京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の悩み事」

2019-10-05 09:02:55 | 時計修理

10月5日土曜日。
微妙なタイミングで金鳥蚊取り線香が底をついた。今年の夏のやぶ蚊はまだ元気です。
90日ボトル3個のバリヤーをかいくぐり突撃してくるやぶ蚊に対抗できるのは「金鳥蚊取り線香」しかない。
チェロの演奏やらピンセットを持って作業中にきまって現れる。特にひじの裏側、マブタに集中します。
演奏中に譜面台のスコアの上でのんびり休むやつもいる。バッハ無伴奏チェロ曲の演奏を終えるとさっといなくなる。
京都のやぶ蚊は賢い。

今年白内障の手術のおかげで両目が見えて動体視力が戻った。一発でやぶ蚊を退治できるようになったのはうれしい出来事です。
お風呂に迷い込んだやつを見つけた時にはなぜかうれしくなります。逃げ場のない場所に追いつめて殺戮できるのだ。
京都は坪庭やら水辺が多いのでやぶ蚊の名所。
京都旅行には虫刺されスプレーが必需品です。
私は残念ながらこのスプレーのアレルギー体質なので使えないので結界を作って蚊取り器具で守っている状態です。
しょうがないので購入するか?それとも来年まで待つか?微妙なところです。

やぶ蚊の次くらいの悩み。
工房は腕時計専門。時折、掛時計の修理品を持って来られるお客さんがいます。
お断りしてすぐに捨てられるのも寂しいのでせめてクオーツ・ムーブメントを各種常備、ムーブの取り換え作業3000円でやれるだけ。
ぼんぼん時計の修理はお断りしています。

10年前に近所の人からぼんぼん時計を10台強お預かりしていました。
そのご夫婦も昨年なくなり、彼の同級生だった隣の自転車屋さんも仲良く天国へ旅立ちました。
工房に「ぼんぼん時計」だけが取り残されました。
出来れば一緒に連れて行ってほしかったはずの時計たち。
ご遺族と相談すると売ってほしいとのこと。残念ながら工房は古物商の届け出をしていない。
購入希望の人は直接ご相談下されば価格の対応をしてくれるそうです。
アンソニアの置時計、オキュパイドジャパンのかけ時計、四ツ目、八角尾長など名品ぞろいです。

私も来年で65歳でお年寄りの仲間入り。
いつの間にか貴重なアンティーク時計やら工作機械の行き先を考える年齢になってしまった。
二台のチェロ、膨大な数のスコア、CDなどなどやはり大切に取り扱ってもらえる人にお渡ししたいものです。
指の力が弱くなったのでステージ用のチェロは高音部がつらくなってきた。この歳になって女性チェリストの悩みがわかるようになりました。
秋の日はつるべ落とし。
アメオトコの私がどのような「つるべ落とし」状態になるのか楽しみなのだ。
今日は土曜日。
のんびりとご家族でお出かけする人は腕時計を連れて行ってくだされ~。京の秋は夕日がきれいですよ!







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