『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

年の瀬に

2022-12-30 00:28:28 | テーブルコーディネート
全く実感がないのですが、お正月の準備、年末の設えを。

テーブルクロスは藍染(捺染)の布の端を自分でまつり縫いして作ったもの。
年末恒例のリサイクルショップで500円でみつけた掘り出し物です。
偶然にも柄がカーテンやクッションの花唐草とリンクしていて嬉しかった。



去年の年末は編み物熱に浮かされていましたが、今年はピタっと収まって、このクロスを作っただけ。というか去年よりちょっとだけ忙しくなっているせいか・・

自作の絹のお供え餅の下にはパックの切り餅を仕込んで。
庭の裏白を備えた方が素敵なのですが、一日で萎れてしまうし、何よりピピがとても反応してすぐに引っ張り出してしまうので、緑の布を適当に切って。
祖谷渓谷のホテルでみつけた骨董の塗りの高台の器が、本当にぴったりです。

コーナーはずっと小さなイタリア製の象嵌の丸テーブルの上に、諏訪神社近くの骨董屋で買った脇息を置いて、高さを加えた間に合わせで、その上に実家で使っていたスタンドを置いています。

いつかは、ここにも素敵なアンティークのツイストのコーナー家具を、と思いながら20年経ったけれど、結構この間に合わせが気に入っているので、そのままに。

ここに母方の祖母(5番目のおばあちゃん)からもらった金銀の帯をカットしてライナーに使っていたものを敷いてみたら、良い感じになりました。




今年もお正月の花は千両と松だけで。
玄関に飾ったものの、残りを少しだけグラスに入れてテーブルに。
水仙が欲しいけれど、猫には危険なので、我慢。




薬箪笥の上には、夫のお母さんの実家からもらった古九谷のお皿を。
昔はパキっとした伊万里の方が好きで、今一出番がなかったのですが、今年はちょっとこうした、もっさりした感じも好きになっている。年齢のせいかも?



まだまだ不完全燃焼感はあるものの今年も無事に、そして楽しく過ごすことが出来ました。

この一年、色々とありがとうございました。

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ!



合わせ練習で

2022-12-28 20:44:04 | 音楽・フルート
今年もあと数日となりましたが、本日はギターの宇高靖人さんと合わせ練習でした。

ブエノスアイレスの雲、浮雲、水月の3曲は、過去に共演しているので、新曲2曲中心に。

3月以来ですが、お互いに大きく進展したのを感じた充実の合わせとなりました。

過去のレパートリーも、より新鮮な曲として取り組めるのが楽しい。

フォーレのコンクール用小品も素敵に編曲してくださり、オリジナルのピアノとはまた違った素朴さが加わるので、より清浄な精神性が増すよう。

当日はピアニストと3人で一緒にやるアンコール曲も、色々とお互いアイディアを出し合って、磨きをかけてきました。


偶然、普段とは違う立ち位置でやったのですが、この方が、ギターと宇高さんにフルートの音が当たってより響いて、ギターとフルートの響きがブレンドされて、グンと飛んでいくような感じがした。

会場によっても異なるだろうけれど、当日リハではぜひ、試してみたい並び方でした。

ピアノの反響版を使うのと同じようなイメージで、客席から見て右(上手)にフルート、左(下手)にギター。

通常はフルートの先端が客席に向いた方が響くので、この逆のパターンでばかりやってきたのですが、何故か、今日は、とてもこの配置が良かった!

響いているのはギターだけでなく、宇高さんご自身も響いている感じがしました。
弾いているギターの音が身体に伝わっているだけでなく、ギターと混ざったフルートの音も伝わっている様な。

身長も高く、大きな方なので、その効果はよりあるような。
私とは頭一つ分以上、30㎝は違う。ギターもミニギターに見える・・
(写真はこの3月26日のコンサートの折のものです。)



通常、人の身体というのは、響きを吸い取る。
なので、お客さんの居ない会場でリハやって、「良く響くなあ」と思っていても、実際、本番では、「あれ?」という感じに最初はなる。理屈としてはわかってはいても。

でも、もしかしたら、ギタリストに限らず、釣り合いの取れた、良い演奏者の身体というのは、自分の音だけでなく、共演者の音も響きを増してくれているんではないか?とハタと思い至った本日でした。

フルートをさらっていても、ピアノや飾り皿や、色々なものが、音に反応して鳴っていることがあるけれど、滞りの少ない一種テンセグリティー的な身体は同様に響くのかもしれません。

宇高さんとギターに先端を向けて客席から見てハの字になるようにして吹くのは、新鮮で、とても良い感じでした。

私も自分の響きの振動だけを身体に感じるのではなく、ギターの響きも共に増幅できるような身体性を持たねばな、と新たな課題が明確になりました。

即ち「釣り合い」。

他者の音を聴いて合わせるのではなく、その振動をも自分の身体で受け取って感じて合わせる、という発想は今までなかったものでした。

今回の合わせだけでも、あとは当日リハと本番でも大丈夫なのですが、アンコールのトリオもあるので、次回練習はまた2月に。

久々に、気持ちの良いギターの響きに包まれて吹く、という至福のひと時でした。

宇高さん、年末のお忙しい中、ありがとうございました!



