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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

にくの会

2025-05-09 23:12:51 | 俳句
高松高校同窓生有志による「にくの会」。

素人句会であるにも関わらず、同窓の先輩である対馬康子先生が毎回目を通してくださっているという贅沢な会です。

昨年は前半は東京玉翠会総会の準備に追われ、後半は年末の旧音楽学校奏楽堂でのコンサートの準備に追われ、まったく余力がなく、というか気持ちが俳句からすっかり遠ざかってしまっていてほぼおさぼりでした。

今年になってからも、急に決まった先日のミニピアノとのコンサートの準備で、やはり俳句には全く関心が持てなくなっていた。

砂原さんのお勧めでドビュッシーのビリティスをやることになったものの、コンサートで取り上げたのは初めてだったので、一から勉強し直していて、もう頭の中にはビリティスしかいなかった。

シランクスからもわかるように、言葉と密接に結びついているドビュッシーの作品の一つ。なので、シランクスを研究した時の様に、原文のフランス語のテキストを入手。ピエール・ルイスの『ビリティスの歌』をみな読むところから始まった。

とはいえ、2018年にシランクスに取り組んでいたころは、翻訳サイト各種を駆使して、フランス語を日本語、英語、ドイツ語、と訳して整合性を確保して訳す、みたいなことをやっていてとても時間がかかったものです。

それが今回、2025年ではスマホでパチリと写真を撮れば、それがもう自動的に翻訳されて、精度もかなりのもの。 本当に便利な世の中になったものです。

外国版の楽譜の解説だって、パチリでOKなんだから、ありがたい。

という訳で、もうずっとビリティス。
実在しなかったのが信じられないくらいビリティスに入れ込んでいた。

コンサートも無事終わり、ようやくふっと俳句のことも思い出して投句。

前回は、散々で全くの無得点でしたが、その中の一句を康子先生が選んでくださって★1つをいただきました。値千金!\(^o^)/


雨降りて蕗の花散る日曜日 ★

   せっかくの日曜日なのに肌寒い雨・・と庭を見て一句

頬染めて空港ピアノ春日和

   マルタ空港で人生初のピアノを弾いた夫の様子


(兼題・・放)
春光やただ開放(カイファン)と教わりぬ

    20年前、甲野先生の御縁で、韓氏意拳のご指導を受けた時の
    言葉。中国語の響きが美しいなと思い出して。




そして今回、先生が目を通してくださるのはこれからですが、提出した3句共に、共感してくださる方がいらして、有難かったです。
合計5点と点数は低くても、前回は0点だったのでかなりの進歩です!

(兼題・・電気製品で)
掃除機の掃除も楽し五月晴れ 1点

薫風や老前整理など始む   2点

     いずれも、片付け、掃除に追われていた連休中の句

春雷や猫は耳伏せ腹這いに  2点

     春の嵐となった5月2日のピピの様子









にくの会

2023-08-09 14:27:30 | 俳句
高松高校同窓生有志による「にくの会」。

素人句会であるにも関わらず、同窓の先輩である対馬康子先生が毎回目を通してくださっているという贅沢な会です。

昨年末からの親不知トラブルで、もう俳句を詠むゆとりなどは吹っ飛んでいて、ずっとおさぼり状態だったのですが、先月久々に、締め切り間際の前日に投句。
兼題句1つと自由句2つの決まりなのですが、3つめが思い浮かばないまま2句のみの提出となりました。

康子先生の★はいただけなかったものの、この二つの句が夫々、7点、6点となったのは、嬉しかったです。

どちらも実景・実感句。

(兼題句・「若」)

「若冲の象のまなこや夏の月」 7点句

細い三日月が若冲の描いた象の目みたいだなあ、と夜道で感じたものをそのまま。
大きな白い象が夜空いっぱいに描かれている様を想像して詠んだ句。


「企みは紅のひと刷毛夏祭り」 6点句

浴衣姿の若い二人連れ。
まださほど親しい間柄ではないような微妙な羞恥と距離感も漂う。
女の子の濃いめのチークに気合を感じ、微笑ましく思え。いいなっ!

