松永和紀先生の「効かない健康食品 危ない自然・天然」をおすすめ！小麦戦略説は嘘だった！

先日発行されたこの新書、あまりにも面白くて一気読みしてしまいました。ここまで書いていいのか、とドキドキする内容です。

　まず、健康によいと言われるサプリとかの効果をバッサリ切り捨て。
でもサプリ批判本って、何を隠そう、天然・自然食品が好きな、意識高い系の人に強く支持されるのですよね。
そういう人は読みながら「そうそう、サプリや加工品は間違っているわ！有機野菜を買って家で手作りするのが一番正しいのよ！」と頷く訳です。

　で、松永先生は、そっちの路線も返す刀でバッサリ。
天然だとか自然だとかいう食品について、豊富な事例を紹介して本当に体によいという証拠がないという訳です。

　まな板に乗ったネタは、酵素ドリンク、デトックス、ブルーベリーで目がよくなる説、グルテンフリー説、水素水、トマトダイエット、ひじき、そして和食に地産地消まで！全く思いがけない情報が満載です。

あの有名な「小麦戦略説」についても、統計データを引用して、「パンがお米に取って代わった」というのはただの勘違いで、お米の消費量が減ったのはおかずの消費が増えたからですよ、そのおかげで日本人は長寿になったんですよ、という説明です。確かに統計を見れば米とパンに因果関係がないことは明らか。すごい勉強になる本です。

食の安全に関心がある人だけではなくて、トンデモ陰謀論から身を守りたい方、今後の農業や食料、食品産業のあり方、に関心のある方にもおすすめです ！