横文字だが 「兆し」 のことなのだ。
そしてスズキの中型高級セダンの名前なのだ。
日本での販売開始から一年半経ったところなので、改めて紹介するまでもないと思うが。
その 「KIZASHI」 が今年になってついにインドでも販売される。
インドの道路で中型セダンなんかを運転するのは最高難度の技だけど、それはここでは関係のない話し。
話しはというと、「KIZASHI」 の横文字がちょっとかっちょいい~と思ったということ。
日本とは縁がないインド人なら 「KIZASHI」 というネーミングについてどこまで突き詰めて考えるかは知らない。でも、日本語が分かる身としてはそれが気になって仕方がない。
「KIZASHI」 がアメリカや日本ですでに販売されていることからも分かるように、何もインド向けに付けたネーミングではない。
でも、かつてはスズキ社 (厳密にはマルティー・スズキ社) が 「和」 をコンセプトにインドで攻勢をかけた車が存在した。インド向けに現地生産・販売した 「ZEN」 という小型ハッチバック車がそれだ。
もちろん、「ZEN」 は 「禅」 にかけてある。でもそれだけではない。「Zero Engine Noise」 の頭文字をとったネーミングでもあるのだ。つまるところ、エンジンがまったく音をしないことから、禅の瞑想をしているかのような走り心地というわけ。
なかなかイケている、と思う。
(ちなみに、「禅」 はインドの 「ディヤーナ (Dhyana)」 という瞑想に由来する。中国経由で日本に伝わったという。)
ただ、「ZEN」 に乗っていた人々の中にそんな意味合いを知らない人も少なくなかったかもしれない。こんどの 「KIZASHI」 もきっとその二の舞になる。
ただそれも仕方がないところだ。乗り心地が良けりゃそれで良いのだ。