FC piaZZista

”セールスマン”が結成したフットサルチーム「FC piaZZista」の軌跡とキャプテンの私生活。

角田光代「ツリーハウス」

2011年02月12日 16時16分34秒 | 小説
本日、角田光代「ツリーハウス」を読み終わりました。

「謎多き祖父の戸籍──祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。満州、そして新宿。熱く胸に迫る翡翠飯店3代記」

大好きな女流作家 角田光代。
待望の新作を手に取った。
今まで「森に眠る魚」では、音羽お受験殺人事件、「八日目の蝉」では、赤ちゃん誘拐、「ひそやかな花園」では、代理母など時代が起こした問題を題材に物語を展開。
今回は、冒頭にバスジャック事件の記述があり、これはあの事件が題材か?などと勘繰ったが、全く違っていた。
親・子・孫三代に渡る一族の話。
戦中になぜ祖母は、満洲へ行ったのか?
どうやって祖父と知り合ったのか?
戦後、どうやって子世代が中華料理店「翡翠飯店」を築いていったか?
孫が、謎解きよろしく祖母と中国へ旅へ出るが、ただの旅行の域を出ず・・・。
最後まで読むと途中途中、躍動的で問題提起にうってつけのシーンもあったが、珍しく淡々と書き進んでしまう。
いつもの角田光代なら、一つのシーンに重要な問題提起が隠されており、物語をグッと〆るが今回ばかりは、ヒット作連発とはいかなかった・・・。
もう少し、書く前の準備と訴えたかった事を明確にすれば、いつものように感慨ひとしおの作品になったのでは。
いかに、ヒット作を連発する事の難しさを痛感した作品であった。
でも、今後も角田光代は、読み続けることになるだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。