「幸せ時間」という短いTV番組があるけれど、私にとっての一番の幸せ時間は、ピピにブラシをかけた後、少しだけご褒美おやつをやって、その後ピピがそれを食べたり、水を飲んだりしているのを眺めている時である。
通常、猫は人が居るところで食べたり飲んだりするのは嫌らしいのだけれど、ピピはむしろ、家族の誰かしら(場合によっては複数名)が見守ってくれている中、食事をする方が好きで、途中、「ちゃんと見張っていろよ」とでも言いたげに何度も人の顔を見る。
多分家来に見張らせている方が、ゆっくりと安心して食事が出来るのかなと思う。
特に水を飲む時のあの何とも言えない、愛らしいピチャピチャという響きを聞くと、心身がとろけ出す。
元々、砂漠に住んでいたという猫の舌は、本来水を飲むには不向きなものらしい。
動画などもあるけれど、かなり効率の悪い飲み方をしている。
そしてタンギングなのだけれど、2013年に出版されたシャコンヌのフルート奏法のところに、「猫がミルクを飲むような感じで」と書いている。
当時は猫は飼っていなくて、実際に猫がどのように飲むかなど知る由もなく、単なるイメージで口走っていたけれど、本意はただ舌を前後の同じ場所の往復運動として捉えるのではなく、より自由な螺旋的な運動として、という意味で書いていた。
今回、久々に読み返すと、そもそも人間が飲む牛乳は猫には良くないということで、猫専用ミルクなどじゃないとダメということも知らなかったので、「ミルク」と書いているけれど、まあ、水を飲むということで。
実際に、ピピが水を飲んでいる姿から、実にそれ以上のことを学ばせてもらった。
これも逆S字の構と同時に気付いた。
つまりは、シャコンヌに書いたことそのままなのだけれど、じゃあどうすれば良いのか、ということがようやく具体的に。
舌だけ動かそうとしてしまうからよろしくないのだよね。
これはタンギングだけでなく、よく舌根を柔らかく、という声楽でも同様かと思う。