ママは興奮しているおばさんを宥めると、私に「また明日来るから」とだけ言って、おばさんの背中に手を添え、支えるように病室を後にした。
「今日は色々あったな」
かずにぃは赤く腫れた両頬を擦りながら、私を見つめると、お腹に手を這わせ、唇を当てた。
私がびくっと反応すると、「・・・何にもしねーよ」と愚痴った。
「おーい、ちびすけ。明日も来るからな。元気に育てよぉ」
「・・・・・・まだ、聞こえないよ」
私が呆れ顔で笑っていると、かずにぃは私の頬に両手をあてがいちょこんとキスをした。
「明日も来るから、安静にしてるよーに。暫くは寝たっきりだからな」と、釘を差して部屋を後にした。
かずにぃも言った通り、本当に今日は色々なことがあった。
私は、15歳と言う年齢を理由にかずにぃのプロポーズをウヤムヤにしてしまったけど、それだけが理由じゃないこと、かずにぃのことだからきっと気付いてる・・・・・・。
かずにぃの赤ちゃんがお腹の中にいるんだから、産むんだったら、かずにぃと結婚して一緒に育てるのが一番良いんだって、正しいんだって分かってる。
だけど・・・・・・
胸が張り裂けそうな位、私が愛している人は、
側にいて欲しいと喉が枯れるくらい叫び、欲している人は、
遠くアメリカで、私が彼を待っていることを信じてる・・・・・・。
私はトオル君を追ってあの歩道橋を走った。
全てを忘れて、彼を追って必死で走った。
だけど、この想いは彼に届かなかったんだ。
「もう、トオル君の側に行けない・・・・・・。行けなくなっちゃったよぉ・・・・・・」
お布団を被って泣いている私の胸元にトオル君から貰った星のペンダントヘッドが滑り落ちてきた。
ペンダントを見ながら、あの時のトオル君の言葉を思い出していた。
「それは天使の涙なんだって。
もし、君につらいことがあったら、その天使が君の代わりに涙を流して、そのつらい気持ちを浄化してくれるそうだよ」
彼から貰ったペンダントを握り締めながら私は泣きじゃくっていた。
もし、このペンダントにそんな不思議な力があるなら、トオル君を忘れさせて下さい。
トオル君と過ごした幸せで残酷な想い出達は、今の私にはつら過ぎる。
「お願い・・・・・・。私の全ての記憶から彼を消し去って・・・・・・」
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。
押して頂けると励みになります。
「今日は色々あったな」
かずにぃは赤く腫れた両頬を擦りながら、私を見つめると、お腹に手を這わせ、唇を当てた。
私がびくっと反応すると、「・・・何にもしねーよ」と愚痴った。
「おーい、ちびすけ。明日も来るからな。元気に育てよぉ」
「・・・・・・まだ、聞こえないよ」
私が呆れ顔で笑っていると、かずにぃは私の頬に両手をあてがいちょこんとキスをした。
「明日も来るから、安静にしてるよーに。暫くは寝たっきりだからな」と、釘を差して部屋を後にした。
かずにぃも言った通り、本当に今日は色々なことがあった。
私は、15歳と言う年齢を理由にかずにぃのプロポーズをウヤムヤにしてしまったけど、それだけが理由じゃないこと、かずにぃのことだからきっと気付いてる・・・・・・。
かずにぃの赤ちゃんがお腹の中にいるんだから、産むんだったら、かずにぃと結婚して一緒に育てるのが一番良いんだって、正しいんだって分かってる。
だけど・・・・・・
胸が張り裂けそうな位、私が愛している人は、
側にいて欲しいと喉が枯れるくらい叫び、欲している人は、
遠くアメリカで、私が彼を待っていることを信じてる・・・・・・。
私はトオル君を追ってあの歩道橋を走った。
全てを忘れて、彼を追って必死で走った。
だけど、この想いは彼に届かなかったんだ。
「もう、トオル君の側に行けない・・・・・・。行けなくなっちゃったよぉ・・・・・・」
お布団を被って泣いている私の胸元にトオル君から貰った星のペンダントヘッドが滑り落ちてきた。
ペンダントを見ながら、あの時のトオル君の言葉を思い出していた。
「それは天使の涙なんだって。
もし、君につらいことがあったら、その天使が君の代わりに涙を流して、そのつらい気持ちを浄化してくれるそうだよ」
彼から貰ったペンダントを握り締めながら私は泣きじゃくっていた。
もし、このペンダントにそんな不思議な力があるなら、トオル君を忘れさせて下さい。
トオル君と過ごした幸せで残酷な想い出達は、今の私にはつら過ぎる。
「お願い・・・・・・。私の全ての記憶から彼を消し去って・・・・・・」
人気blogランキングへ
↑ブログランキングに参加しています。
押して頂けると励みになります。