!!!!
「それじゃや、神様がどうのこうのという説明はなんだったんだ!」と画面の向こうの私たち視聴者は叫びたくなるし、肝心の先生までも「うちは昔は○型おにぎりだった」というので、「この番組、なんだったんだ・・・・」としおしおに・・・。

 ああ、なんとこの回の疑問点の多いことよ。でも、タミアは知っているのです。実はこの先生、昔から時々勘違いを書いているんで、いろいろな研究者も「大丈夫かな?」と心配してること。例えば、知人に見せてもらったこの先生のエッセイにはこう書いてありました。イチゴはビタミンCが豊富ですが、実は平安時代からイチゴは食べられていて、昔の人はイチゴを食べてビタミンを補給しました・・・・でも平安時代のイチゴは私たちが知っているイチゴじゃなくて別の植物(木イチゴ)だし、収穫できる期間はせいぜい1週間程度だし保存方法もなかったのよね・・・・・。
 NHKさん、もうちょっとしっかりした内容を放送してください。

 ついでなので言うけど、NHKさんが4月30日の夜に放送した「平成最後の晩餐」についても、首をひねってる人が私の周りで続出。
 例えば牛の罹患する病気「BSE」は平成13年に国内で発見されて、牛農家さんをはじめ大勢の方々が嘆き苦しんだ大事件で、今でも思い出すたびに心が痛みます。だけど、番組では「平成15年に米国の牛がBSEになった」と言って、米国の農家の牛が発症した動画や図解年表で繰り返し「米国産牛肉が」「米国産が」と延々説明したの。実は先にイギリス、次に日本などでも発生した病気で、アメリカではかなり後で発生した病気だとは一言も言わなかった。
 「この番組は、間違いじゃないけど誤解を生むよね。現在20歳以下の人は、日本の方が先に『BSE汚染国』になった記憶が無いから、テレビでこういう説明のされ方をすると、若い人は勘違いをするよね。」と不安がってる人もいます。

 そうかと思うと「和のスープ」としてトマトと牛肉を煮込んだスープが紹介されたので、「美味しそうだけど、それって和か!!!!!」というツッコミもございました。草萌ゆるわ。

 「現代の食事」という説明では「朝にパン食、昼食にうな丼、夜はご飯に麻婆豆腐」という食品サンプルが画面に大写しになったけど、昼食にうな丼なんて金持ちは日本全体の何パーセントいるんだろ。しかも、アナウンサーは「現代の食事は健康に悪くて、戦後最悪だと指摘する学者もいます。」とおっしゃったので「そうか、じゃ昭和21年頃の餓死寸前の食事や、その少し後の時代の給食の方が健康に良いってことだね。」「昭和30年代は、チクロや今考えればマジやばい種類の農薬がまだ使われた時代だよね。」「あの頃はオレンジジュースを飲むと舌が橙色に染まって、それを子供達同士で面白がって見せ合ってたよね。」「昭和50年代は塩分取り過ぎで脳卒中の死者が相次いで大騒ぎの時代だったね。」と私の周りの方々も目が遠くなっています。

で、番組の後半では、「最近の子供達に食事の絵を描かせたら、孤食の絵や顔を描かない絵が多い。」と紹介。
 でも、そっくり同じ指摘が、昭和58年に発行された「なぜひとりで食べるの」(執筆者は有名な足立己幸先生とNHK「おはよう広場」班です)にも書いてあるのよね。
 56年にNHK「おはよう広場」のスタッフが子供達の食事に疑問を持って、足立先生と相談して、日本各地で子供に食事の絵を描いてもらって、そしたら驚く程、孤食と顔のない絵が多いと分かって番組で何度も取り上げて、総集編としてNHK特集「こどもたちの食卓」(昭和57年12月6日放送)が放送されて、その後全国各地から驚きとよくぞ調べてくれたとの声が殺到して、そうして発行された本なのですね。

 「平成の現代で、顔の書いてない絵が多い」って、一体何%だったのかしら。昭和58年のこっちの本にも、表紙など多くのページに、顔を描かない絵が色々と載っているんですが。「平成31年3月調査で大人不在の朝食は62%」と放送したけど、昭和58年のこの本の32ページには、ある農村での親不在の朝食は過半数だと書いてあるんですが。「平成最後の晩餐」は昭和を美化するための番組なのかしら???

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