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peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

一関市東山町のユウガオ(夕顔)

2006年09月07日 | Weblog



9/4(月)、一関市東山町長坂字町の砂鉄川堤防沿いの畑に「ユウガオ(夕顔)」の果実が実っていた。美しい花の方は以前別の場所で撮ったものである。





ユウガオ(夕顔)ウリ科 ユウガオ属 Lagenaria siceraria
ユウガオ(夕顔)は、大きな果実・ふくべ(瓠)をリボン状に剥いて、のり巻きの芯などに利用するカンピョウ(干瓢)をつくるのでおなじみであるが、夕暮れと共に咲き始めるこの花は、昔から広く鑑賞されてきたという。和名は、夕方から白い花が咲くことに由来する。

 有名な清少納言の「枕草子」や紫式部の「源氏物語」の”夕顔の巻”にも記載されている。黄昏の中に浮き出るように咲き始める花は、何か物悲しい影を宿しているようにも見える。

 アフリカ原産ともインドおよびアビシニア原産ともいわれ、古くアジアの熱帯地方に広く分布したもの。ユウガオは中国や日本で多く栽培されているが、欧米ではほとんど栽培されていないという。

 花は形がトウガンに似ているが白色で、夕方開き翌日の午前中にしおれる。果実には球形または下部の膨れた扁球形の丸ユウガオと、直径15cmぐらい、長さ60~75cmぐらいの円筒形になる長ユウガオとがある。
 カンピョウ(干瓢)用としては丸ユウガオが主に栽培され、直径30cm余り、重いものは15~16kgに達する。花期:6~8月、収穫期:7月~11月頃。別名:カンピョウ(干瓢)。漢名:壺慮

 ウリ科の野菜としては、キウリ(胡瓜/黄瓜)、マスクメロン、スイカ、クリカボチャ(セイヨウカボチャ)、カザリカボチャ、トウガン、ヘチマ、ヒョウタンなどがある。

 なお、ヒルガオ科の「ヨルガオ(夜顔)」も、夏の夕方に芳香の強い白い花を開くので「ユウガオ」とも呼ばれ混同されやすいが、植物学上のユウガオ(別名:ふくべ・瓠)は、果実をカンピョウ(干瓢)の原料などにするウリ科の植物。

奥州市水沢区のニラ(韮)

2006年09月06日 | Weblog

9/2(土)、奥州市水沢区の道路わきにある田圃のふちで、「ニラ(韮)」が白い花を咲かせていました。






ニラ(韮)ユリ科 ネギ属 Allium tuberosum
中国の西部が原産地とされているが、中国やインドなどに広く分布する多年草。日本でも山野に生えているものが見られるが、古くにわが国に渡来したといわれているので、自生のものではなく、野生化したものと考えられている。

 地中に小形の鱗茎があるネギの仲間で、独特のネギ臭がある。葉は扁平で幅4mmほど、左右に開き、束になって伸びる。夏から初秋にかけて、株の間から長い花茎を出して、その先に白い小さな花を半球状に多数つける。

 乾燥や高温に強く育て易いので、一度種子や苗を播き植えすると、その後毎年生えてきて、年に3~5回刈り取っても、あとからあとから生えてきて食べられるので家庭菜園にも向く。庭がなくてもプランターなどに作っておいても間に合う。

一関市室根山のテンニンソウ(天人草)

2006年09月06日 | Weblog





9/3(日)、一関市の大東町、千厩町、室根町の3町にまたがる室根山(標高895.4m)の頂上付近(「山頂へ約3分」の石碑が立っていました)に「テンニンソウ(天人草)」が群生していて、花を咲かせていました。束稲山の頂上にも群生していましたので、この程度の亜高山が適しているのでしょう。タテハチョウ科のヒメアカタテハと思われる蝶々が吸蜜にきていました。









テンニンソウ(天人草)シソ科 テンニンソウ属 Leucosceptrum japonicum
山地の落葉樹林の木陰や草地などに生える多年草で、大群落をつくることも多い。
高さは50~100cmほどになる。茎は四角形で、基部は木質化する。葉は対生し、柄があり、長楕円形または広披針形で長さ10~25cm、幅3~9cm、先は鋭く尖る。

