『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第105回 音楽家講座~甲野陽紀先生を迎えて~4月28日(水) in鶴見

2021-04-29 10:41:00 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
甲野先生の代講ということで、御子息の陽紀先生を迎えての音楽家講座でした。

蔓延防止法による要請を受けての時間短縮開催。

さらに東京は再び緊急事態宣言も出たという状況。

開催するか否か逡巡もありましたが、市の施設である会場側からは、自粛のお願いも今回は出なかったこともあり、開催に。

感染予防が充分に配慮された広い空間で、100人のキャパに12人、という贅沢な使い方での、ソーシャルディスタンスはあるものの、心情的には、とても密な講座でした。

いつも、甲野善紀先生の講座のリポートをするのですが、今回はなしで。

・・というのも・・
陽紀先生の講座は、誰もがすぐに、その場で出来ることばかりで、それは、何かを学んで努力して身につけるものではなく、元々あるものに目を向けただけのものだから。

もちろん、それは甲野先生も同じなのですが、先生の「技」は最早、何がなんだか?の???の甲野ワールドの深淵が広がり、そのわからなさが面白い。でも、やはり、出来ないことの方が多いし「手の内」で、似たようなことはできても、その質は雲泥の差。

でも、陽紀先生のは・・

ここで、文章化すると、多分誰もが、それを読んですぐにびっくりするくらい変化することでしょう。

実際、あたかも自分でそれをみつけたかのようにして、講座で教えている人も過去にはいたようで、まあ、そういったアンフェアなことをやってしまう人は結局は自滅し淘汰されるのだけれど・・・

ということで、中身を知りたい方は、ぜひ、陽紀先生の講座にご参加ください。

陽紀先生の講座の特徴は、誰もが、すぐに出来ることですが、
でも、それは、誰もが真似できない繊細で鋭い身体感覚から導かれていて、
それを的確に言語化している、というとんでもないハイレベルの教え、ということを
ヒシと感じました。

言葉に関しては私も自身のリサイタルプログラムで「音と言葉のシランクス」を書いてから、色々考えていることもあり、「音楽と言葉」に関して、より掘り下げたいと思っていたところなので、もっと陽紀先生のお話をうかがいたいと思いました。

会場は、もう笑顔笑顔で、私もとても元気をいただくことができました。

「わからない!?」も面白いけれど、時には

「出来る!」というのもとても楽しい。

それは、今まで気が付かなかった自身の身体の素晴らしさを再認識する自己承認にも繋がり、とても人を勇気づけることもできるからだと思います。

今度は代講というのではなく特別企画として、またお招きしたいと、画策中です。

とても面白くて、すっかり写真を写すのを忘れてしまいました。すみません。

・・・・

でも、これは最初にしっかり。
スーパーボールくらいの軽さなのに、ホールの重いドアをピタっと止める優れもの。
今までは2キロ(もっとかも?)くらいある砂袋のようなものをヨイショ、と置いていたのに、とびっくりでした。
摩擦で止まるらしいのですが、考え付いた人、凄いです!

・・・
次回は5月27日(木)同会場で甲野善紀先生による音楽家講座です。
・・無事開催できますように・・

そのためにも、この連休中はステイホームでがんばりたいと思います。

次回もどうぞよろしくお願いいたします!


CD『エーテルブルー』リリース(4月28日)の御知らせ

2021-04-26 13:07:38 | 音楽・フルート
CD『エーテルブルー』リリース(4月28日)の御知らせ
   

このたびテンハーツレコードから3枚目のCD『エーテルブルー』がリリースされることとなりました。








これは、2019年1月に王子ホールでの還暦記念リサイタルのプログラムと同じものを新たに同年6月に鶴見区民文化C.サルビアホールで録音したもので、フルートソロ2曲とトリオ4曲(Pf.砂原悟  Vc.山本徹)による演奏です。

本来は同年11月に完成する予定でしたが、諸事情で延期となり、その後このコロナ禍とも重なり、さらに時間がかかりましたが、ようやく完成の運びとなりました。

当初の予定から一年以上経ってのリリースとなりましたが、じっくりと音源の編集、ブックレットの内容やデザイン校正を行うことが出来ました。レコーディング&マスタリングエンジニアの葛巻善郎氏のお陰で、ホール録音ならではの空気感、臨場感ある仕上がりになりました。

またオールカラーの22頁のブックレットには計8枚のルイ・ロットの美しい写真も掲載されています。共演の名手お二人を始め、テンハーツレコードのスタッフの皆様やお手伝いくださった多くの方のご尽力で一つのCDを作る作業は、改めて「コミュニケーションとしての音楽」を感じられる経験でした。関係者の皆様に感謝しております。

タイトルの『エーテルブルー』はドビュッシーのシランクスのテキストであるガブリエル・ムーレの詩に記されていた言葉です。

よく解説に記されているムーレの詩と冒頭から8小節までの音楽が合わない、とずっと違和感を持っていました。リサイタルに備えシランクスを改めて研究していた時に偶然、通常は無視されている部分に「エーテルブルー」という言葉をみつけ、気になり、その文章を訳してみると、


