日々の記録

ほどよく書いてきます。

絶対値回路とピークホールド回路

2020年11月29日 03時37分14秒 | 電子工作

複合材の破壊試験をしているとき、破壊時に生じる音を記録したいときがある。

ひずみゲージを貼り付けて試験するのでひずみゲージで検出する振動をなんとか同時に記録したい。

考えている回路は次のようなもの。歪のアンプが2.5kHzの帯域しかないので、さほど高速なアンプはいらないだろうと思っているが・・・

 

寄生容量とか細かい話は抜きにして、最後のピークホールド回路の挙動が怪しい。シミュレーション固有かもしれないがU3のオペアンプの出力がバタつく。
オペアンプの出力につないでるコンデンサがの容量というわけでもなさそう。

追記:

振動の原因はオペアンプのスルーレートらしい。コンパレータを使うと少し良くなるらしいが、この間欠的な動作はおなじなのかな。

 

EEVblogに類似の発信っぽい現象について説明あり。

EEVblog #490 - Peak Detector Circuit

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超音波ボルト軸力計

2020年11月18日 23時46分11秒 | その他雑記

会社で超音波ボルト軸力計を使って計測している人がいた。

軸力を付与していって測定出来ないと言っていた。200N, 400N, 600Nと軸力を増して行ってもボルトが伸びていかないというのだ。

そ ん な ば か な

超音波ボルト軸力計の仕様を見てみると時間分解能は10nsくらいとかいてあった。ボルトの全長は20mmと45mmでサイズはM8。

では、計算しましょう。

ボルトの断面積をS、長さをlとすると、バネ定数kは次のように計算出来ます。

k=E・S/l   次元解析:E[N/m^2] * S [m2] / l[m] = k[N/m]

具体的な数字を入れていきます。単位はMPa=N/mm2なので、長さをmmにします。

鉄のヤング率は200GPa = 200E3 [MPa = N/mm^2]

M8ボルトの有効径を7.6mmとすると、S=π3.8^2=45.36[mm^2]

k=E・S/l = 2E5 * 45.36 / L = 8.14E6/l

l=20mmのとき、k=4.07E5 [N/mm] = 407[N/um]
l=45mmのとき、k=1.81E5[N/mm] = 181[N/um]

 

鉄鋼の音速は5920m/sくらいらしいので、10nsで進む距離は5920[m/s]*10[ns] = 5920*1e-9*1e6[um]=5.92[um]

ボルトが6um伸びてようやく測定が可能なので、
l=20mmのボルトでは2.4kN ≒ 240kgfの荷重が必要。
l=45mmのぼるとでは1.07kN≒107kgfの荷重が必要。

 

話が戻ります。200N, 400N, 600Nでは変化が検出できないことは明らかです。

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EPMAピーク重複

2020年11月06日 00時26分54秒 | その他雑記

EPMAという装置がある。

波長分解能が高いので、MoとSなどEDSではピーク重複するような組み合わせの元素でも識別は簡単である。

しかし、分光結晶を使っているので、高次線というEDSには無い問題がある。

今日、あれれ、と思ったのは、Zn Laの2次線が酸素と重複するせいで、亜鉛の居る場所に酸素が居るように見えてしまった件である。

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骨髄ドナー提供

2020年11月01日 19時58分49秒 | その他雑記

初夏の頃合いに骨髄ドナー提供をしてきたので、その内容についてメモをしておく。
具体的な提供日は特定を避けるために控えるように言われているので、その点は内緒です。

提供したのは造血幹細胞というもので顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)の注射を行い、造血幹細胞を血中に溢れ出させて、それを成分献血の要領で回収してレシピエント(提供を受ける患者)に提供する方法。ドナーの負担は、注射と血中白血球分離(ざっと6時間くらい)であり、骨髄穿孔はない。

骨髄提供の半年前、骨髄ドナー登録をした。水泳の池江璃花子選手が白血病というニュースがあって白血病への関心が高まっていてからしばらく経った頃合い。骨髄ドナーへの関心は漠然とあったのだが、登録方法が不明だったので、そのままほったらかしだった。

