「ヤマイモ」などに含まれる成分が、アルツハイマー病の原因とされる、タンパク質を減少させるなどの効果があるとする研究結果を、富山大学のグループがまとめ、新たな治療の手がかりになると注目されています。
研究を行ったのは、富山大学和漢医薬学総合研究所の東田千尋准教授らのグループです。
グループでは、神経細胞を活性化する働きがあるさまざまな生薬を調べ、このうち、ヤマイモなどに豊富に含まれる「ジオスゲニン」を、アルツハイマー病の症状を出るようにしたマウス6匹に、1日に1回20日間、投与しました。
その結果、マウスの脳に蓄積されていた、アルツハイマー病の原因とされる「ベータアミロイド」というタンパク質が、平均で70%減少したほか、記憶や情報伝達をつかさどる、「軸索」と呼ばれる神経細胞の突起の形が正常に近い状態に戻り、記憶力の改善も確認できたということです。
東田准教授は「アルツハイマー病の治療の新たな手がかりになる」と、話しています。
アルツハイマー病に詳しい名古屋大学の永津俊治名誉教授は、「日常的に食べるヤマイモに含まれる成分が、アルツハイマー病の症状の改善に有効だという科学的データが得られたことは、たいへん興味深い。ヒトにも有効か、今後の研究に期待したい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120726/k10013880181000.html