「シランクスの魂は光を放ち 凛と垂直に舞い上がり、エーテルブルーの天空を突き抜け、魔法のように星々や神々のもとへと昇る」


となり、なんと美しい!?と驚きました。そして、この詩こそが5小節~8小節の音楽に合うと確信しました。その前の箇所も訳すと


「うつろな葦の管に パンが生命の息吹を送ると 翼の生えた音は 解き放たれ、黄金のリズムは 人々の心の中に 歓びの種を 芽生えさせるのではないかしら」


となり、これも通常解説されている「すごいわ!まるで夜か帯を解き~」というものよりも、余程、冒頭から5小節目の音楽に合うではないか?と愕然としました。

詳細は以前、フルート協会会報にも『音と言葉のシランクス』として投稿させていただきましたが、CDのブックレットにもその翻訳した詩と相対する楽譜の小節数を書いています。


また、これらのムーレの詩は、そのままフルートを演奏するための非常に優れた示唆に溢れるものではないか、と感じています。
優れた芸術は時として企むことなく真実を語る、というような文章を何かで読んだことがありますが(原典は失念・・)、まさにそれです。

いつか、この詩の様な演奏が出来る日を目指し精進していきたいとの思いもあり、『エーテルブルー』は私にとって特別な言葉となりました。

かつてアリストテレスが「宇宙に存在する気体」と唱えたエーテル。
現代の科学では、存在しないことがわかってはいるものの、詩的で美しい表現だと感銘を受けました。

エーテルブルーとは一体どのような空の青さなのでしょう?
悲しいにつけ、嬉しいにつけ、ふと見上げてしまう空。
その折々の心模様を映して微細に変化する空のような様々な名作を集めました。
楽音の響きがエーテルブルーの天空に染み入る様に、皆さまの心に届くことを願っております。

CD『エーテルブルー』【THFLOT-8002】テンハーツレコード (税込み3300円)
(演奏)白川真理(Fl.)、砂原 悟(Pf.)、山本 徹(Vc.)

(収録曲)
C.チェルニー:ロンドレットコンチェルタント ヘ長調 Op.149
川崎 優:祈りの曲 第4番(solo)
J.S.バッハ:フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1034
C.ドビュッシー:シランクス(solo)
Ph.ゴーベール:3つの水彩画、N.カプースチン:トリオOp.86

(使用楽器)
初代マイユショー製ルイ・ロット(1873年製)
五代目銀製ルイ・ロット(1911年製)

レコーディング&マスタリング エンジニア:葛巻善郎


(『ザ・フルート』にて関連記事掲載)
https://www.alsoj.net/flute/magazine/view/1117/4502.html

Amazonでは既に予約販売が開始されました。

アルソの商品頁はこれからのようですが、このような告知頁が。


お聴きいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
・・・・・


40代で『SERENADE~flow~』(監修:川崎優 pf.寺嶋陸也)
50代で『無伴奏フルート作品の夕べ』
そして今回
60代で『エーテルブルー』

と、特に計画した訳ではないのですが、ぽつぽつと節目のように出せてきたことに感謝です。
・・できれば、この先、70代、80代・・その先も? 
出せるといいなあ・・・

と欲張りな願いを持っております。

     ・・・・・元気です!






『ザ・フルート』 オンライン掲載

2021-04-23 22:59:44 | 音楽・フルート
先日専門誌『ザ・フルート』に掲載された拙インタビュー記事がWebサイトに掲載されました。

どうぞご笑覧ください。

https://www.alsoj.net/flute/magazine/view/1117/4502.html?pageno=1




・・・

写真はこの一年で3キロ太った丸々とした様子ですがご容赦を

座敷童みたいだなあ、と夫。

・・まあね・・


先程、担当のIさんからお電話があり、「出来上がりました!」との嬉しいご報告。

日曜日には、私の手元にも届くとのことでとても楽しみです。



いつもそこにピピが・・

2021-04-23 00:08:13 | ピピ
午後も少し練習しようと思い、ワゴンの上に楽器を置いたままにしていたら・・

ケースを枕にしてピピがスヤスヤ。




特にやらねばならぬ、という状況でもないので、はいはい、とこの日の練習は終了。


先日の本番当日、ドレスなど入れようとミニトランクを開いて置き、振り返るとそこにピピが。



ちゃんと段差のない、ファスナーでピンと貼られた座り心地の良い方に居る。

これは、すみやかに退去していただきました。


帯締めの整理と手入れをするために引き出しを抜くと、やはりすぐそこにピピ。



猫って素晴らしい!?

(告知)4月28日(水)鶴見の音楽家講座 時間短縮開催

2021-04-20 13:34:21 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
4月28日(水) 鶴見区民文化C.サルビアH.3階音楽ホールでの開催の音楽家講座のご案内です。

蔓延防止措置法の発動に伴う利用制限の通知が更新され、20時までの使用となりました。
https://yoyaku.city.yokohama.lg.jp/ys/faq/osirase_covid19_33.html

タイムスケジュールは
18時開場(直接入場していただき、会場内で参加費徴収)
18時15分~18時55分(前半)
18時55分~19時05分(換気休憩)
19時05分~19時45分(後半)

参加費は3000円、とさせていただきます。

講師は御子息の甲野陽紀(はるのり)先生です。

キャパのある会場ですので、事前申し込みなしでも、当日参加可能です。

良かったら!