甲野陽紀先生の個別講座 8回目

2022-12-23 21:03:01 | 甲野陽紀先生の個別講座
前回は8月末だったので、ほぼ4カ月ぶりとなりましたが、今回も充実の講座でした。

今回の一番の質問は、やはりなんといっても、音楽家講座でお父様・甲野善紀先生が話された片手の話。

そのきっかけの一つとして陽紀先生との木刀での立ち合いの話をされていたので、そのあたりをうかがいたかった。

そして、「片手」の話も。

陽紀先生のそもそもの気付きは、またお父様のものとは異なっていて、簡単に言えば(まあ、そう簡単ではないのですが)磁石のN極とS極、+と-のような状態にする、というもの。一種、サークルとも言えるか?

根本原理は「一動作一注意」で、その上で、片腕フックに触れたところを動かす、というもの。

これは、浪の下でもすぐに実践でき、誰でもすぐに出来るのが凄い。
実感なく、崩れる相手。
また重い鞄を持つ時にも、嘘の様に軽くなる。


・・・そしてフルートも!?


今回、こうして記述するのは、これだけでは、何のことやら?なので。
最近の中では、最も大きな奏法の気付きだった「ここしかない手」がいわば、その片腕フックとして機能している、と仰っていただけ、フフフ・・!

今回、御教えいただいた方法で、さらに響くようになりました。
また、左右、上下の圧に関してのご助言もとても役に立ちました。

レッスン前に試しましたが、ついつい偏りがちだった重心も整い、息も深まる。

本当に、身体というのは、不思議で面白いものです。


弟宅訪問

2022-12-22 13:51:48 | 日常
先月、そして一昨日、弟宅を訪問しました。
富士山が綺麗でした。

先月は、従姉の和子ちゃんと田島さんも一緒。

久々に弟と会った田島さんは弟の『初代はやぶさ』に関しての仕事にとても興味を持っていて、あれこれと質問。

私も興味はなくはなかったけれど、もうあれから何年も経っているし、弟からもその話は出ないので、話題といえば、ジロ(犬)とピピ(猫)とお互いの健康の話くらい。

それが久々にはやぶさの話題となり、「そういえば・・」と弟が出してきたのが科学雑誌『サイエンス』のreprint series。



これが同じものが数冊あって、「昔、もらったんだけど、よかったら。どうぞ。」と出してきた。

はやぶさが帰還する前の2006年6月、イトカワに到達し、その写真撮影が成功した時に掲載されたもの。

リーダーの川口先生がプロジェクトメンバー全員の名前を掲載するようにとサイエンス側に頼んだそうで、その中に、弟の名前も掲載されていました。



田島さんが弟にサインを頼んだので、私もついでに。
小学生みたいな字なのは白川家の伝統?でそこだけは私と似ています。



田島さんが話をしなかったら、きっとずっと弟は忘れていて、私もこの記念の品を、もらいそびれていたんじゃないかと思います。

2006年のパンフレットに2022年のサインって、なんだかなあ・・


・・・・・・・・

先日は、電磁波、低周波の話題になりました。

弟の意見によれば、電磁波というのは、それほど気にしなくても大丈夫なものなんじゃないか、ということだった。

と言われても、やはり私は電磁波はなるべく遠ざけたい派である。
眠る時はスマホはリビングで充電しているし。
電磁波には松葉が良いと聞けば、パソコン横に貼ってみたりしたこともある。

夫も息子もスマホを枕元に置いて目覚まし代わりにしているので、それが心配で、
「目覚まし時計を買いなさい」と言っているのに、聞き入れてもらえない・・
という訳で、相談したんだけれど・・


その流れでエコキュート、エネファームなどの低周波騒音被害に関しての話題になったところ、

「それはもう当事者なんで、凄く調べた。」とのことで、これまた初耳だったのでびっくり。

弟は普通の人よりも低周波が聞こえやすい体質なんだそうで、実際、昔住んでいた横浜ではそれが辛かったのだそう。

・・知らなかった・・・

対処方法としては、臨家の敷地から10メートル離れた場所に設置するか、鉛の箱で覆ってしまうしかない、というもの。

どちらも実際にやるのは難しいだろう。
誰もがそんな広い敷地に住める訳ではないし、見ず知らずの家に行って、「すみません。鉛の箱で覆わせてください。」とも言い難い。

また都会よりも静かな田舎の方が良いか、と言えばそうでもなく、都会だと他の騒音も多いのでマスキングされることがあるけれど、静かなところだとそれがないので、より聞こえてしまうこともあるとのこと。

そういえば、私は臭いにはとても敏感で、昔の、匂いが混在していたデパ地下がとても苦手だった。今は大分改善されたけれど、物産展などの色んな匂いが混在しているところは今も不得手。

でも音に関してはむしろ大らか。
電子音は苦手だけれど、それ以外の生活音に関しては多分、聞かないようにと、音へのシャッター機能というか編集作業がより進んでいるのではないかと思う。

いわば、「聞かない力」?

・・というか耳の精度が悪いのか??

エコキュート等は開発された時、普通の人の耳に稼働音が聞こえないように調整工夫したことで、却って、より低周波が聞こえる人にとっては煩いものになってしまったのだそう。

最近では、企業側も、このあたりを修正して、より丁寧に作ることで、随分と昔ほどの被害はなくなってきているみたい、とも言っていたけれど、どうなんだろう?

人の耳の感受性は本当に個々に違うのだなあ、と改めて驚きました。