「にくの会」

2022-11-21 19:11:15 | 俳句
高松高校同窓生有志による俳句の会。

贅沢にも、同窓のご縁で対馬康子先生が毎月選句してくださっています。

やはり本業が忙しくなると、ついついおさぼりが続いていたのですが、11月は久々に投句しました。

どれも、実景句。
誰からも選んでもらえなかった2つの句が、両方共に康子先生の★をもらえて、嬉しいっ!!



雲の龍秋空ぐんと分け進む (3点句)

   富津で見た夕焼け空の龍みたいな雲の印象です。





朝露を含み枝垂れる芒かな(0点句)★

   これも富津の早朝の散歩の折に見た芒。
   キラキラと光って美しかったです。
   朝露も秋の季語なので季重なりは承知の上で。
   ・・そもそも朝露が季語っていうのもなあ・・・




秋日向スポットライトの中に猫 (0点)★

   リビングで陽だまりをおいかけてゴロゴロしているピピ。
   まるでスポットライトが当たるスターです。
   ピピの句で康子先生の★をいただけるというのはより嬉しいにゃん。


「にくの会」 9月

2021-09-23 16:18:17 | 俳句
先月はパソコン不調でおさぼりしてしまいましたが、今月は参加。

高校の同窓生有志による俳句同好会「ニクの会」

最近はもっぱらリモートでの参加です。

今回の兼題は「葡萄」。

・好物・・

なだけに難しかったのですが、ふと思い出したのは東慶寺の野葡萄。

それをそのまま詠みました。


「七色の野葡萄茂る東慶寺」

(句糸)子供の頃は近所に沢山あって、ままごとの材料で、幼心にも、宝石みたいに綺麗!と感動しておりました。
その野葡萄を久しぶりに見たのが、「東慶寺コンサート」。
リハーサル前の時間の散策の折に見つけ、心を鎮め励ましてくれる幼馴染に遇した様な心地でした。食べられませんが一番好きな葡萄です。
七色、五色、等の表現は具体的に決まった色を示しているものではなく、確か「様々な色」という意味の抽象的表現でも使われるのではないかな?と採用しました。

3点句でしたが、対馬康子先生の★1つをいただきました。

・・・・・



「新涼の風を吸い込み再始動」


(句糸)こちらも、感じたままに出てきた言葉の句。マスクをしなくてはならない猛暑は本当に大変でしたが、秋になりちょっと一息。ただ言葉がやや散文的だったかな、と反省。
こちらは1点句。

・・・・・・・・

「蜘蛛の子をいたぶる猫や秋涼し」

(句糸)これもまた、そのままの情景句。
猛暑の間ぐったりと昼寝ばかりしていたうちの猫が、秋になり涼しくなったとたん活発になり、時折部屋に出て来る小さな蜘蛛にちょっかいを出し始めました。食べる訳ではなく、シャっと猫パンチし、蜘蛛が動きを止めると、その様子を眺め、動き始めるとまたパンチという様子が、どうみても「いたぶっている」としか思えず、ちょっとショックではありましたが、これも野生的で可愛い・・
「蜘蛛の子」が季語というのは調べて知っていましたが、先達の句にも重ねて使われているものがあったので、敢えて。「ゴキブリを」(実はこちらもいたぶっていました・・)よりはいいかな、と・・

こちらも一点句。でも、康子先生の★1つをいただけ、嬉しい。
・・きっと康子先生も猫好きに違いない・・

・・・・・・
「いたぶるなんて、そんなことはしませんよ~~」
という表情のピピ。ご近所での買い物かごに使っている白川郷で購入したアケビのカゴが最近のお気に入りで、これまたジャストサイズです。