骨髄ドナー登録は簡単で、献血のときに骨髄バンクへの登録も希望とすると、骨髄ドナー用の血液サンプルを採血のときに一緒に取るだけ。負担としては血液が余計に5ml程度だろう。

登録が終わったら登録しましたという書類が届いてあとはひたすら待つだけ。半年で候補に当たる人もいれば、10年後になる人もいるらしい。

そして、ドナー登録から約3ヶ月後にHLA(白血球の型)がマッチしたからよろしくというメッセージが携帯に届く。登録から3ヶ月はすごく早い段階らしい。このHLA合致の段階では、ドナー候補はまだ4人くらい居るらしいので、落選の可能性もある。提供にあたってはドナーの健康状態、体重などがいろいろ吟味されるようだ。血液検査されて、感染症も徹底的に調べる。

さて、競争率4倍の関門をくぐってついにドナーに当選することになった。家族の同意は取れたので提供に進むことになる。家族の同意はあとから家族が反対して取りやめになるといったことを避けるのが目的のようだ。

レシピエントは提供を受ける前1週間か2周間前くらいから抗がん剤を使って自分の造血幹細胞を消滅させる処置を受けるため、土壇場で提供を断るのは直ちにレシピエントの生命が危険なので、提供の意思を固めたら提供まで進むのがドナーの義務である。なので提供日が近づいた場合交通事故、怪我などにも十分に注意が必要である。

さて、健康診断などいろいろな説明が生じて、ドナーも入院となる。入院期間は1週間。造血幹細胞採取は月曜日にするのが通例らしく、その前の水曜日から入院する。

健康なのに入院というのは不思議な感じである。また個室に入院となるので結構ありがたいと入院時は思った。

入院するのは血液内科なので、周りの患者さんが何かというと、やはり白血病の人が多いように思った。そこにピンピンしたドナーがやってきて6人部屋にはできないな、と思った。

G-CSFの注射は「体が痛くなることがある」というようなことが書いてあったが、病院で看護師さんに聞いたら8割9割痛くなるらしい。注射の翌日には背中に違和感を生じ、その更に翌日からは鈍痛がずーっと続き、鎮痛剤が無いと寝られないくらいの状態だった。

なんとなくだが、この痛みは骨髄細胞がG-CSFで刺激を受けまくり、骨から造血幹細胞が出てくる時のものなのだろうか、なんて思っている。

通常時の白血球量は3300〜8600/uLという量なのだが、G-CSF注射を受けて提供の直前の検査時には30,000/uLと通常の10倍とかの量に増える。かなり増量するようだ。体重が10倍とか考えたらすごいよね。

造血幹細胞の提供は成分献血の要領で行うが、体外循環が確か15リットルなどと、自信が保有する血液量を超える循環を行う。成分献血とは違って、左右の腕に針を差し、片方から回収して片方から返却するという方式により循環量を確保する。それでも所要時間は4時間から6時間(血流量に依存)で実施。私の場合は15Lの血液を処理して160mlの白血球の多い領域を抽出。

提供後はG-CSFの注射はなくなり、鈍痛はあっという間に引いていく。夕方にはずいぶん引いて鎮痛剤なしに寝られるレベルではあるが起きているとちょっと痛いかなと思うくらい。

ドナーへの負担は実質的に注射による痛み(背中が痛い)くらいである。
仕事にあけた穴というか、そのへんは行政などが補助していて、一日あたり2万円(上限14万円)といった補助もあるので収入面は保障あり。

 

追記:提供から一年ほどたった頃だろうか。レシピエントの方から手紙が届いた。社会復帰してなんとかやっているらしい。大病患った人の人生に大きな良い影響をしたのかなと思うと感慨深いものである。お手紙の返事、仕事が忙しいのと何を書いたらいいのかわからずで書かずじまいでした。

提供から2年経過したが、ピンピンしている。今職場で席が隣になった同期入社の人がなんと過去に白血病で骨髄提供を妹から受けたとな。意外と白血病の人は多いのかもしれない。

思い出した面白いこと
・血液は採取してから検査まで時間を置くと血糖値が下がっていってしまうらしい。これは細胞が行きているから血液内の糖を消費してしまうためで、検査担当が忙しかったために再検査になりそうになった記憶あり。

コメント (2)
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