 9~10月、茎の先に直立した花穂を出し、淡黄色の唇形花を密につける。花は下のほうから咲き、花から突き出た長い雄しべと雌しべがよく目立つ。分布:北海道、本州、四国、九州

 なお、富士山周辺に特に多く見られるという、葉の裏面の中脈上に著しく開出毛が生えるものは「フジテンニンソウ(富士天人草)」と呼ばれている。

一関市室根山のトモエシオガマ(巴塩竃)

2006年09月05日 | Weblog




9/3(日)、一関市の大東町、千厩町、室根町の3町にまたがる標高895.4mの室根山の頂上付近の遊歩道を歩いていて、「トモエシオガマ(巴塩竃)」が咲いているのを見つけました。倒れた状態で花を沢山つけていました。






トモエシオガマ(巴塩竃)ゴマノハグサ科 シオガマギク属 Pedicularis resupinata
var.caespitosa
本州の中部地方以北の亜高山から高山にかけての草地に生える多年草で、「シオガマギク(塩竃菊)」の変異種。茎はほとんど枝分かれせず、高さは30~60cmほどになる。葉は茎の下部では対生、上部では互生し、長さ4~9cm、幅1~2cmの狭卵形で、縁には形の揃った重鋸歯がある。

 8~9月、茎の上部に紅紫色の花を横向きにつける。花は長さ2cmほどで、上下2唇に分かれている。上唇は兜(かぶと)のような形で、先端はくちばし状に尖っている。下唇は横に広がり、浅く3つに切れ込んでいる。シオガマギクの花が茎に点々とついているのに対し、花と花の間がつまっていて、しかも花がねじれているので、上から見ると巴状に見える。葉の幅はシオガマギクよりやや広い。

「塩竃」は、海水を煮つめて塩をつくるためのカマド(竈)のこと。「塩竃」は「浜で美しい」ということから、「葉まで美しい」にかけた名前といわれている。

なお、この仲間は世界に約500種、日本に15種あり、高山性の「ヨツバシオガマ」、「タカネシオガマ」、花が白色の「エゾシオガマ」などが良く知られている。

一関市室根山のハンゴンソウ(反魂草)

2006年09月05日 | Weblog




9/3(日)、一関市大東町大原に鹿踊(ししおどり)を見に行ったついでに、室根山まで足をのばしました。室根山は、北上山地の南東端に位置し、大東町、千厩町、室根町の3町にまたがる標高895.4mの独立峰。昔、桔梗山、卯辰山、鬼首山などとも呼ばれたそうです。室根神社が建立された養老2年(718年)に牟婁峯(むろね)山と改められ、藤原秀衡の時代に室根山に改められたといわれています。

 この山は国民休養地や県立自然公園に指定されていますので、山頂まで自動車道路が整備されていて、ドライブコースとしても親しまれています。「標高540m」と書かれた立て札が立てられていた付近に「ハンゴンソウ(反魂草)」が群生していました。蝶や蜂も蜜を吸いに来ていました。







ハンゴンソウ(反魂草)キク科 キオン属 Senecio cannabifolius
山地のやや湿り気のある草地や林の縁に生える大形の多年草で、高さは小さいもので1m、大きいものは2mほどになる。葉を切ると独特の匂いがする。

 7~9月、直立した茎の先端に散房状に黄色の花をつける。1個の花は黄色で直径約2cm、花弁に見えるのは舌状花で5~7個ある。アサ(麻)に似た葉は長さ10~20cmで、羽状に深く3~7裂し、裏に縮れた毛がある。

 春先に出る紫がかった若芽は、摘むとゴボウに似た強い香りがあり、あく抜きして食用にするという。

 花のつき方や大きさは同じキオン属の「キオン(黄苑)」と似ているが、葉が羽状に深く切れ込んでいるので区別できる。葉の裂片は細長く、先端は鋭く尖る。(よく似たキオンの葉は、浅い鋸歯がある。)

 分布:北海道、本州(中部地方以北)。なお、「キオン(黄苑)」という和名は、薄紫色の「シオン(紫苑)」の黄色版という意味でついた名。