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peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

奥州市水沢区のザクロ(石榴)

2010年11月14日 | 植物図鑑

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2010年11月14日(日)、奥州市埋蔵文化財調査センター(水沢区佐倉河字九蔵田96-1)から100mほど離れた県道270号線沿いにある農家の庭に植えられているザクロ(石榴)が、橙赤色の果実を沢山つけていました。厚い外果皮が不規則に裂けて、内側から赤い液果がのぞいていました。

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ザクロ科 Punicaceae:ザクロは果樹、あるいは薬用、観賞用として、何世紀にもわたり、熱帯から亜熱帯の国々で栽培されてきた。特に地中海地域で普及しており、スペインの都市グラナダの名は、そこでできるおいしいザクロに因んだものである。ザクロは野生状態ではトゲの多い低木だが、栽培すればトゲも少なく、高さ6mにもなる。

果実は直径6㎝前後、オレンジくらいの大きさで、種子の外皮は透明な淡紅色、多汁質で甘酸っぱく、生で食べたり、清涼飲料の原料とする。果汁はグレナディンと呼ばれる甘さや赤みの主成分からなり、炭酸飲料やアルコール飲料に、香料や着色料として使われる。樹皮と根から抽出されるアルカイドのペレチエリンは、昔から、サナダムシなどの腸内寄生虫を駆除するのに使われている。果皮は約26%ものタンニンを含み、革をなめすのに活用される。

ザクロ科はザクロ属1属で、2種がある。ザクロPunica granatumは西南アジア原産の小高木または低木で、自生域はおそらくヨーロッパ南東部のバルカン山脈からインド北部あたりまでと考えられる。特に、冬寒く夏は暑い、半乾燥気候の地域に野生する。半乾燥地に自生する植物だが、多湿の日本でも簡単に育てられる。全縁で光沢のある葉を対生し、若い枝は狭いコルク質の翼があって4稜をなす。しわがよった6枚の赤橙色で筒状の花を1個から数個、枝の先端につける。果実は肉質の液果で赤または赤褐色、橙赤色の外果皮があり、その先端には6裂したガクと数輪の雄しべが残存する。果実が熟すと、不規則に裂開して、薄膜で区切られた多数の種子が現れる。

園芸品種として、矮小型のヒメザクロや八重咲きのハナザクロがつくられている。

ザクロの果実は多くの民間伝承に登場し、希望や不死を表す象徴としても広く用いられる。ギリシャ神話やローマ神話にも現れ、バビロンの空中庭園に植えられていたといわれる。ソロモン(イスラエルの王、紀元前10世紀ごろ)の寺院の柱には、ヘブライ人によるザクロの果実の彫刻があり、初期のペルシャ織物の図案にも用いられた。アジアでは、昔から子孫繁栄、豊穣(ほうじょう)の象徴であった。

もう1種のプニカ・プルトプニカP.protopunicaは、ザクロとは対照的にほとんど知られていない。イエメン南東のインド洋上にあるソコートラ島の固有種で、1896年に報告された際には、高地に普通に見られる木本と記録されている。しかし現在では、ヤギとウシの過放牧のために、古くから保護されている4本の個体が辛うじて生き残っているだけで、絶滅寸前の状態にある。「プロト(proto=前、原始)」「プニカ(punica=ザクロ)の種小名が示すように、この種は、ザクロの祖先型と考えられている。ザクロに比べて葉はより大きいが、花と果実は小さい。果実の構造は単純で、種子室はザクロでは多くの薄膜の層をなしているのに対し、この種では1層しかない。

ザクロ科は、最近の分類では、栄養器官、花の構造、花粉、種子の形態の類似からミソハギ科の1亜科として扱うこともあり、葉緑体DNAの塩基配列の比較からも、ミソハギ科に含めることが支持される。<strong>[朝日新聞社発行「週刊 朝日百科 植物の世界 43(米国オハイオ州立ケント大学生物科学部准教授: シャーリー・グラハム Shirley A.Graham)」より]

http://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/81deb3a0d8e4b37fb3cdae95375a4021[peaの植物図鑑:一関市東山町のザクロ(石榴)]


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