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『カステイヨ代官山』

久しぶりに用事があり代官山へ。

代官山もここ数年で随分と様変わりした。より一層”オシャレ”な街に。
だけど、一昔前の、”こじんまりした町なんだけど、その中にポツリポツリ
と面白い店があった”、あの頃のほうが、街としては相当楽しかったような
気がする。こんなに素敵なお店ばかりが並んでたら、目移りしちゃって、
楽しめないよー。

などとオバさん的なことを思いながら歩いていると、ふと、懐かしい文字が
目に入ってきた。「カステイヨ代官山」。
駅からほど近いところにある古いマンション(と言ってもほとんど事務所な
のかな)の名前だ。
ああ!周りがキラキラとした建物に変わる中、ここだけは昔のまんま、き
っちりと残っていたのだ!と感慨無量になった。

かれこれ25~30年近くも昔のことになる。
ここには、今とときめく?アミューズの事務所があった。そこの4Fだっけ
3Fだっけ、がチアリングハウスというファンクラブの部屋になっていて、
当時デビューして間もなかったサザンオールスターズの応援団(ファンク
ラブ)も、もちろんそこにあった。
そこではファンのための会報を作っていたりしていたのだけれど、当時
高校生だった私はたまにそこに遊びに(見学に?)行き、ちょっとだけお手
伝いをしたり邪魔をしたりしていたのだった。
当時はそんなファンがたくさん居たように思う。
今だったらそのような場を開放するなんて考えられないね。

今では、サザンをはじめ、福山雅治、岸谷五郎、ポルノグラフィティ、BIGIN
・・・・などたくさんのアーティストや俳優などが所属する大きな大きな
事務所になり、所在地も代官山から渋谷へと移った。
だけど、今も尚、サザンオールスターズ応援団の会報は、当時と同じ
「代官山通信」と名づけられている。

どんなに街が変わっても、この「カステイヨ代官山」だけは、このまま、
しらーっとした顔で、ずっと残っていて欲しいなー。なんとなく。
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サザンオールスターズ 『I AM YOUR SINGER』

8月6日にリリースされるサザンオールスターズの53枚目のシングル
「I AM YOUR SINGER」。初回完全生産限定版として、30周年にちなんで
30万セットが通常盤CD+ハッピ入りBOXで販売される。

別にハッピが欲しいわけではないのだけれど、30周年の記念なので、
買っとこう、と、先日予約をしておいた。勝手にシンドバッドのスペシャル
BOXも買ったし、こういうのって”記念”だからね。
ライブでそのハッピを着るわけではない。かと言って、
袋に入れたまま大事に取っておくわけでもない。袋から出して広げてみて、
なるほどねーとうなずいたりして、販促品として楽しみ、またしまう。
そうやってダンボールにはたくさんのサザンのグッズが眠っている。
とにかく、記念だから!お祭りだからね!

サザンオールスターズは大好きだし、桑田さんも大好きだけど、あのお揃い
のハッピを着てライブに行く、という感覚は私にはなく、あの光景を見ている
と、なんだか恥ずかしくなったりしてしまう。(^^;ゞ
しかも、サザンのファンだから、ある程度年配の方が多く(私もね!)、その
方たちがお揃いのハッピを着ている様は、なんとなく・・・(^◇^;) 町内会の
お祭りを思わせる。(失礼!)
これは、”ハッピ”だからかな?ハッピが恥ずかしいのかな?(^◇^;)
よくわからないけれど、はずかしい。
本当は”お祭り”だからいいんだけどね!こればかりは好みの問題だから
ま、どうでもいっか!

それはそうと、そうやって何気なく予約を入れておいた今回のハッピBOX。
今はもうどこでも予約できない状態だそうだ。そーなんだ!
やっぱり活動休止してしまうからかな?30周年だからなのかな、すごいね。

この調子でいくと、auから3000台限定で発売される「サザンケータイ」も
あっという間に売り切れてしまうのかな?すごいなー。
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『まぼろし』

まぼろし

2001年、フランス映画。
この時、主役のマリー演じるシャーロット・ランプリングは55歳。

まず、彼女の美しさに息を呑む。55歳!こんなに年齢を重ねてきた顔の皺の
美しい人は他にいるだろうか?彼女の視線や表情で多くを語る凛とした演技が
とても印象的だ。

長年連れ添った伴侶が、バカンスでやってきた海岸で、泳ぎに行った
まま姿を消す。失踪なのか、事故なのか、それとも自殺なのか。
自殺だとしたら彼に何がおきていたのか?
行方がわからないまま、マリーは夫になにが起きたのか理解できない
まま、現状を受け入れることができず、受け入れようとせず、苦悩する。

愛するものを失ったとき、人はどのように心の整理をし、それを受け入
れるのだろうか・・・

やがて長い心の旅を終えた彼女が、夫の死を受け入れる時、
その深い愛は、彼女の心を満たしていく・・・

・・・と書いてしまうと簡単なのだけれど、その長年連れ添った夫とのさりげない
時間を過ごすマリー、夫を見失った時の困惑するマリー、夫の死を理解しない
まま悲しみの中夫のまぼろしに救われるマリー、夫が波に消えていった
浜辺で嗚咽するマリー・・・・そしてすべてを受け入れたマリー・・・・・。
どのシーンをとってみても、その心の葛藤が美しくて、シャーロット・ランプリング
が美しくて、最後の海岸のシーンなどは、もう言葉を失う。

中でも、マリーが、マリーを気に入っている男性ヴァンサンに、ヴァージニア・
ウルフが入水自殺をする前に残した言葉を語るシーンがあるのだけれど、
その時のシャーロット・ランプリングの表情が素晴らしかった。

「気が変になりそう。声が聞こえてきて仕事に集中できない
の。努力したけどもうこれ以上耐えられない。貴方のおかげで私は
しあわせでした。愛しい貴方の人生を台無しにすることは出来
ません。」

この映画の最後で、マリーが夫の死をみとめ嗚咽するシーンがある。
確かにマリーは死を受け入れるのだけれど、
ただ、そのとき、彼女はその悲しみを乗り越え現実に戻れたのか、それとも
乗り越えられずに夫のまぼろしと生きていくのか・・・・
その辺は私ももっと年齢を重ね、そして伴侶を失ったその時にならないと
わからないのかもしれない、と、そんな事を思った。

ちなみに、この『まぼろし』、フランス映画で、原題は「Sous le Sable」直訳すると
「砂の下」だそうです。
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