日々の記録

ほどよく書いてきます。

超音波ボルト軸力計

2020年11月18日 23時46分11秒 | その他雑記

会社で超音波ボルト軸力計を使って計測している人がいた。

軸力を付与していって測定出来ないと言っていた。200N, 400N, 600Nと軸力を増して行ってもボルトが伸びていかないというのだ。

そ ん な ば か な

超音波ボルト軸力計の仕様を見てみると時間分解能は10nsくらいとかいてあった。ボルトの全長は20mmと45mmでサイズはM8。

では、計算しましょう。

ボルトの断面積をS、長さをlとすると、バネ定数kは次のように計算出来ます。

k=E・S/l   次元解析:E[N/m^2] * S [m2] / l[m] = k[N/m]

具体的な数字を入れていきます。単位はMPa=N/mm2なので、長さをmmにします。

鉄のヤング率は200GPa = 200E3 [MPa = N/mm^2]

M8ボルトの有効径を7.6mmとすると、S=π3.8^2=45.36[mm^2]

k=E・S/l = 2E5 * 45.36 / L = 8.14E6/l

l=20mmのとき、k=4.07E5 [N/mm] = 407[N/um]
l=45mmのとき、k=1.81E5[N/mm] = 181[N/um]

 

鉄鋼の音速は5920m/sくらいらしいので、10nsで進む距離は5920[m/s]*10[ns] = 5920*1e-9*1e6[um]=5.92[um]

ボルトが6um伸びてようやく測定が可能なので、
l=20mmのボルトでは2.4kN ≒ 240kgfの荷重が必要。
l=45mmのぼるとでは1.07kN≒107kgfの荷重が必要。

 

話が戻ります。200N, 400N, 600Nでは変化が検出できないことは明らかです。

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