顔を埋めてもぐってカゴと一体化する技も。




「にくの会」 7月

2021-07-25 02:33:42 | 俳句
高校の同窓生有志による俳句の会「にくの会」。

同窓である対馬康子先生に選句していただける贅沢な会です。

今回もリモート参加。

前回、初めて康子先生の特選★3つを頂き有頂天に。

やはり、とても励みになるものです。

今回は、結構前からちゃんと考えた。

いつも、締め切り当日にパパっと、だったのを3回くらい推敲しました。

今回の兼題は「向日葵」。

特選とはなりませんでしたが、この兼題の句で★1つをいただきました。

最初に思いついたのはオヴィディウスの「変身物語」。

太陽の神・アポロンに焦がれて向日葵になってしまったニンフの話。

でも、句は披露するのも憚られるくらい陳腐なものに。

間際だったら、きっとこれを出していたことでしょう。

切り替えて、他に連想を飛ばして、すぐに思いついたのは、ウクライナの向日葵。

作曲家・カプースチンのことを調べるために、ウクライナのことを検索している中、向日葵の生産量が世界一、ということを知りました。種からオイルを取るのだそう。

そして、チェルノブイリ。

さらには福島。

放射能を軽減するために、向日葵が植えられたという話も耳にしたことがある。
見る人もいない村に咲く向日葵。
最初は「見る人もなき村」だったのを、より句糸がわかるように、「線量測る」に。

     向日葵や線量測る村に咲く (4点)★



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウクライナ繋がりで思い出したのは・・
ウクライナワンピースにすっかりはまり、ついでにウクライナの古い手紡ぎ手織りの麻のストールを入手し、梅雨時に重宝していたので、そのことを。
100年程前のものらしく、やや厚手で、本来はテーブルセンターかもしれない。
でも、時代を経て、よい具合にしなやかになっているので、巻物に。
どんな女性が紡いで織って、そして使われてきたのだろう・・
サンドベージュの生地(65㎝×180㎝)全てに白い糸で刺繍が施されていて、その手間を考えると気が遠くなりそう。



やや、重いけれど、不思議なことに身に着ける全く気にならないのはウクライナワンピースと一緒で、肌ざわりや通気性がよく心地よいからかも。

本人がヴィンテージ年齢?に近付いてきたせいか、身につけるものも、ヴィンテージが増えてきたなあ・・

    梅雨寒の首にクシュリと手織り麻  (2点)

・・・・・・・・・

母の形見の白檀の扇子は夏の必需品。

3本程ある。

古い物なので、香りすぎなくなっているところも丁度良く、愛用しています。
母方の祖母からもらった鼈甲にオパールと翡翠の細工がされた簪をリフォームしてもらった根付を滑り止めに。







「簪はもう使わないから、作り替えたの。一つは私に。もう一つを〇〇さんに。」
と、母に。おそらく40代で夫を亡くした母への労わりだったのだと思います。
それを私が受け継いだ。
着物を着た時にはいつも帯飾りとして付けているものです。

祖母とはいっても、血の繋がりはなく、元芸者さん。
最初の奥さん、つまり本当の祖母以降の祖母の最初の1人は銀座のママ、他3人は、みな芸者さんだった。

私は2人しか知らないけれど、お二人とも綺麗で、シャンとしていて、親切で、話も面白かった。そして可愛がってもらいました。

母たちの感情はまた別だったろうとは思うけれど、子供心には、綺麗なおばあちゃんというのは自慢で嬉しいものだった。

子供の頃は高松に居て、西鎌倉の祖父母に会うのはいつも夏休みだったので、夏になるとより、想い出すことが増える。

祖父の家での親戚一同集っての宴会はとても楽しかった。
・・そうか。私の宴会好きのルーツはこれだったか!?と今気付く。


この夏のあまりの暑さに、携帯用扇風機も買ってはみたものの、音も気になるし、かさばって重いので、結局は、ずっとこの扇。祖母の根付も付けたので親子三代の扇になった。

白檀の香りはもう微かになりましたが、母を思い出す薫風です。 
もちろん祖母達のことも。


       白檀の扇の風に母想う  (2点)