ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

献血者のHIV陽性が最多・・・に思う

2008-01-24 04:52:36 | Weblog
善意の献血で集めた血液、その血液を必要な人に安全に輸血できるように
精密な検査がなされ、問題のある血液は破棄されていますが、
去年に輸血で集めたもののうち、エイズウイルス(HIV)陽性と判明したものが
102件と過去最高になったことが今日のニュースで取り上げられていました。

1月23日 時事通信から~
「献血者のHIV陽性が最多=10万人当たり初の2人台に-厚労省」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000094-jij-soci

~昨年献血した人のうち、エイズウイルス(HIV)陽性者と判明した人は102人と
過去最多になったと、日本赤十字社が23日開かれた厚生労働省の血液事業部会に
報告した。一方、献血者数は減少しており、献血者10万人当たりの陽性者数は
2.06人と初めて2人台を記録した。
 同省は、HIV検査目的の献血者が増えている可能性があるとみており、血液製剤
の安全性を保つため検査目的での献血を控えるよう呼び掛けている。
HIV検査の結果は献血者には原則通知していないという。~

関連(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000060-yom-soci

献血提供者の多くは若者らしいのですが、その中から10万に2つHIVウイルス
が発見される事態。感染の広がりが深刻な状態になっていることを示していると思う。

献血という善意の行為ですから、自分は健康と思っているし
まさか自分が感染しているとは思っていないから出来ることだと思います。

そんな危険行為をしたとは思ってない人たちにも、相当に感染が広がってきている
ということを指しているのだと思います。

なのですが、この記事によると厚生労働省では検査目的の献血が増えているから
このように排除率が高まったのだと言いたげです。本当でしょうか?

日赤は献血にあたり「自らの血液が純潔であると自信のある人」から献血いただく
のが望ましいとしています。

さて「自らの血液が純潔であると自信のある人」なんているのでしょうか?
SEXをしたことがない若者を指しているのかな?
本当はそうしたいのでしょうけどね・・・

実際的には血液の確保のため、若者が喜ぶ企画をして客寄せし
幅広く献血を募ることになる。


なぜ、こんな偏屈なことを書いているかといいますとね、
もう、ずいぶんとこのネタはブログでも憤って書いてきてますけど
男性同性愛者の多くからは、献血を受け付けないことになっているからなんです。

「エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方」
というくくりで「男性の方:男性と性的接触を持った」人は献血を断られているのです。

献血基準 献血をご遠慮いただく場合(日赤)
http://www.jrc.or.jp/sanka/blood/terms/index.html

男性同性愛者の多くは、当然に男性とSEXをしますから
「男性の方:男性と性的接触を持った」に当てはまります。
セイファーに行われているかどうかなど関係ないのです。
ゲイは献血できないのです。

これではまるでゲイ=HIV陽性とみなしていると日赤や厚生労働省が
公言しているようなもの・・。

人の血液を指して、その血が良いとか悪いとか判断されるなんて・・
どう思いますか?

なんとも自分たちの存在自体が悪いもののような気がして悲しくなってきますね。

なぜ、日赤はこのように人権無視な表現をしてまで潔癖な態度をするか?
その理由は、献血された血液のなかで問題のあるものを100%排除できないから
だそうです。

HIVの場合、感染直後3週間以内では抗体が出来ないので検査に引っかからない
読売新聞の記事によれば、より精密な遺伝子検査でも確認していて、抗体検査では
OKとすり抜け、遺伝子検査で発覚したものが6件もあるのだとか・・
そこまでの検査をしても100%ではないとされています。

精密な検査をもってしてもすり抜けてしまうものもある。
その血液は、そのまま輸血されてしまう・・・
輸血というリスクを覚悟するような話ではある。

でも、こう見てくると
日赤が望む「自らの血液が純潔であると自信のある人」
というのも分かる気がしてきます。

他人に分ける血液、それくらいに考えるべきなのでしょう。

しかしながら、献血のときにそのようなプレッシャーは与えてない
日赤のこの潔癖性は、血液の確保の前にはトーンダウンする。

問診表の質問を読み、献血をご遠慮いただく例を確認するだけですから
いざ献血の場にまで出向いてきた人が、本当に正しい答えをすることにより
献血もせずに帰っていくなんて出来るのかどうか・・

職場など団体で献血する場合はなおさら、
同僚に変に思われたくないからそのまま献血してしまうかもしれませんね。

男性同性愛者など、一部の層を指して拒否をするのではなく
真剣に他人に血液を差し上げられる自信のある人から血液を求めていく啓発を
していけば、特定の人の人権を損ねるようなことになりませんし、個人の行動も
より良いものとなって、ひいては望ましい?血液を多く集められるようになる
のではないかと思うんですけど。

効率的な血液の確保を求めるか、安全な血液の確保を求めていくのか・・・
このジレンマを誰かのせいにしてるような気がするのです。

「検査目的に献血を利用する?」
確かにそのようなことを考えて献血する人の話を聞かなくもないですが

そんな人そんなに多いのかな?
どちらかというと、今回の数値は自分は大丈夫だと思っている人たちの中からも
感染率が高まり始めた由々しき事態と考えるべきではないでしょうか?

この記事から、日赤や厚生労働省が誰かのせいにしたい、そう、
感染者が悪いのだ!と感染者に問題を押し付けたい意思が現れていると思います。

これは大変な危険な考え方で、まったく配慮が足りない大問題であると思います。


最後に、献血で検査をと考える人・・
これは後で大変なことになりますから止めたほうが良いですよね。

保健所のHIV検査は匿名ですが、献血の場合は匿名ではありません。
どうも、献血後の検査で陽性と分かった時点で本人に連絡があると思われますが
いつくるか分からない連絡を不安に待つ必要がありますし、いざとなったときは
匿名処理とはなりませんから何があるか分かりません。

こんな自らにリスクを伴う検査方法をとるべきではないですよね。
というか、これくらいのことは誰でも気がつきそうです。
コメント
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