『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

着物

2022-05-14 22:24:12 | 着物
気持と時間に余裕がない時はやはり袖を通せないのですが、昨年末から、5回着物を着ることができました。
着物は自分の調子のバロメーターにもなるので、これからも着ていきたいなと思います。

そもそも、甲野先生とのご縁が繋がったのも、結果、今の奏法に辿り着けたのも、全ては「着物」のお陰。

母の逝去後、毎日、母の着物を着ることで寂しさも癒され、着物という新しい楽しみを知っただけでなく、フルートの音まで良くなっていることに気付いた。
さらには、「美しい着物」という雑誌で「着崩れないナンバ歩き」という記事があり、そこに甲野善紀先生の記事と写真が掲載されていたのがきっかけでした。

写真の先生は本当に素敵で、ふと、「この方がフルートを吹いたらどんな音がするのだろう?」なんてことを考えた。

当時はまだ息子が中学受験の真っ最中だったので、ゆとりがなかったのですが、翌年2003年2月に新宿の朝日カルチャーセンターの講習会にうかがったのが全ての始まりでした。

あれから19年も経ったなんて信じられない。
本当にあっという間。

ということで、着物をないがしろにしていては罰が当たるというものです。

年齢と気力体力を考えると、後、何回着られるのだろう・・?
なんてことも考えてしまいます。

組み合わせを考えるのも楽しいのですが、色々と忘れてしまって同じ組み合わせばかりになってしまうこともあるので、記録も兼ねて、昨年末から先日のものまでをまとめておくことに。

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昨年12月の急遽決まった音楽家講座の折に着たのは黒大島。
銀と朱で花唐草の模様が織り込まれています。
帯はなんにでも合う細かい幾何学模様のくすんだ黄土色の名古屋。
師走の「暮れぼろ」の雰囲気で渋めの取り合わせで。
いつも帰宅後は夫に写真を撮ってもらうのですが、この日はもう寝てしまっていたので、鏡に映して。
自撮りモードだと、顔が大きくなりすぎてあまりにもあんまりなので、これで。



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元旦に家族3人で中華街に出かけた時は亀甲の藍結城紬と黒の塩瀬の名古屋帯。コートはレッスンに行く道すがら偶然見つけたイタリア製のラグラン袖のものを20年前から愛用。熊のぬいぐるみみたいなモヘアの生地で、折り返し部分は艶のあるシルクタフタみたいでお洒落なのですが、実は全て化繊で、とても軽い。セールで確か8,000円くらいだった記憶が。
着物仲間からは、羨ましがられているコートです。

いつかは着物用のヌメッとした上等なカシミアの着物コートを・・
と思いつつ20年経ってしまいましたが、袖をひっかけることもなく、暖かいので、重宝している冬のコートです。
母のものはスワカラ&ミンクの襟で、今の時代にはちょっと・・
80歳くらいになっても元気だったら「だって寒いからね」としゃあしゃあと言って着たいので、保管。




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お正月休みに高校の同窓生の俳句の会で集ったのは六本木ヒルズにある会員制の個室レストラン。
日頃は六本木も会員制も全く縁はないけれど、社会見学気分で参加。
・・六本木ヒルズは外国みたいでした・・



隠し扉みたいな入口はほぼ本棚。でも飾ってあるのは本ではなくて木。



牛首紬の訪問着が既に掟破りなので、もういいや、とさらに掟破りで金糸の洒落名古屋を。訪問着とはいえ、紬に金糸は御法度ですが、こうした場所にはマッチするかな?と。艶がある紬なので、いいような気もするのですが、母が生きていたら、窘められたかもしれません。
でもこうして改めて写真で見ると、やはりちょっと違うかな?
掟には掟なりの美意識や理由があるのだなあ、と反省。
二重の掟破り、もうしません。この帯は江戸小紋に合わせることにしよう・・



この三番叟の刺繍の洒落名古屋は、母から受け継いだものの締める機会がなくて、今回初めて。硬くて締めにくかった。
母もずっと締めていなかったから、多分50年以上ぶりの登板。
着ていない着物や帯には、なんとなく申し訳ない思いもあるので、今回これで少し肩の荷が下りたような気分です。

留袖と色留袖、夫々に合わせた袋帯は機会がなくずっと箪笥で眠っています。息子が結婚する時には絶対!と思っているけれど、果たしていつになることやら・・

お正月だったこともあり俳句の中に、三番叟を詠んだものもあり、季節的にはぴったりでした。


肝心の俳句は絶不調だったので、掲載できず・・

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何月だったか・・
春の音楽家講座。春はやはりピンクが着たいので、ピンクの無地結城紬。
去年は小豆色の塩瀬の帯で引き締めたのを今年は紙布の名古屋であっさりめに。帯ひとつでガラっと雰囲気が変わるのも着物の面白いところで魅力。
(今年)

抱っこが苦手なピピも、着物の時は抱っこされる時間が長い。
猫も着物好き?
後の手入れが大変ではありますが、ついつい。



(去年)


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先日、5月の音楽家講座。
肌寒くなったので雨でしたが着物で。
(当時は)若手の作家の草木染、手織りの紬。
フレッシュな緑が5月にぴったりなので、「5月の着物」なのですが、ずっと5月はいつも暑くて、単衣にしてしまうことが多く、着そびれていましたが、久々に。確か以前着たのは甲野先生と出会って間もない2003年の4月だったと思う。水色の地に様々なパステル調色彩の相良刺繍の帯で。

19年ぶりの今回は半襟を薄い藤色にして、帯も紫の絞りの名古屋に。
本物の紫紺染めでないのが残念ですが、このなんちゃって紫紺染めも、素朴な風合いが気に入っています。

実はこの日は「嘘つきデビュー」。
着物好き以外には?ですが「嘘つき」というのは絹の襦袢ではなく、簡単な着物用肌着。薄い木綿に化繊の絽の襟と袖が付いているもので、初めて着用しましたが、その軽さにびっくり。袖が軽いのは暑い時には嬉しい。
5月は単衣の絹の襦袢をいつも着るのですが、やはり今の5月は単衣といえども、ちょっと暑い。夏用の麻の襦袢は着心地もよく涼しいのですが、アイロンがけが面倒で・・それに絹と麻というのもなんとなく違和感があり。
化繊の絽は、麻よりはしっとりとした感じもあって、思いの他、絹ともよく馴染みました。「嘘つき」は着物好きの生徒さんに教えていただきましたが、本当に優れものです。この「嘘つき」のお陰で5月の着物もより楽しめそうです。



水色の雨ゴートとの色合いもぴったり。
先生へのプレゼントを買った折、若い女性の店員さんが「癒されました!」と褒めてくださり、やはり、嬉しい。
着物を着ると、こうしたコミュニケーションが生まれるのも楽しいものです。
色の半襟は難しく、あまりやらないのですが、今回は、
薄紫、緑、水色と初夏の取り合わせが上手くいきました。
こうした色の組み合わせを考えるのも着物の愉しみの一つです。



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