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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

猫が水を飲む様に・・

2025-07-31 22:31:36 | 気付き
「幸せ時間」という短いTV番組があるけれど、私にとっての一番の幸せ時間は、ピピにブラシをかけた後、少しだけご褒美おやつをやって、その後ピピがそれを食べたり、水を飲んだりしているのを眺めている時である。

通常、猫は人が居るところで食べたり飲んだりするのは嫌らしいのだけれど、ピピはむしろ、家族の誰かしら(場合によっては複数名)が見守ってくれている中、食事をする方が好きで、途中、「ちゃんと見張っていろよ」とでも言いたげに何度も人の顔を見る。

多分家来に見張らせている方が、ゆっくりと安心して食事が出来るのかなと思う。

特に水を飲む時のあの何とも言えない、愛らしいピチャピチャという響きを聞くと、心身がとろけ出す。

元々、砂漠に住んでいたという猫の舌は、本来水を飲むには不向きなものらしい。

動画などもあるけれど、かなり効率の悪い飲み方をしている。

そしてタンギングなのだけれど、2013年に出版されたシャコンヌのフルート奏法のところに、「猫がミルクを飲むような感じで」と書いている。
当時は猫は飼っていなくて、実際に猫がどのように飲むかなど知る由もなく、単なるイメージで口走っていたけれど、本意はただ舌を前後の同じ場所の往復運動として捉えるのではなく、より自由な螺旋的な運動として、という意味で書いていた。

今回、久々に読み返すと、そもそも人間が飲む牛乳は猫には良くないということで、猫専用ミルクなどじゃないとダメということも知らなかったので、「ミルク」と書いているけれど、まあ、水を飲むということで。

実際に、ピピが水を飲んでいる姿から、実にそれ以上のことを学ばせてもらった。
これも逆S字の構と同時に気付いた。
つまりは、シャコンヌに書いたことそのままなのだけれど、じゃあどうすれば良いのか、ということがようやく具体的に。
舌だけ動かそうとしてしまうからよろしくないのだよね。
これはタンギングだけでなく、よく舌根を柔らかく、という声楽でも同様かと思う。






逆S字の構え

2025-07-23 23:28:05 | 気付き
フルートの構え方は、本当に色々と変化してきていて、もう数えきれないくらい・・

それだけ未完成、ということでもあるのですが、今回は、気味悪いくらいの効用があり、この夏の暑さが吹き飛ぶくらい驚いた。

ゾクっとするくらいに。

甲野先生の刀の構え方が、逆になったSを下からなぞる感じとなった、というのは音楽家講座の中で、数か月前からうかがっていて、漠然とフルートの構え方のヒントにもなりそうとは思っていたものの、「でも、先生だからこその感覚ということもあるから、安易に取り入れようとか真似しようと思わない方が良いかもな」と思っていた。

なんとなく、ではあるけれど、今回のことに関してはそうだった。

4月末の本番があるまでは、安定させておきたかったというのもあるし、自分ならではの視線を使って首の位置を決めるやり方の気付きなどもあり、もうある程度満足していたというのもある。

でも4月の本番が終わってからは、いつもの事ではあるけれど、今の吹き方がもう嫌になっていて、フルートに関しては「なんだかなあ」というウツウツとした気分が続いていた。

きっかけは、笛吹き仲間のTちゃんが遊びに来てくれたこと。
「ピピ」に釣られて?もあるけれど、前回の音楽家講座に参加してくださっていて、その時の打ち上げで、なんとなく、じゃあお茶しきどうぞ、となっていたのでした。

「真理さんのシャコンヌの楽譜がもしあったら欲しい」と言ってくれたので、残り数冊となっていた楽譜を一部用意していた。

これは2014年頃にアルソ出版から出したもので、バッハのヴァイオリンパルティータ第2番のシャコンヌをフルート用に編曲したもの。

自分で吹きたくてフルート編曲用を探したけれど、原調ではあったものの、これはかなり原曲と違っていて使えなかったので、じゃあ自分でやるか、となったのがそもそものきっかけ。

他にもフルートで演奏しやすい様にと、調が違うものもあるけれど、やはりバッハは原調でやりたいと私は思うので。

植村先生はあきれながらも、良いご助言を沢山してくださったことも懐かしい。

色々大変な大曲だけれど、最も大変なのは15分間休符がなく吹きっぱなし、ということ。

だからこその持続力がある古武術奏法ということで、楽譜には2ページ使って、当時の私がやっている構え方や考え方なども書かせてもらった。

久々にそれを読んでいて、当時の構え方のところで閃いた。

このころは、右手に内旋をかけて、そのての甲にフルートの先端を載せて運ぶようにしていた。これは甲野先生が「肩がささないように」と一番最初に考えてくださったもの。

確か、音楽家講座第一回目の打ち上げの席で、先生が思いつかれたものだ。

その後、これがベースとなって、様々な進展があったのだけれど、すっかり遠ざかっていた構え方。

でも、改めてこれを見て気付いたことが。

当時は右手の方がささないこと、つまり右手のための構え方という認識しかなかったが、この構え方は、最近のっ逆S字の構え方が内包されていたのではないか?ということ。

21日はtちゃんと楽しいひと時を過ごし、色々なことを語り合って、とても元気付けられ、同時に「生きること、フルートを吹く事」ということを考えさせられずにはいられなくなっていて、珍しく、中々寝付けなくなっていた。

