goo blog サービス終了のお知らせ 

おジャ魔女どれみと徒然

おジャ魔女のこと、

日常のこと、

いろいろ。

ノマドランドについて、その放浪の人

2021-04-19 03:01:00 | ヒューマン

 一日の王さんのブログを(ry

 まぁ、この作品は見んとしゃーないでしょう。
 アカデミー賞筆頭。もう既に金獅子賞は取ってますから。

 原作はジェシカブルーダーさんって人のノンフィクション本。

 その本を読んで惚れ込んだフランシスマクドーマンドさんがプロデューサーと主演を兼ね製作に至ったんだと。


 ストーリーは、2008年、

 リーマンショックの煽りを受け倒産した石膏会社。
 その従業員が多く住む企業城下町エンパイア。

 倒産ともにエンパイアの住人は立ち退きを命ぜられ、ついには町の郵便番号も抹消される。

 町に住んでいた中年の女性・ファーンは立ち退きの後、どこかへ移住するのを良しとせず、自分の家を持たない車上生活。

 各地の季節労働や日雇いを巡る放浪の人・ノマドとしての生き方を選択する。
 その一年間を追ったロードムービー。


 といった作品になっております。注目作なだけあってやはり面白かったですね。

 これがアメリカの実情であったり全てだったりって訳じゃないんでしょうけど、その一端を描いたという点で優れた傑作。

 正直そんな共感を呼ぶような作品ではない。
 でも、これぐらい特徴的な方が見応えがあります。

 映画全体に流れる雰囲気がとにかく良い。
 実際のノマド生活者の人達も出演してるとか。言われるまで全然気付かんかったw

 素人とは思えない。てか、演技が上手いとかそういう次元じゃない。
 マクドーマンドさんも大女優とはいえ、この溶け込み様……。

 映画の小道具にマクドーマンドさんの私物が使われていたり、
 それぞれのエピソードも本人やノマドから話を聞いて脚本を作ったみたいですから。

 世界観に一切の違和感がないという。没入感と称される所以ですか。
 物語とドキュメンタリーの完全な融合。まさに奇跡の映画。

 叙情的かつノスタルジー。

 人の寂しさや悲しみを通して、切ないからこそ、
 人の暖かさが画面を通して伝わってくる。なんか映画見てて初めて味わう感覚でした。

 社会問題を描いてるんだけど、リアリティよりは感性に訴えかけてくる。
 どこへ行くか目的のある『旅』ではなく、『放浪』を描いてるからこその映画なんでしょうね。

 人間ですから死があり病気があり、車にも寿命がある。
 いつかは終わりが来る。いや、終わりとも言えない何かの区切りが。

 デビットのように家族の元へ戻る人もいればスワンキーのように放浪の果てに亡くなる人もいる。

 ファーンもいずれは何かを選ばなきゃいけない。
 目を逸らしてるわけじゃないんだけど、夫の面影で追うためであったり、放浪を止めれない。衝動とも言えない何か。切り離せない何か。

