京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のもったいない時間」

2019-10-04 09:11:02 | 時計修理

10月4日金曜日。
写真は水入り事故の直後に冷凍庫保存で持ち込まれたG-SHOCK.
バンド取付「ばね棒」が錆びてベルトが外せないまま修理に入る。

残念ながら見た通り以前から水が入っていたようで内部は錆びだらけ。
修理料金2000円では割に合わない作業でした。

要因は電池交換の際に防水パッキンがずれたままウラブタの取り付けミスだ。
「だからいつもいつもそうなんだから~電池交換は専門店でやって!と言っているのにね~。」ドラえもんのように言う。
G-SHOCKで難しいのはこのような初歩的なミスで水が入ることです。
上から鉄板をかぶせただけの構造なので防水性は低いのに何故か防水時計として人気なのが不思議。
カルティエ(非防水)などの場合、裏側はレールの溝にパッキンを置く二重構造になっている。ユーザーは非防水の使い方なので扱いは丁寧だ。
G-SHOCKの電池交換は専門店でやってもらいましょう!と言っても専門店、時計屋すらない町が多くなりました。

「元気でいるかぁ~♪お金はあるかぁ~♪友達出来たかぁ~♪」さだまさしさんの名曲「案山子(かかし)」
都会で定年退職したオヤジのしみじみとした歌です。
ポツンと見捨てられた田んぼの案山子のように~病院前にある公園のベンチで暇つぶしをする。
生涯会社に尽くしてきたのち定年退職。
勤めを終えると周辺に友達は一人もいない。
届く年賀状は皆無になった。嫁さん、娘に届く年賀状の束がうらやましい。

老後の2千万の大金はない。高浜町に知人もいないので入る予定もない。
嫁さんは早朝に枕元におにぎり2個とインスタント味噌汁を置いてどこかへ消えた。
「おふくろにぃ~聞かせてやってくれ~♪」のお袋は去年亡くなって身内はどこにもいない。
都会の中でポツンと一軒家なのにテレビの取材もない。

「関西電力の役員は実にうらやましい。皆さん60歳過ぎているのにスーツの仕立て券50万円が贅沢だ。」
60歳過ぎるとスーツを着る機会もなくなるしせいぜい頑張っても残り5年くらいのサラリーマン人生に50万円のスーツはもったいない。
費用対効果を考えろよ~!と人事のチェックはなかったのか?
せめて時計の商品券なら次の世代が使えるのにもったいないと思う。

西陣から引っ越す際にスーツ、コートはリサイクルのNPOに送った。アルマーニ、バーバリなど着る機会がないのですべて処分した。
クルマ、スキー、ゴルフ、ピアノも捨てた。
起きて半畳、寝て一畳の放下僧ライフを楽しんでいるのだ。ただチェロと時計だけは思い出が深すぎて捨てられない。
放下僧の域まではまだ未熟なのです。
嫁さんは「70歳まで処分してや~!娘たちが困るさかいにきっちり始末してね~。」と上野千鶴子のようだ。
チェロや楽譜を残されてもただの大型ごみより始末が悪いというのでそこを何とか5年くらい延長してもらえないか頼んでいるところだ。

人生の終末後、お仕事はどれだけさっぱりとしてあの世へ行くか!
茶道裏千家の家元さんも私の一個下の歳、元気なのだ。茶道の現役年齢は90歳くらいか?オヤジになった皆さんは茶道教室に通いましょう!
郷ひろみさんは同年齢なのに相変わらず年末はホテルでパーティ開催。
そろそろあのシルキーボイスで貝殻節、南部牛追い歌を聞かせてほしいと思う。
「なんの~いんがぁ~でェ~♪この歳までわか造りしにゃ~あかんのやぁ~!」

皆さん「せっかくの人生、晩節を汚さないように頑張りましょう」
50万円のオーダーメイドスーツは要らんね~。
 秋、しみじみ~のエビスビール、枕元にはおにぎりとインスタントマツタケのお吸い物。
それで十分なのだ。


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