ふと、何かしらが降りてきた感じがして、横たわったまま、逆S字で手を挙げてみるとただ掬い手で揚げるより、すっと腕が軽い。

これで更に目が冴えてしまって、上半身を起こしてエアフルートでやってみるととても良い。

更に思いついたのは、「両手を使う」ではなく、右手で左手とフルートを運ぶということ。

翌日試してみたところ、本当に気味悪いくらいに何もかもが変化。

二頭上腕筋その他を今までは働かせすぎていて、そいつが色々と邪魔していたのだなあ、としみじみ。

本日、レッスンで生徒さんに試したところ、二人の方が大きく変化。

自分では、二の腕や首筋周辺が本当にラクになったなあ、と思っていたけれど、変化して生徒さんを見ると、外側からでは、とにかく肩がとても落ちている。

忙しくて読んでいなかった甲野先生のメルマガを読むと、なんと同じような気付きをされた稽古会の世話人Nさん(こちらは剣術であるが)のことが書いてあって、正に我が意を得たり。

人の身体というのは、本当に面白くて凄いです。

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明日は、御子息・陽紀(はるのり)先生による音楽家講座です。
久々の陽紀先生、とても楽しみです。

既に沢山のお申し込みをいただいておりますが、
広い会場ですので、お申し込みなしでも可能です。
どうぞお越しください!



アウィ~ン♪

2025-07-18 20:08:16 | 気付き
エースの舌打ち演奏にヒントを得てガラっと変化したのだけれど、レッスンでそれを説明しているうちに、段々「ホラ、志村けんのバカ殿みたいな顔で・・」となっていました。

とはいえ、さほどバカ殿を見ていた訳ではなく、なんとなくのあんな感じ、という曖昧なあくまでも個人の印象、意見なのですが。

でも、この「なんとなく」がどんぴしゃりの感覚であり、より明確な技法として定着したのは小学生の生徒さんKくんのお陰。

「志村けんって知ってる?」

「知ってます!これでしょ?」

と「アウィーン」をやってくれたのでした。

この「アウィーン」は知ってはいたけど、私の認識の中からは抜けていて、なんとなくのバカ殿だったのだけれど、確かに「アウィーン」というのはとても的確。

この「アウィーン」の効用は大きく、その一番の効果は、なんといっても「吹き過ぎなくなる」ところ。

実感を求めて大量の息を前に前にと吹いてしまうと、全く鳴らない。

だからこその「アウィーン」。

ついでに、上下の唇の位置が自然に揃う。
つまり上下の顎の位置が揃う。
結果上唇中央の突起をよりよけやすくなる。

「アウィーン」は本当に凄い。

このところアウィーン連呼のレッスンをしていますが、思わず社会人の生徒さんがこらえきれずに笑いだしてしまわれた。

「先生、すみません。もう耐えられなくて・・。もしこのレッスンを聞いている人がいたら、『アウィーン』って何だろう?って思うだろうな、と思うと、もう可笑しくなってしまって・・」

確かに、ちょっと外国語の学術用語っぽく聞こえないこともない。

・・・・・・・・・
(追記)
オリジナルはアウィーンではなくアィーンでした!

でもフルートではアウィーン。



セレンディピティ 

2025-06-29 18:38:40 | 気付き
セイロンの3人の王子がなんたらかんたら、という語源のセレンディピティ。

こうした偶然による大きな気付きが6月初頭だったか?5月下旬だったか?忘れてしまいましたが、もたらされました。

あまりにあまりなので記録するのもなんだかなと、ずっとそのままにしていましたが、忘れてしまうのには惜し過ぎるので、気付きメモ。

そもそものきっかけは息子のヘアスタイルだった。

夫に似て面長なのだけれど、私に似てのっぺりとした顔立ち。

ヘアスタイルを普通の爽やか系にしていれば、それなりにまあまあのビジュアルに見えないこともないのだけれど、本人の趣味で、何故かいつも変な顔に見えるヘアスタイルになっている。

それでも前回は軽くウェーブのついたミディアムヘアだったので、まだましで、内心ほっとしていたのだけれど、今度はドングリみたいに。

前髪は短めにパッツンと切りそろえられ、サイドは刈り上げのツーブロック。
後ろは少し長めでチョロチョロと残してある。

どうみても、ドングリにしかみえない。

夫は「なんだそりゃ。エースみたいだな。」

「エースって誰?」

と知らなかったのだけれど、すぐに検索して納得。

ということで、エースを知った。

その数日後、掃除を終えてソファーで一休みしつつアイスを食べ、TVを付けたらエースが出演していた。普段ならすぐチャンネルを替えるけれど、息子のこともあったので、そのまま観る。

そこでエースは宴会芸?を披露。
奥歯を鳴らして曲を演奏というもの。
あっけにとられていると、次に舌打ちで曲を披露。

・・これなら出来るかも?とやってみると、なんだか出来た!?

