京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2014-03-25 09:40:45 | 日記

3月25日火曜日
明日26日「桜始開」の候。いよいよ季節は春を迎えます。
水曜日の休店日ですが午後には工房に戻れそうです。
暖かくなってきたのでチェロの練習も最近快調!花粉症のクシャミを連発しながら演奏しています。両手がふさがっているためにマスクは必需品だ。

引越しトラックも目立ちます!消費税増税の駆け込み需要?
引越しで京都から離れる前に時計の電池交換を済ませたほうがいいと思う。

「鏡の京都時間」のお話。
関東と比較すると京都の時計師のレベルは高く料金は安い。下手なメーカーの修理担当者が驚くほどです。
これは一般人は一度ひどい目に遭わないと解らないようだ。
「かなづちで時計をガンガン叩いてこじ開けられた!」「裏ブタが傷だらけで帰ってきた!」などトラブルが多い。

2011年に大震災の影響で話題にならなかった時計があります。
この年、京都岡崎の漆工芸のお店「象彦」とジュネーブの時計メーカーバセロンのコラボ企画がありました。
文字盤は「象彦」さんの蒔絵。ケース、機械はバセロンがそれぞれ担当し2000万円強の価格で発表された。
残念ながら企画は失敗だと思う。私の独断の意見なのでほとぼりが冷めた頃だ。

文字板の漆工芸がすばらしくて時計が負けているのです。
大人と子供の作品が混同しているように見えた。
千年の歴史を持つ蒔絵と200年程度歴史の時計メーカーでは所詮勝ち目がない。

時計師の私としてはガッカリでした!
世界のトップクラスのバセロンでも日本の蒔絵伝統工芸には勝てないのだ。これでは寂しい。
吸い込まれそうな黒い鏡のような漆工芸の器を見るたびに思い出します。
これからの季節は黄砂被害が多くなってきます。漆の食器の保存に気をつけましょうね!

また時計店も黄砂に注意する季節。店頭のガラスケースが砂で傷だらけになります。
「よろしかったらお出ししましょうか?」と声をかけてくれる販売員さんに軽く断りながら視察する。

店頭の備え付け鏡はすぐに砂だらけになる。
この鏡を使うのはほとんどが女性なので頻繁に水で磨く事が必要です。男性が使うとちょっとあやしい人にみえる!
男性は時計を自分で見る為に買う!
女性は相手に時刻をわからせるために使います。
「Time to say goodbye」は女性のせりふ。
男は鏡は見ないようにして通り過ぎましょう。

「鏡よ!鏡よ!かがみさん!世界で一番美しい人は誰?」
ヨーロッパの鏡はふしぎです。
日本の鏡は能の世界のように狐狸妖怪、幽霊は鏡に当然映ります。
私が見た幽霊さん達は鏡にしっかりと映りました。
ホテルで顔を洗っていてふと鏡を見ると真後ろに蒼い顔した男が張り付いていた!このときばかりは死ぬかと思った!

ヨーロッパでは鏡からお化けは出なかった。こっちは実力行使!良く物が落ちたり部屋がゆれたりとにぎやかでした!
ヨーロッパではドラキュラのように幽霊さんたちは鏡には映らないので鏡は無害なアイテムです!
それで日本の鏡はカバーで普段見えないようにしているがあちらでは鏡はいつもオープンです。

「鏡よ!鏡!」と呼び出された鏡の精も迷惑な事だったのでしょうね!
眼は限りなく細くしもぶくれの丸い顔の「小野小町」
顔のパーツがとても大きくしなやかに黒い肌の蛇使い「クレオパトラ」
ヨチヨチ歩きの子供のような足の「楊貴妃」
美人は誰だ!

「世界で一番美しい人は誰?」と質問されて即答する鏡の精。こいつの話を信用する方がお馬鹿でしょう!
それも身近に世界の美女がそろっている話が詐欺ッぽい、怪しい!
危ない健康サプリを売りつけられそうだ。

グランドセイコーのガラスは鏡の反射を抑えるために特殊なコーティング材の皮膜をかけています。
店頭で時計のガラスも楽しみの一つにしながら選んでくださいね。
安物時計を買って狐狸妖怪探しアイテムとして使えるかも?

明日のブログはお休み!
毎年、御所の出水の小川で水に写った桜を楽しみにしています。明日はちょと下見に行って来ます。













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