PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

カナダからの手紙~当事者発信のイベント

2010年10月20日 10時04分43秒 | イベント告知

精神保健福祉領域で、当事者からの発信がどんどん多くなっています。
夏の「リカバリー全国フォーラム」だけではありません。
あちこちの街で、様々な集まりが企画・運営されています。

以前から、当事者たちの集まりはありました。
いわゆる、患者会、自助グループという形で。
僕も、学生時代から20年間かかわっていた会があります。

でも、多くはとても少人数なグループで、小さな内輪だけでの集まりでした。
ソーシャルアクションを起こす前に、まずローカルなセルフヘルプグループでした。
大規模な集会を、自ら主催して発信ということは、なかなか考えられませんでした。

1993年のWFMH(世界精神保健連盟)世界大会はひとつの契機になりました。
5日間、国内参加者を含め、約2000人が幕張メッセに集まりました。
海外の当事者たちが、日本の参加者に大きなインパクトを与えました。

日本からも、多くの当事者がつどい、自分たちの活動の発表を行いました。
国内外の当事者たちの発表は、翌年『精神障害者の主張』(解放出版社)にまとめられています。
この場で、精神医療サバイバーの広田和子さんと僕は出会いました。

同じ年には、全国精神障害者団体連合会(全精連)が結成されています。
日本社会事業大学の講堂に、多くの当事者と支援者が集まりました。
僕が、移転5年目の社大のキャンパスに足を踏み入れたのは、その時が最初でした。

当事者からの発信は、僕たちにひとつの針路を指し示します。
専門職であるPSWが、何をなしていくべきか、教えてくれます。
ユーザーの体験と発言から、PSWはどうあるべきか、僕自身は学んできたつもりです。

近々、東京の多摩地域では、ふたつの催しがあります。
いずれも、当事者が主人公の集まりです。
もはや、専門職と呼ばれる人が「啓発」と称して偉そうに講演する時代じゃないのかも?(笑)

僕自身は、両方とも他用が重複していて、伺えそうもありませんが。
専門職大学院の僕のゼミ員たちは、お邪魔させてもらうと思います。
広く多くの人に、当事者からの発言を受け止めて欲しいと思います。


※ゆいのもりの浅川勤さん、ご無沙汰~。
 金杉クリニックの内野誠さん、載せておいたからね~。
 うちのゼミ生、行ったら、よろしく~(^_^)/~

※画像は、上野の不忍池(しのばずいけ)。
 記事のイベント会場とは、遠く離れています。


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◆ゆいのもり・虹のセンター25 合同活動報告会

今年も昭島市内において精神障害者の地域生活支援に携わる団体の交流ということで、ゆいのもり2施設と虹のセンター25の合同での活動報告会を下記のように行うことになりました。
第1部では「カナダ・オンタリオ州の当事者活動の現状と日本の課題」をテーマに、松井道久氏を講師に迎えて「カナダ研修レポート」をお話ししていただきます。
講師の松井道久氏は青梅市内で当事者活動の運営など活躍されています。
カナダの話を聞きながら、自分たちの地域について考え、皆さんで学び合いましょう。

日時:2010年10月23日(土)午後2時~4時30分 開場:1時30分
会場:昭島市役所内 1階市民ホール
     昭島市田中町1-17-1
交通:JR青梅線・昭島駅南口下車、徒歩15分

第1部
来賓あいさつ
講演会『カナダ・オンタリオ州の当事者活動の現状と日本の課題』
講師:松井道久氏(「ピアサポートぶーけ」事務局長)
第2部
フリートーク
「地域で暮らす当事者にとって大切なこと~『カナダ研修レポート』を聞いて」

問い合わせ先:ザ・サードゆいのもり社 電話042-545-5451
虹のセンター25 電話042-549-7733(当日の連絡先はこちらへ)
主催:社会福祉法人ゆいのもり福祉会 ザ・サードゆいのもり社、食工房ゆいのもり
社会福祉法人きょうされん 虹のセンター25

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◆講演会「わたしたちの夢を叶えるピアサポート」
        
私たち日カ交流では、2010ピア&リカバリープロジェクトを計画し、第1弾は3月14日に「わたしのリカバリーin練馬」を、第2弾は7月4日に「わたしたちのピアサポートin杉並」を行いました。
今回の講演会は、その第3弾です。
カナダ・バンクーバーで、ピアサポーターとして活躍している2人を招き、精神障害者の自立をどう援助するのか、どのようにしてピアサポーターになったのか、語り合いましょう。
詳しい内容は、ホームページをご覧下さい。

日時:2010年11月2日(火)19:00~21:00 開場・受付 18:30
場所:武蔵野公会堂                               
所在地:武蔵野市吉祥寺南町1-6-22
交通:JR中央線 吉祥寺駅南口下車、徒歩2分 
内容:・カナダ人ピアサポーターによる講演
    デヴィ セスーラ
    ジュード スワンソンの両氏による
   ・日本側からの意見
    武蔵野市就労支援センター「MEW」
    杉並区地域生活支援センター「オブリガード」
    世田谷区地域生活支援センター「MOTA」の人たちによる
   ・質疑応答
主催:日本カナダ国際精神保健交流協議会(日カ交流)
問い合わせ先:日本カナダ国際精神保健交流協議会事務局 大泉金杉クリニック
TEL03-5905-5511 担当:内野
URL: http://nihoncanada.hp.infoseek.co.jp/

講演者プロフィール 
・Debbie Sesula (デヴィ セスーラ氏)
カナダ、サスカッチェワンに生まれる。現在ヴァンクーヴァー在住。
心理学の学士号を持つ。学士取得課程終了後、発病するが、7年の闘病生活を経て、リカヴァリを果たす。
現在、リーダーシップを修める為に健康を専門に修士課程で学ぶ。
現実療法士(Reality Therapy-人間関係に対し、外的圧力を除外することにより、より現実的にカウンセリングにより解決していく立場を提唱する)の資格を持つ。
二つのピアサポートプログラムを監督し、ブリティッシュコロンビア州局の社会心理リハビリテーションの指導者の秘書をしており、カナダのピア関連グループのメンタルヘルス委員会のメンバーである。
精神障害啓蒙週間の“顔”に選ばれ、その代表者として活躍する。
2001年にカナダ地域精神保健協議会の当事者部門で受賞
2008年「復帰の勇気を称える賞」を受賞
猫を愛する女流詩人としても活躍し、詩 “You and Me”は、「心を開いて乱れし心を詠う詩」のコンテストで受賞。
その他、マスコミでも活動し、論文も執筆。

・Jude Swanson (ジュード スワンソン氏)
ヴァンクーヴァーピアサポーターとして働く。
ストラスコーナのメンタルヘルスチームに属し、そこで自らもケアを受けている。
リカヴァリ/リハビリテーション委員会、家族会、C.A.S.P(危機評価記述プログラム)の計画懇談会の3つのコミュニティのメンバーである。
自分の人生経験を語る場に積極的に参加し、自分は病気を恥じていないということを、自らの病気のレッテルに苦しむ人々に共有してもらうことをポリシーにして活動。
2010年春“あなたのリカヴァリへの旅路”という名のグループのスタッフ支援の立場に就く。
ゴルフグループ、ニュースレター編集発行、買い物代行など多くの社会貢献ボランティアを実践。
読書家でフットボール観戦を好み、共著「夜、ひきちぎれた片隅」を上梓