京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の知恵時間」

2017-06-27 09:29:35 | 時計修理

6月27日火曜日。友引。明日は工房の定休日ですが臨時営業します。夜は6時までの営業お早めにお越しください。ただしブログはお休み。
京都の各大学ではまもなく前期試験が始まるので通学バスの風景は居眠りしている人が目立ちます。ただ同志社大学の試験は夏休み明けなので余裕がある。
京都大学の大学院試験も8月あたりから順次始まるので京都での若い人の扱いは腫れ物を触るような扱いになる季節。

時計業界では6、7月は時計の量販期でもある。6月の高級時計量販期から始まって7月のボーナス商戦になだれ込む。
時計にも売れ筋がある。
女性用の時計は未来を見せてくれる、反対に男性用は過去の栄光を見せるものが売れる。
カルティエ、エルメスが女性に人気なのは将来幸せの中自分の娘に引き継ぐ楽しみがある。
また女性に過去の話をグダグダと話しても無駄!未来の話しをしましょう。
私もこの年になっても嫁さんとの会話は未来の話しだけです。
将来、人柄の暖かい盛岡で過ごすか?有明海の夕日を見ながら魚が美味な長崎で過ごすか?美術館巡りのパリに移住するか?この三択に絞られてきた。
仕事が時計師なのでどこでも生きていけるのだ。時計師は語学、会話のスキルより技術力が優先される。朝に挨拶ができるだけでいい。死ぬまで明るくつらい仕事ができるのじゃ~!

男性用の時計は過去時間用の時計が売れる。
ロレックス・デイトナ、オメガ・スピードマスターが人気なのは時計につけた傷一つでもそのシーンを誇れるからでしょう。私もロレックスの傷をそのまま残していのは過去の栄光を思い出せるアイテムだから消さない。
だから修理後に傷を消すのも要注意!

ただしそれを他人に話すのはタブー。居酒屋で自慢話と夢の話は絶対にうけない。
一番盛り上がる話が嫁さんから退職後離婚を言い渡されたオヤジ。
嫁さんやら娘など家族から受けるひどい仕打ちを涙ながら語るオヤジの切なさは共感できるのだ。
いつまでも家族にしがみつくオヤジの話は平家物語をほうふつされてなかなか面白い。

また病気の話もタブー。今どきのオヤジで自慢できる病気は一つもない!末期ガンでもフーンとあっさりと流される。10代、20代ならともかく60過ぎて病気は当たり前なのだ。
ちなみに私は内科ではアレルギー、眼科では白内障、網膜剥離、外科ではチェロ肘の関節炎、スキーで痛めた膝の関節炎。などなど病気で元気なのだ。

それが京都の知恵なのです。
写真はジェラルド・ジェンタ。
ロレックスの金無垢など裏蓋に傷が付いたら真っ青!スクリューバックでは特殊な開閉器が必要な場合もある。
そこで専用開閉器を使わない手法がある。レバーに瞬間接着剤をつけて貼り付け両側を回してウラブタを開ける。
修理が終わったら閉めて終わり。その後剥離剤を流して終わり。メーカーまで送ることはない。
さっさと終わって朝ご飯を食べましょう!

明日は水曜日。夕方からオヤジたちの集まりがあります。
川上背番号16番時代を知っている世代。名馬ハイセイコーの引退は大学生のころ。
阪神江村山が長嶋から打たれたホームランは絶対にファールだ!の世代です。
話が盛り上がって飲みすぎないようにしましょ~!








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