タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

温室効果ガス中、牛のゲップはたったこれだけ。

2022年01月30日 | Weblog
最近よく聞く「牛のゲップが地球温暖化の原因だから、牛肉を食うな」説はどこまで本当なのか調べて見ました。
我が国の国立環境研究所「温室効果ガスインベントリオフィス」が。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に2021年4月に提出した「日本国温室効果ガスインベントリ報告書(NIR)」によると、実は、日本の畜産業から出るゲップの影響は0.6%です。驚くほど小さいですね。

上記報告書はhttps://www.nies.go.jp/gio/aboutghg/index.htmlでダウンロードできます。
2019 年度の温室効果ガスの総排出量は 12 億 1,200 万トン(CO2 換算)。この数値は報告書の「概要欄」に記載されています
一方、マスコミが「牛のゲップ」と呼ぶ「家畜の消化管内発酵」の量は756万トン(CO2換算) (和文版2-18頁に記載)。割り算したら、0.006。つまり0.6%。

「家畜の消化管内発酵」ガスはほとんど牛から出ますが、農水省によると日本人が食べる牛肉重量の、3分の1が国産で残りが輸入です。従って、単純計算で756万トンかける3倍のゲップに加担してますが、それでも日本人の営みで出る温室効果ガスのうち牛のゲップが占める割合は1.8%程度と分かります。牛のゲップを減らすのもそれなりに大事かもしれませんが、たまに牛丼やシチューを食べる楽しみを全て犠牲にしてもたったこれっぽちの成果しか出ないとは、割に合わないと思いませんか。
 一方、同じ報告書の23頁によれば、日本の温室効果ガス総排出量に占める割合が一番大きいのがエネルギー分野(87.2%)です。使わない電灯は消すのがいいですね。また、車のアクセルをぐっと踏み込まず緩やかに発進すれば、10%も燃費が減るので二酸化炭素排出量も大幅に減ります。電気やガソリンの無駄遣いを見直す方が、簡単に取り組めて大きな成果が得られますね。




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