FC piaZZista

”セールスマン”が結成したフットサルチーム「FC piaZZista」の軌跡とキャプテンの私生活。

山崎豊子「不毛地帯 2」

2010年01月09日 11時20分54秒 | 小説
本日、山崎豊子「不毛地帯 2」を読み終わりました。

「政界、防衛庁を巻き込んだ苛烈なる『黒い商戦』。国益と政争の間で揺れ動く次期戦闘機選定の行方は――。 商社マンとして生き抜くことを宿命と感じるようになった壹岐は、防衛庁の次期戦闘機選定に伴う商社、メーカーの熾烈な受注合戦に巻き込まれる。国防のため、真に優れた機を採用させようと奔走するが、背後には次期総裁選をめぐる暗闘が横たわっていた。壹岐は政界や防衛庁内の利害が複雑に絡み合う『黒い商戦』で水際立った手腕を発揮する。しかし、その代償もまた大きかった」

近畿商事に入社して初めての商戦が、防衛庁に対するFX戦闘機の納入合戦。
ロッキード社がラッキード社になるあたり微妙です・・・。
過酷な商戦には勝利するも、部下が逮捕されたり戦友を失う結果に。
一旦、辞表を出すも留意され撤回。
異例の出世で常務になると、今度も戦争が絡む「スエズ運河」問題に直面。
そこでも、冷静沈着な判断で会社に莫大な利益をもたらす。
参謀であった時と同じように緻密で的確、時間との戦いを読み切る作戦の勝利。
まさに参謀時代を彷彿させる。
商戦という名前を変えた戦争の場に自分の存在価値をどんどん見出し、猪突猛進とまでは言わないが、道を信じ、道を作る姿は華麗ですらある。
娘の不本意な結婚や妻の不慮の事故などを織り交ぜ、主人公壱岐に人間力を多分に発揮する場面を作ることを怠らないのは、作者山崎豊子の勝利。
それにしても、経済小説を書かせたら右に出るものいないね。
さあ、3巻は自動車戦争。
ハイブリッドは出てこないだろうが、今では衰退したビックスリーがどのように登場するか楽しみです。
頑張れ、日本男児
頑張れ、壱岐常務