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昨日の雪の影響で寒い週末になりました。
今日は「雨水」雪が雨に変わる日。
次第に春めいてくる予告のような日です。
ところが先ほどから雪が降ってきた!
今日の観光客はラッキー!
最近の京都では珍しい凍った風景を楽しめます。
京都の「底冷え」実感ツアーだ!本当に寒い。
写真はクオーツムーブメントのテスト中!
夜間のマイナス気温の中での精度を計測します。このモデルは合格。
最近、ムーブメントの生産地が中国に移りました。
大量生産で作られる。過去は不良品発生率10%。最近は1%程度でしょう。
かなり良くなってきました。
それでも不良品が検査を通り抜けて来る。
粗悪品のために取り付けた後に時計が止まることがある。
そのままお客様に渡すと工房の評判が落ちるのです。私の修理技術が問われる。
このような不確定要素が多いために掛時計の修理をあえてしない時計師が増えました。
残念な傾向です。
今日のような寒い日はテストには絶好の日なのだ。1週間ほどテストして大切に保管します。
「腐ったりんご理論」
皆さんご存知。1個でも腐ったりんごが入ると全体のりんごの腐る時間が早くなる。
よく学校のクラスの中で言われた。
先生が私のほうをチラチラと見て話していたので当時は私が腐っていたのでしょう。
末端の生徒が一人腐っていても体制には問題がない。人のせいにしないでほしいよ。
当時はそう思っていました。
現在のピラミッド型の社会では一番上に置かれたりんごが腐っているパターンが目立つようになりました。
頂上が腐るとりんごの山はあっという間に売り物にならなくなる。
本人がその事に気がついていない。醜くしがみつく。
日本の時計業界にも目立ちます。
時計の売上に依存しなくても会社は経営が出来る。
医療機器やIT関連の基板で充分成長できる時代なのです。
時計部門は続けるだけで赤字だ。
そこで時計部門を立て直そうと腐ったりんごが考えた。
IT業界は年収1千万円。時計業界はその半分。惨めだ。
時計メーカーとして有名企業なので時計つくりを止めるわけにはいかない。
そこで構造改革をやってみた。これで年収1千万の社員が出てくる!
①電池交換など修理部門をすべて社内で実施する。
時計関連の利益はすべてメーカーが吸収する収益体制にする。
つまり店舗ではウラブタを開けられないような構造にしてしまう。
②全国の営業所を縮小。街の零細小売店には訪問しない。
全国ばらばらの修理技術者を中央にまとめる。
所長以下は契約社員として人件費を削減する。
③ブームの環境問題対策商品なら攻撃されない。問題の「ソーラー」時計の拡販だ。
5年償却。買換え需要のために「充電池」は市場に普及させない。
「使い捨て」「大量生産」の時計を売り出す。
高度成長期に育ったので成功体験が忘れられないのだ。
(5年ほどでキャパシタの急激に充電能力が低下することは初めからわかっていた。)
時計つくりをやめるか、人を減らすか。二者択一で問題をすり替える。
流行の「小泉・竹中理論」を使ってみた。
結果。
スイスはもとよりアメリカ・中国チームに追い越された。
日本の得意な中・低価格ゾーンまで競争に負けた。
高級品は元々ヨーロッパに負けっぱなし。
ソーラー時計の普及の結果は~。
国産時計は「使い捨て」感覚を普及させたことに成功する。
「え~!5年も同じ時計を使っているの?5年落ち!はずかし!」一般女性の感想です。
国産高級時計は2万円が限界修理料金。スイス製の時計は6万円と3倍までOKだ。
同じ20万円程度の定価でもこのような満足度に差が出る。
「ソーラー時計」の普及で国産時計の高額品まで「付加価値」が低下したのだ。
「騙された!」電池交換不要のキャッチコピーの怒りが販売店に向かったのです。
「もうあの店では買わない。」小売店つぶしに成功!
国産時計が主力の小規模小売店舗の縮小、閉店が続く。めがね、宝飾店に業種転換。
リテイラーの消失現象が始まる。地方では時計を売っているお店がないのです。
衰退後の日本。
腐ったりんごさんたちは「リーマンショック」「震災津波」「不況」
外部要因ばかりをつぶやくのでこれからの回復見込みは困難。
対策
時計技術者はスイス、アメリカ、中国の時計に強くなる事。
たとえ品質に問題があっても一般のユーザーは生産国には無関心。
時計の状態、修理内容を正しくお伝えしましょう。
ちなみに「部分修理」と「ムーブメント交換」ではお客様が負担する料金が大きく違ってきます。
「部分修理」ができる私たち時計修理の技術者が最後の砦だ。
「腐ったりんご」のような扱いで業界からつまみ出されるまでしぶとく世の中にはびこって生きていきましょう。
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