戦後最悪の大震災に見舞われた日本。
地震に、津波に、原発事故。シングルではなく、ダブルでもなく、一気にトリプルパンチを食らった日本。
そんな状況から再び立ち直ろうと必死にもがいている日本。
災害の映像に心が打ち砕かれ、人々の負けん気に心が動かされる。
地震に津波は、予想を超えた規模だったとはいえ、決して思わぬ出来事ではあるまい。
ただ、それによって引き起こされた原発事故にはみんながあっけに取られる。
原発の状況が日に日に深刻さを増していく中、日本メディアの報道と海外メディアの報道に妙な温度差が出始める。
日本の比較的冷静な(?)報道に対して、海外における報道が熱を帯びていく。
原発事故を受けて、日本の政府やマスコミが「健康への心配はない」が基本路線として国民に冷静な対応を求める。
その間に、諸外国の日本大使館が自国民に東北・関東地方からの退避や場合によっては帰国を促し始める。
これらは全て事実。ただ相互につじつまの合わない事実。
日本人がどこかのんきな気持ちでいるのか。それとも諸外国や在日外国人が過敏に反応をしたというのか。
真実はどこにあるのか。
こんな状況で何をすべきか。
その判断は難しい。
インドの実家に僕の安否を気遣う電話がなりやまなくなっても、その判断は難しい。
帰国なんて毛頭なかったのにインドからの一時帰国の切なる願いに応じざる得なくなっても、その判断は難しい。
一時帰国したって絶えることのない、この葛藤。
近いうちに再来日することになったって絶えることのない、この葛藤。