goo blog サービス終了のお知らせ 

ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

キングダム・オブ・ヘブン

2005-08-02 01:27:17 | Weblog
理想の王国。リドリー・スコット監督の最新作を見た。
彼の作品はスタイリッシュで好きだ。
映像が本当に美しく作りこんでいていつも唸らされる。

昔はスモーク炊きまくる彼独特の絵があった、
今なお何か変わった絵にしようと工夫してくる、
毎回新しい映像に挑戦してるらしい。

最近は空中に雪か綿が飛びまわってるのを多く見かける、
なにせその作りこんだ映像美がたまらないんだ。

エイリアン・ブレードランナーに始まるSFの金字塔作品は俺にとっては重要な位置づけ、
最近ではグラディエーターの「ドノンケ」リーダーの悲哀は深かった。

物語も楽しいが絵が楽しい、引き込まれる。
今回の作品はブラックホークダウンの歴史版って感じで戦闘シーンに異常なこだわりを持って撮影、

これだけならば「ロード・オブ・ザ・リング」に始まる最近流行のコスプレもの(「トロイ」「アレキサンダー」などなど)で飽き飽きしてくるところを映像美と物語で一味変えている。

何かってキリスト教の司教たちを馬鹿にしている。
十字軍の戦いのイノセンスを小気味いいほど馬鹿にしてワクワクする。

「トロイ」「アレキサンダー」で感じていたのだが、「戦争をすることに対する短慮さ」を平気で見せつけられることにかなりゲンナリしてたのだ。

この映画では戦うことへの疑問を描いていてとても救いを感じた。

だって最近アメリカの横暴の影響か、力で解決しないといけない場合もあるのだ!
なんてことがまかり通ってるんだもん。

これだけの戦いをしてまで、殺人をしてまで手に入れたい聖地とは?宗教とは?
といった命題をちゃんと突きつけてる点に久しぶりにホッとした。

病気のエルサレム王(写真)が全身包帯、顔には仮面といういでたちで
いっさい顔の表情など無いのだけど、体全体で凄み感を表現していたのがすばらしかった。

彼は最後まで顔も分からないけどエドワードノートンが演じていたらしい。
ひょろっと人形のような風体で病気の身体を無理し、
なんとか馬に乗り精一杯に凛としている様が荘厳で目に焼きつく。
なんか自分をぐっと抑えたエルサレム王に俺はすごく興味がわいた。
なんかゲイの孤独に似てたのかな?

主役のオーランドブルームは「トロイ」での見事なヘタレぶりが印象強かったため、俺としては今回もあんまり変わらない気がして、いつ情けないキャラに変貌して戦場を逃げ出すのかと冷や冷やして見てしまった。

というか実際に重大なチャンスを放棄しちゃうんだよね、
それでまた不幸が… やっぱエルフの金髪じゃないと駄目なんかな~。

それとイスラムの王、サラディンが渋いのよ 必見