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peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

「マンゴーより甘い」ポポー 2022年8月26日(金)

2022年09月06日 | 気候、天気、季節の風物詩
青々と実ったポポー=南さつま市金峰町中津野

ソ連兵から逃れた父が持ち帰ったポポー、台風で倒れても再び実る 「マンゴーより甘い」(南日本新聞 373news.com 2022年08月26日18:22)

 鹿児島県南さつま市金峰町中津野の原口憲治さん(74)宅で北米原産の果樹ポポーが実っている。1945年の終戦直後、父の安成さんが中国満州のハルビンから命からがら種子を持ち帰り、育てた。3代目の現在も甘い実がたわわ。父の思い出とともに大切に守っている。

 安成さんは戦前から戦中に大陸へ渡り、土木技術者として働いた。終戦が近づくと旧日本軍の新兵教育を受け、旧ソ連の進攻とともに捕虜となった。抑留地へ向かう列車から脱出。以前援助した縁で旧知の中国人に2週間かくまわれた。帰国する際、記念に贈られたのがポポーの種子だった。

 安成さんは難を逃れた恩を忘れないよう、85年に75歳で他界するまで庭に植えた果樹を見守った。後を継いだ原口さんによると、風に弱く2度倒れたが、2度とも落果した実の種子から芽を出した。

 肥料を絶やさず丹念な手入れで約5メートルに成長。毎年4月末ごろに開花し、お盆過ぎに実が熟す。今年も最初の実を安成さんの仏前へ供えた。糖度が高く、お裾分けもして喜ばれている。

 孫の阿多小学校6年の知花(ちは)さんは「マンゴーより甘い。食べるのが楽しみ」と果樹を見上げた。原口さんは「父が抑留されていたら、自分たちもいなかったかもしれない。そう思えばより貴重な味覚。体験の記憶も子や孫へ残していきたい」と話した。


ポポーを知花さん(左)に見せる原口憲治さん

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