そしてすぐに気が付いた。

お腹の支えやアンブシュアのアパチュアなど無関係に音程は変えられると。

その時エースが演奏していた曲は忘れてしまったけれど、私はベートーヴェンの「よろこびの歌」を舌打ちでやっている。

これで宴会ももうOKさ。
ついでにフルートの低中高の音域夫々の吹き方、インターバルの移動の仕方などがガラっと変化。

つまりは口腔内の容積形状を変化させる。

前回の左手人差し指の付け根に関した気付きも愕然としたけれど、今回の衝撃はもっと凄かった。

より実感なく、涼しい顔で演奏出来、息効率もよくなる。
何より音の輝き、飛び方、残響が全く違う。
こちらの労力が少ない方がずっと良い。

そもそも低音でも支えられているし息のスピードもあるのに、高音だからといって、そこに上乗せするという発想がおかしいと思うべきだった。
つまりは「苦労する」ということになる。
なんやかんやで、まだまだわざわざ苦労するやり方を選んでいたとはな。

半世紀以上もやってきて、今頃こんなことに???

とはいえ、今までの長い積み重ね、というよりも変遷があればこその技になったのだとは思うけれど、それにしても・・

エースくん、本当にありがとう。
こちらも調べてみると、「アホキャラ」を引き立てるための、芸人としての覚悟の表れとしてのカブトガニをモデルにした、彼独自のオリジナルのヘアスタイルだった。素晴らしい。

ついでに息子にも、ありがとう。

でも一般の社会人なのに、あのヘアスタイルでは、もてない、というか引かれてしまうと思う。会社側が大丈夫というのも凄いけど。
この際、どうせやるなら人真似ではなく自分のオリジナルを探求して欲しい。
シーラカンスとか良いのでは?


内旋・外旋他

2025-05-03 21:18:50 | 気付き
久しぶりの気付きメモ。

レッスンは大好きで、かつ本当に有難い。

師・植村泰一先生もよく仰っていらした。

「人間、自分の事はわからなくても、人の事はよくわかるからね。」

今回も思わず「いやあ、興味深いですねえ・・」と呟いてしまった出来事がありました。

一度、私のレッスンを受けてみたいといらした方で、長年やりこまれていて、素晴らしい音を出すことが出来るのに指がバタついて動きが悪いままの生徒さん。

大人になってから始めたから、指のための練習時間が少ないから、ということが主な原因と思われているし、世間でもそういうことになっているので、本人もそう思ってしまっていることがある。

でも、私のこの頃の感覚では、誤解を招くのを承知で言えば、指はそんなに練習しなくても「ある程度は」まわる。ということ。

あくまでもある程度であって、長難易度の高い楽曲などは、もちろん除外しておいていただきたい。

この「ある程度」すら動かすことが大変そうで、沢山さらえば、そこだけはなんとかなるけれど、それがその先にあまり繋がらない、という症状。

「興味深い」と思ったのは、左手の状態に関して。

薬指と小指が伸びきったままで、届いてはいるけれどキィの端っこに。
このタイプはとても多い。

なので、「含胸抜背」の構をお教えして、自然に左手首が入るようにするのだけれど、それでも、なんだか、フルートと左手の関係性がよそよそしいし、違和感が。

それは左人差し指の第2関節の位置が、かなり埋まってしまった状態だった。

なので、その当て位置を修正していただいたとたん、薬指と小指もちゃんと丸まって、キィの真ん中に置かれるように。
音もさらに響くように。

指もバタつかず動く様になり、16分音符レベルでの動きにも普通に対応できるようになりました。
たったこれだけのことで。

そして我が身を振り返り、そして自身の生徒さん達のことを考える。

第2関節はもちろん、ちゃんとフルートの上に来る様になっているけれど、果たしてそれはベストな位置か?

特に不自由はなかったので、そこが「普通」になっていたけれど、それはベターであるだけで、ベストではなかったかも?

と試してみたらその通りで、よりマシな場所を見つけることができました。

これに付随して右手も。
右手親指に関しては、本当に彷徨っていて、なかなかこれだ、というのがなく、とりあえずは、ということで伸ばして側面を使っていたのだけれど、これも大きく変化。左手が以前の場所だったら、出来なかったことが、今はこちらの方が馴染むというのが不思議で面白い。

両脇や肘は無理に上げるのではなく(肩が上がるから)内旋をかけているのだけれど、そのまま手指も対応していたための位置だった。

それを内旋の後、肘から先はむしろ外旋を加えることで、より薬指、小指が楽器と仲良くなり、親指人、差し指の出しゃばりは減る。
中指は、その都度の動きに応じてバランスを取る役目。

そして、これらの所作の結果、フルートは骨に当てて持つような感覚に。