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た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

真実とは

2007年09月02日 | Weblog
 真実とは 何だ?

 つねに 私の四歩先を

 すり抜けていったもの

 
 もう 孤独の闇には目がなれた

 自嘲の笑いは 窓を叩く風程度にしか

 私の注意を惹かなくなった

 
 私は私の夢とそれに相反する人生に

 あまりに長くわずらわされてきたので

 もはや水をも欲しなくなった枯れ木のように


 それでも

 しかしそれでもなお私を襲う

 一滴のかわききった涙─────


 真実のそのひとかけらも

 手にしていないという絶望の涙は

 今夜は私を悩まさずにいてくれるだろうか?


 (いや、真実は、私がこの広い世界で一番のクズかもしれないという可能性に答えるものであるかも知れない。それならそれでいいのだ。私はずっと気軽に目を閉じることができるのだ。偉大なる、誉れ高き真実とは、その程度のものかも知れないのだ。しかし

 しかし真実ならば答えよ。そうだとするならば、私は何のためにこれほどまでお前をあくがれ求めてきたのか─────────────────────)
 
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大根の挿し木結局

2007年08月30日 | Weblog
半分切って植えた大根を、先日ついに抜いた。抜くに至った思い切りは、知人と庭でバーベキューをして酔った勢いによるところが大きい。

地上部は葉を生い茂らせ花を咲かせ種まで作った大根であったが、地下部は意外なまでに貧弱であった。泥鰌ひげのような側根が幾つか出ていただけである。ひょっとして再び大根を再生してくれるのではという望みはあえなく潰えた。半永久的に大根半分を庭から収穫するという夢も破れた。やはり大根はスーパーで仕入れるものであったのだ。
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退役軍人と

2007年07月29日 | Weblog
退役軍人は何すりゃいいんだい

マスター、ボウモア、シングル。

退役軍人は何すりゃいいんだい

マスター。

ピクルスの辛めのやつくれ。辛めのやつを。

辛めでないと142名の死を見取った

この舌が満足しないからな。

退役軍人

ひどい言葉だと思わないかマスター。


日は昇る前に落ちる

誰も次の日昇った日を

昨日落ちた日のお蔭とは思わないさ。

世の中は勝った者が過去を連続させるんだ。

マスター、ボウモア

シングルで。

退役軍人なんて

乙に澄ました名前は

62年前から糞くらえだったんだ。

糞くらえ。


わしは退役軍人だけにはなりたくなかったんだよ

マスター。


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邂逅

2007年07月22日 | Weblog
駄目じやないか

全然駄目じやないか

百年かたぶく枯れ木のように

静かな目的を食んで生きていこうと

それなのにあの夜 雨は煌き

以来ずつとどうしやうもなく

爛れるこの吐息は

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目のないだるまが

2007年01月11日 | Weblog
凍つた雪で作られた

目のないだるまが

月夜の晩に笑つています。

汚れた雪で作られた

目のないだるまが

明日明後日に溶けるまで

何を思い出しているのでせう。



道ゆく人はへし、とくさめしました。
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メリー!クリスマス

2006年12月24日 | Weblog
日ごろの感謝の念をこめて。

こんなページを静かに
応援してくださっている方々へ。
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秋の蝶

2006年09月17日 | Weblog
露天風呂で見た蝶は

雨に濡れても飛んでいました。

ひらひらしてても

必死なのでしょうか。
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無計画な死をめぐる冒険 27

2006年06月22日 | Weblog
 大仁田は要領の悪い家政婦である。首にしてやろうと思ったことが三度あった。最初そう思ったのは五、六分でやるように言いつけた本棚の整理に三十分かかったときであり、二度目はそれから一週間後に十二分で終わるはずだと前置きして命じた書斎の掃除機かけに一時間かかり、しかもノズルの部品を置き忘れて出て行ったときであり、三度目は私の大事にしていた舶来物のガラスの置物を落として割って、あまつさえその破片を自分で踏んで足の裏からの血で廊下を汚したときである。三度目のときに、お前はこの家を掃除しに来ているのか汚しに来ているのかこのヌケブスが、と怒鳴ってやったら、出目金のように目を泣き腫らしながら「ヌケブスってどういうことですか」と言い返してきた。間抜けているブスだからヌケブスなんだと丁寧に説明してやったら、部屋を出て行って美咲のところに訴えに行きやがった。

(ほんと小出しに続く)
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並び替え 

2006年03月01日 | Weblog
「無計画な死をめぐる冒険」(連載中)の1~15を、通読の便を考慮して並び替えました。
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私信

2006年01月16日 | Weblog
 親友と言ってもいい後輩であるS君が結婚することになった。 祝い!

 昔からいい事を言っている。
 「苦労は買ってでもしろ。結婚は耐えてでもしろ」。

 これを婚期を逃した気のする30過ぎの独身男からの痛切なるはなむけの言葉として、

 S君よ、心の奥底に仕舞え。
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