FC piaZZista

”セールスマン”が結成したフットサルチーム「FC piaZZista」の軌跡とキャプテンの私生活。

百田尚樹「永遠の0」

2008年09月24日 23時41分37秒 | 小説
「「生きて妻のもとへ帰る」日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた・・・。人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り。それが祖父だった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか?健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語! 」

この小説は戦記ものなのでしょう。
太平洋戦争で日本軍が衰退していく様を零戦パイロットの運命と共に語られていきます。
2人の兄弟が零戦パイロットだった祖父の軌跡を探るという切り口で話は進む。

開戦当初は、無敵を誇った”零戦”についての記述は非常に興味深く読むことが出来ます。相当、詳しくリサーチした痕跡が窺える。
また、ガダルカナルでの戦いでの日本軍・アメリカ軍の戦術などもやけに詳しく書かれており、戦争を知らない世代の我々にはうってつけではないか。

そして、敗戦が迫ってくるとあの忌まわしい最終戦術”特攻”へと話がなだれ込む。目を背けたくなる事実。悲惨な過去。現代のテロ行為の”自爆”となんら変わらない悪行・・・。

全編にわたり戦争の悲惨な真実に打ちのめされ、最終章へ。
「なぜ、生きて帰るとこだわり続けた祖父が特攻へ志願したのか?」
この疑問が意外な真実と共に明かされる。

究極の愛を知りたい方は、是非読んで下さい。

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