京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間

2014-03-21 09:12:56 | 日記

3月21日春分の日。「雀始巣」雀が巣造りを始める候。
朝工房へ向かうときに「キツネの嫁入り」に遭いました。
空は晴れているのに冷たい雨が振ってきます。びしょびしょで工房にたどり着きました。
「京都・東山花灯篭」のイベントでキツネの嫁入り巡行が行われているようです。
このキツネのお嫁さんにクウエート大使の奥様が扮していたそうで楽しい思い出になったことでしょう。
何も知らずに通りがかった観光客はキツネのお嫁さんにビックリすることでしょう!

3月21日周辺ではろくでもないことが起きる。私の誕生日だ!いつも軽く忘れられる。
地下鉄サリン事件、イラク戦争などなど大事件も多い。
大事な食器を割ったり、花粉症の症状がひどくなったりと今年も最悪な予感がしていました。
昨日の朝「時計の電池交換は500円じゃなかったの?」とクレーム。何かの勘違いだと思うが笑えないクレームに気分は最悪の朝でした。

そんな時に出合った本。常連のMさんから勧められた一冊。
「美人薄命」深水黎一郎著。
高齢化社会がテーマになっている、暗い現実を見せ付けられるのか!と覚悟して読み始めた。
冬の旅行は寒いところへ行け!夏は暑いところへ行け!不運な星巡りの誕生日には不幸な話を聞け!
お弁当配達のボランティア大学生と一人暮らしのお婆ちゃんの物語。
「若い時代にお年寄りを馬鹿にして生きていると本人が歳をとりお年寄りになったとき不幸な晩年になるぞ!」この一行に驚いた。

昔、アルバイト先の祇園の料亭で同じような指摘を受けた言葉を思い出しました。
「お金を稼ぐようになって人を食事に誘えるようになったら身近なお年寄りを誘いなさい!
同僚や部下と酒を飲んでも自分がいい気分になるだけではもったいない!きっとあんたの役に立つよ!」
いい思い出がよみがえる。最近辛い事ばかり思い出すのでうんざりしていた時にいい本と出会えた。
すがすがしい読後感。お勧めの一冊。

「四面楚歌 元気に泳げ こいのぼり」
この日、日が暮れかけた頃に80歳を過ぎたようなお婆ちゃんが杖を突いて来た。
やっかいなエベル・スポーツの電池交換と一緒にやってきました。

「誕生日周辺にはろくなことが起きない!」と神経を集中させる。
文字盤のネジを外してリューズを垂直に引き上げる難しい技術と勇気がいる時計だ。
なんとか無事に修理を終えてお婆ちゃんに手渡したとき突然この句をつぶやいてくれました。
それまでの会話はなんとなく上の空で聞き流していましたのでハッとする。
なんとお年寄りのお婆ちゃんから励まして頂いたようです。
嬉しくて詠み人の名前は忘れた。残念!この日一番のミスか!

3月21日!誕生日の周辺でもいいこともあるのです!
工房では今日はマスクを二重にしてお客さまを待っています。
洛北は北山杉の名産地。花粉も名物です。
そんなところに来てくださるお客は大歓迎なのだ!








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