街

政策とかの問題じゃない。

とりあえず街に出ましょうと言いたいですね。

政治は政治家に任せときゃいいけど

街は住人が歩かんことにはどうにもならんのです。


～ある人の言葉４２

後回しにされた疑問

ある人は教育だと言って子どもの一挙手一投足を厳しく指導した。

ある人は教育だと言って子どもを完全に放置した。

ある人は多大なる教育を施したが子どもはその人の意に反する形で成長した。

ある人は愛を教育だと言った。

ある人は知識を教育だと言った。

草木から学ぶ教育もある。

失敗から学ぶ教育もある。

教育とはいったい何か。

何が教育なのか。

何を目的としているのか。よい教育というものはあるのか。

あるとすればどんなものか。

誰が、誰を教育しうるのか。

いまだにわからない。

わからないのに、《基本法》まで尾尻につけば

もう何が何だか


「先生、チョークを持ったまま考え込むのはやめて下さい」

chanceとしての運命について

運命は

声をかけなければ

消える。

， ・ ’～案山子（かかし）～・ ； ’

　　　案山子


　私は不自然でございます。
　下手な生き物よりも生き物らしく
　毅然として日を見送るのでございますが
　如何せん私には友が無く
　友を探しに出かける脚もございません。

　私は不自然でございます。
　「下手な」はこれわが毒舌で
　つまりは当てこすりでございますが
　如何せん誰にも相手にされず
　両腕ははい、顔を覆うことすらできません。

　私は不自然でございます。
　それでも恋をしたこともございます。
　相手は農家の末娘
　紫と白の詰草を十摘んで
　襟元にそっと差し込んでくれました。
　
　それから麦わら帽子を直し
　私を「さん」づけで呼びました。
　ああ、渾身の力で動けたなら！
　如何せん私には声も無く
　無愛想に山を見つめておりました。

　近年ますます不自然に
　かしぎながら生きております。
　まだもうしばらく案山子でおります。
　私の色褪せた胸元に
　朽ち果てたあの詰草が一欠けら。
　

ある人の言葉（４１） Lost it.

・・・私たちの世代をロスト・ジェネレーションと言うそうよ。いい迷惑だわ。たしかにロストジェネレーションね。もう一杯いくまえにお水をくれる？

・・・は、は。結局水が一番好きなのよあたし。笑えるよね。笑ってよ。ロスト・ジェネレーションなんだから。

・・・みんなみんなみーんな。つまりさだーれもわかってなかったんだから。同じものお願い。マスター、ルック・アット・ミーマスター。水じゃないわよ。水より少し濃いめのやつ。

・・・先輩、次いかないんですか。先輩。いいじゃない先輩で。うるさい。同世代なんでしょ、どうせあんた？　同世代だったら先輩。先輩にしといて。結構うざいのよ、同年代とか同輩ってやつ。ごめんなさい。ごめんなさい。こら。煙草は灰皿の上で灰を落とす。こら。マスター、この人にあたしとおんなじやつお願い。

・・・ごめんなさいね。勝手に酒勧めたり先輩にしたり。ロスト・先輩よ。ロスト・先達。あんた古典やってた？　ごめんなさいね。あたし古典だけは苦手だったけど好きだったの。高校のころ。センダチハアラマホシキナリケリ。なんかだいぶ違うな。でもロスト何とかっていい加減なこと言うなって感じ。ごめんね、ほんと。あたしにも煙草くれる？

ある人の言葉（４０）

To be a teacher is to be the best student.

Yeah, of course vice versa.

陽だまりながめる径（みち）

この径は自意識である。

私の

どこへいくでもないときの

この径はソノムカシである。

私の

だれがくるでもないときの

この径は

私ひとりが

いっとき止まって

陽だまりながめる径である。

元日とは何の関係もありませんが。

あのころ齧っていた

チーズはおそらく学問という

味がした。とふと思う。

光るグラスを傾け

何か足らない。

今はワインがあっても

チーズが無い。あの頃

チーズがあっても

ワインに飢（かつ）えていたように。

過ぎたるも及ばざるも

不足か過剰か
世のある悩みのほとんどは
結局
そのどちらかに帰着する。

不足か過剰か
世にどちらかしかないのなら
問題は
そのどちらで悩むかである。

D.D.

ドリップワースは眠らない。

ドリップドラップるりかけす。

ドリップワースは笑わない。

ドリップドラップたかのつめ。

ドリップワースはおしゃべりしたら

ドリップドラップ宙返り。

ドリップドラップ

ドリドラノップでさようなら。