平泉町中尊寺の菊花展 2009年10月23日(金)
2009年10月20日(火)付「岩手日報」夕刊に、”輝く大輪 気品高く~平泉中尊寺菊まつり開幕”の見出しで、平泉町の中尊寺(山田俊和貫首)で、20日に開幕した第24回菊まつりのことが写真入りで報道されたので、10月23日(金)、 妻を誘って行ってきました。平泉菊花会をはじめ、岩手県と宮城県の菊愛好団体が丹精込めた大菊三輪、懸崖などが、中尊寺本堂前や金色堂前などに設置された特設展示場の中に多数(562鉢とのこと)展示されていました。これらの中に、平泉小学校5年生の生徒たちが育てた大菊一輪も55鉢並んでいました。(11月15日まで、無料。)
中尊寺本堂
上2つは、中尊寺本堂に展示された懸崖づくりの菊
中尊寺本堂前の道路脇につくられた特設展示場の懸崖づくりの菊
キク(菊) キク科 キク属 Chrysanthemum morifolium
日本にはキクの野生種が沢山あるが、栽培のキクについては、中国から渡来したものであることに疑いはない。キクの祖先は中国の北部に自生するチョウセンノギクと、中部に自生するハイシマカンギクの交雑品から出発し、唐の時代には園芸品が存在したらしい。日本には奈良時代には伝えられていたと考えられている。キクの品種改良が急速に進んだのは江戸時代で、大小さまざまなタイプのキクの品種が生まれた。栽培ギク(家ギクとも呼ばれる)は頭花の大きさによって、大菊、中菊、小菊の3つに分けられている。
小菊は頭花の大きさが直径9㎝未満の小形のもので、庭や畑でごく普通に育てられている。よく枝分かれして沢山花が咲くのが特性である。花形としては、一重、八重、千重、丁子咲き、ポンポン咲きがあり、特異なタイプとしては伊勢菊に似た薊菊、ポンポンタイプの魚子(ななこ)菊、貝咲菊がある。特別な栽培方法として発展したものに懸崖(けんがい)作りと盆栽作りがある。 懸崖作りは、枝が長く伸びてよく枝分かれする小菊を使い、枝が垂れ下がるように仕立てる。長い逆三角形にびっしりと花をつける形と、あまり形を整えない自然な形に垂れさせた文人作りの2つがあり、一重や丁子咲きの花形が好まれる。
「一関市博物館」 2009年10月18日(日)
2009年10月18日(日)、一関市博物館(厳美町字沖野々342)の南側には木々が沢山植えられています。その中にダンコウバイ(壇香梅)と思われる鮮やかに黄葉した木がありました。また、少し離れた日当たりのよい所にも(葉はまだ青々としていましたが)同じ名前の木と思われるものが花芽を沢山つけていました。
ダンコウバイ(壇香梅) クスノキ科 クロモジ属 Lindera obtusiloba
暖地の山地に生える落葉小高木。まばらに枝分かれして高さは3~7mになる。若枝ははじめ緑色で長い軟毛が密生するが、後に毛は落ちて灰黄褐色になり、皮目が多い。樹皮は暗灰色で滑らか。葉は等間隔に互生し、葉身はやや厚く長さ5~15㎝、幅4~13㎝の広卵形あるいは扁卵円形で、葉縁は全縁、3脈が目立つ。多くは先が浅く3つに切れ込み、裂片は鈍頭。葉の基部は切形あるいは浅心形。葉の表は鮮緑色ではじめ帯黄褐色の軟毛があるが、後に無毛。裏は帯白緑色で、はじめ淡黄褐色の長い毛が密生するが後に落ち、葉脈上と基部に残る。葉柄は1.5~3㎝。秋になると透き通るように黄葉して人目をひく。この季節にはもう来春の蕾ができている。
同じクロモジ属のシロモジも葉が3裂して似ているが、シロモジの葉の各裂片の先は鋭角となり、また、三行脈の分岐が葉の基部より少し上であることから区別できる。花期は3~4月。葉が開く前に前年の葉腋に無柄の散形花序を1~3個つけ、芳香のある鮮やかな黄色い花を枝いっぱいに開く。この黄色い花が咲いてよく目立つことから、ウコンバナ(鬱金花)とも呼ばれる。また、シロヂシャとも呼ばれる。アブラチャンと似ているが、枝が太く、花の色も鮮やかでぼってりしている。雌雄別株。雄花序には6~7個の雄花がつく。雄花には花被片が6枚、雄しべが9本あり、雌しべは退化している。雌花は5~6個ずつ集まってつき、花被片が6枚、仮雄しべが9本、雌しべが1本ある。小花柄には毛が密生する。果実は直径7~8㎜の球形で、9~10月に赤色から黒紫色に熟す。材は芳香があり、楊枝や細工物に使う。用途:庭木、花材、薬用。
分布:本州(関東地方・新潟県以西)、四国、九州、朝鮮、中国。
「道の駅・厳美渓」 2009年10月18日(日)
2009年10月18日(日)、国道342号線沿いにある道の駅・厳美渓(字沖野々215)には常設の花卉(かき)売場があるのですが、淡紅紫色の花を多数つけた花穂が3本ほどのキチジョウソウ(吉祥草)が展示販売されていました。
キチジョウソウ(吉祥草)ユリ科 キチジョウソウ属 Reineckea camea
暖地の林の中や山地のやや湿り気のある日陰に群生する常緑の多年草。庭の下草としてもよく植えられている。葉は根元から束生し、長さ10~30㎝、幅1.2㎝ほどの広線形で、光沢があり、3~5本の縦の脈が目立つ。 9~10月、葉の間から高さ8~13㎝の花茎を伸ばし、淡紅紫色の花を穂状に多数つける。花には花びらが6枚あり、やや肉質で長さは8~10mmほど。和名は、この花が咲くと吉事があるといういい伝えから吉祥草(きちじょうそう)の名がある。「きっしょうそう」ともいう。果実は液果で直径6~9㎜の球形で、冬に赤く熟す。 分布:本州(関東地方以西)、四国、九州。