トオル君からメールが来た。
「ハルナ、ごめん。今、アメリカです。
週末には間に合わないけど、クリスマスまでには帰ります」
それから1週間後再びメールが来た。
「必ず帰るから、待ってて」
・・・2週間・・・・・・。
「今は何も言えない。だけど、信じて待ってて」
そして、彼から来るメールの最後には必ずこの言葉が添えてあった。
「ハルナに会いたいよ。今すぐにでも」
だけど彼は帰って来なかった・・・・・・。
不安がひたひたと足を忍ばせ、心の隙間に忍び寄ってくる。
私はただベッドに突っ伏して、孤独な中、独りで決断をしなくてはならない状況に追い込まれていた。
不意に玄関のチャイムが鳴り、パタパタとママが廊下を走る音がした。
それからママはすぐさま2階に上がって来ると、私の部屋の戸をノックした。
「ハルナ!かず君よ!!」
「・・・・・・具合が悪いから出れないって言って!」
私は体を布団の中で体を丸めながら「会いたくない」と呟いた。
「具合が悪いんだって?」
かずにぃはツカツカと私の部屋へ入ってきた。
「この子ったら、殆どご飯も食べないの。
ここのところずっと部屋に篭りっきりなのよ・・・・・」
「おばさん、すまないけど、二人きりにしてくれないかな」
かずにぃのこの言葉を聞いて私は慌ててベッドから飛び起きた。
「だ、大丈夫!大丈夫だから、二人とも心配しないで!」
今、私にはかずにぃと二人きりになる勇気が無かった。
私はあの日から、何かと理由をつけてはかずにぃを避けてきた・・・・・・。
それが、突然二人きりになんてなれない。
ふらつく体を無理に起こすと、「直ぐに下に下りるから」と二人を部屋から出し、普段着に着替えた。
階段を下りる途中で、ママとかずにぃの話し声がリビングから聞こえてきた。
ママは私が下りてきたことに気付くと、
「ハルナが来たいって去年言ってたから、大奮発して買っちゃった!」
と、リビングの白い壁に打った杭にぶら下げてある水色の晴れ着の前に私を立たせた。
「かず君が初詣に連れてって下さるそうよ」
その言葉に私はかずにぃの方を向き、はっとした。
2階では意識して、かずにぃの方を見ようとしなかったから気付かなかったけど・・・・・・。
痩せた。凄く・・・・・・痩せた。
かずにぃは、深々と頭を下げると、そのまま片膝を折り、それから両膝をついたかと思うと土下座をするような姿勢を取った。
「ハルナ。新年明けましておめでとう。
それと・・・・・・、ごめん!」
思いも掛けなかった突然のかずにぃの言葉に、今まで頑張って堰き止めてきた涙が止め処も無く溢れてきた。
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「ハルナ、ごめん。今、アメリカです。
週末には間に合わないけど、クリスマスまでには帰ります」
それから1週間後再びメールが来た。
「必ず帰るから、待ってて」
・・・2週間・・・・・・。
「今は何も言えない。だけど、信じて待ってて」
そして、彼から来るメールの最後には必ずこの言葉が添えてあった。
「ハルナに会いたいよ。今すぐにでも」
だけど彼は帰って来なかった・・・・・・。
不安がひたひたと足を忍ばせ、心の隙間に忍び寄ってくる。
私はただベッドに突っ伏して、孤独な中、独りで決断をしなくてはならない状況に追い込まれていた。
不意に玄関のチャイムが鳴り、パタパタとママが廊下を走る音がした。
それからママはすぐさま2階に上がって来ると、私の部屋の戸をノックした。
「ハルナ!かず君よ!!」
「・・・・・・具合が悪いから出れないって言って!」
私は体を布団の中で体を丸めながら「会いたくない」と呟いた。
「具合が悪いんだって?」
かずにぃはツカツカと私の部屋へ入ってきた。
「この子ったら、殆どご飯も食べないの。
ここのところずっと部屋に篭りっきりなのよ・・・・・」
「おばさん、すまないけど、二人きりにしてくれないかな」
かずにぃのこの言葉を聞いて私は慌ててベッドから飛び起きた。
「だ、大丈夫!大丈夫だから、二人とも心配しないで!」
今、私にはかずにぃと二人きりになる勇気が無かった。
私はあの日から、何かと理由をつけてはかずにぃを避けてきた・・・・・・。
それが、突然二人きりになんてなれない。
ふらつく体を無理に起こすと、「直ぐに下に下りるから」と二人を部屋から出し、普段着に着替えた。
階段を下りる途中で、ママとかずにぃの話し声がリビングから聞こえてきた。
ママは私が下りてきたことに気付くと、
「ハルナが来たいって去年言ってたから、大奮発して買っちゃった!」
と、リビングの白い壁に打った杭にぶら下げてある水色の晴れ着の前に私を立たせた。
「かず君が初詣に連れてって下さるそうよ」
その言葉に私はかずにぃの方を向き、はっとした。
2階では意識して、かずにぃの方を見ようとしなかったから気付かなかったけど・・・・・・。
痩せた。凄く・・・・・・痩せた。
かずにぃは、深々と頭を下げると、そのまま片膝を折り、それから両膝をついたかと思うと土下座をするような姿勢を取った。
「ハルナ。新年明けましておめでとう。
それと・・・・・・、ごめん!」
思いも掛けなかった突然のかずにぃの言葉に、今まで頑張って堰き止めてきた涙が止め処も無く溢れてきた。
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