た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

消失点

2022年08月08日 | うた

人は誰しも

 

  忘れ物をした地点がある

 

それは

 

  夕日に染まる川原の無数のとんぼだったり

 

  夏を過ごした奥座敷のにおいだったり

 

  返さないままになったあの人の言葉だったり

 

誰しも

 

  そこから歩んだ一本道を

 

  もうさかのぼることさえ不可能な

 

  そんな哀しい分岐点がある

 

だから人は

 

  ときに不意に涙を流し

 

  またときに

 

  そのぬくもりに救われるのだ

 

 

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