 肯定や共感は全面的にはできないんですけど、それでも胸を突き刺される感覚。
 今誰しもが持つ疑問に通じてる部分があるんでしょうね。

 てか、アメリカってつくづく良い国だな。多様な生き方を尊重してくれる土壌がある。

 無論、差別や貧富の差など他の問題があり、ノマドはアメリカの雇用形態の変化が生んだ産物でもある。

 誰しもがノマドという生き方を選べるわけではないし覚悟も必要。
 本人達は必死に生きてるだけで。それでも羨ましいと感じた。

 ただ、まあ、平和時なら普通に楽しめる映画なんでしょうが、
 このコロナ禍で別の意味も孕んできたような。

 本当に笑い事じゃ済まされない時代になってきた。

 今やアメリカの失業者は一時5000万人を越え、
 ラスベガスでは25万人が家賃払えなくて立ち退きの危機に瀕してると。

 続報がなくてその後どうなったか分からないんだけど、
 劇中のエンパイアみたく町一つ消えるなんてことも現実味を帯びてきた。

 そもそもアメリカのコロナ禍はテント村という。
 アメリカの貧富の差は極限に達していて日本の派遣村みたいな、ホームレスの居住地が各地で出来とんだと。

 そこでの集団感染が始まり。
 テントで暮らしてるくらいだから病院行く金もない。気付いた時には爆発的に広がってしまった。

 ノマドになれない、放浪すらできない人間も世の中にはいる。
 そのノマドすら、ロックダウン下で州間の移動はできないだろうし。生活も頓挫するだろう。

 多様性を受け入れる土壌も今や変質してきている。

 やっぱこれからは人間が想像だにしない時代へ突入するんかね。
 この映画見た後だとより一層そう感じる。何かしらのメッセージというか皮肉にすら。

 こんな時、ファーンはどこにいるんだろうか?
 今もエンパイアの町に佇んでいるのか。デビットのように家族と一緒に暮らしているのか。

 今、それが知りたい。

 パンデミック下の大阪では3000店舗の飲食店が閉店したという。
 その人達は店を閉めた後、どこへ向かったんだろう。

 知りたい。

 では、また。




罪と女王について、そのDronningen

2021-03-07 04:41:00 | ヒューマン

 弁護士であるアンネは医者である夫ピーター、双子の娘と幸せな家庭を築いていた。

 そんなある日、

 夫と前妻との子・グスタフがスウェーデンの学校を退学したという連絡が入る。
 アンネとピーターは相談の末、グスタフを引き取ることになるのだが……



 気持ち悪い映画やで〜。新種のホラー映画か?
 おぞましいのはテメエだ! このクソアマ~!!

 人間の業や女性のサガであったり。
 こういう時、男は弱いですな。もう何がなにやら……

 女性や子供を守る立場にいる人間。弁護士という職務。母親という役割。
 それがある時、牙を向く。人間は理性がある分、獣より罪深いかもせん。凄まじい余韻。

 夫や上司から「言うことを聞いてくれ」「過ちを認められないか」と窘められる。
 自宅に依頼人を招いて話を聞くほど仕事熱心。そういう真面目さ、自分の意志を曲げない性格。

 人間の反面や反発。自業自得なのかもしれないが。
 この罪を何と呼べばいいのか。誰がどう裁けば……?

 てか、ふと思うんですが、フェミはこの映画をどういう風に見るんですかね?
 男が騙されてザマーミロと思うのか、女性差別と捉えるのか、それとも無視か。

 この前のお母さん食堂みたいな下らないことばかりに文句つけてる印象。

 主張を見てると、女性であることを恨んでるのか、
 それとも女性であることに固執してるのか、よく分かんない連中ですよねw

 もしかしたら正論もあるのかもしんないが。

 でも、不平の訴えというより、感情を押し付けてるようにしか見えないだよな。
 弱者というレッテルを利用してるようにしか。

 今は弱者が幅を効かす時代ですから。特別扱いが当たり前だと思ってる。

 まあ、結局ネトウヨみたいなんと一緒なんでしょう。
 ネトウヨも低所得者だのが人生の不満を世間へぶつけてるだけって言われてますがフェミもまさにそう。

 異性にモテるパリピだのリア充だの、仕事をしっかりしてたり、
 結婚して子供がいて家庭がある人は文句グチグチ言わないでしょ。

 今は愛ちゃんの不倫が話題になってますが。

 これもどう反応すんすかね?
  台湾には姦通罪あるから逮捕されるかもだし、夫から訴えられる可能性だってある。

 モラハラやDVがあったとかいうけど、それなら子供連れて逃げれば良かったのに。
 姑の文句もグチグチ言うとったらしいし、それで先に不倫したらオシマイよ。

 これこそフェミにはちゃんと見解を、何より気概を示してほしい。
 女性はどうあるべきか、ということを。

 かと言って日本だけじゃなく海外でも。

 最近だとAmazonのロゴがヒトラーに似てるから即変更したってニュース見ると本当に異常な世の中になってきたなと思うわ。

 そんな中、こういう「罪と女王」みたいな映画が出てくるのはすごく貴重なことだと思う。

 女性だって悪い奴はいるし犯罪もするし。
 男性だから、女性だから、だからこそ、その間にあるものを真に描かなきゃならない。

 「個人の問題」という、とっても便利な言葉があるけど。
 別にこの言葉で性別が消え去るわけじゃないからね。そんな魔法の言葉があるわけないw

 現に男と女という生物がこの世にいるわけで。
 男性として、女性として、という違いを今の時代だからこそ描かなきゃいけないんじゃないか。

 これを見る前に三島有紀子監督の「Red」を見ました。
 三島監督大好きなんだけど「罪と女王見ましたか?」って言ってやりたい気分w

 イジワルな言い方だが、この映画見た後だと浅はかだよね。
 表面的な部分ばかり。こういうナイーブなとこは日本人だと突けないんかな?

 まずもって覚悟が足りない。
 夏帆は乳首まで出せよw

 少なくとも今の日本は「女性性」、もっと言えば「人間性」という部分で発展途上になりつつあるのかもな。

 この作品に通ずるか越えるか、人を圧倒するような作品を、ぜひ日本の女性監督に撮ってほしい。

 では、また。




象は静かに座っているについて、その満州里の動物園

2021-01-08 05:55:00 | ヒューマン

 4時間映画w

 さすが中国というか壮大な作品が登場しました。

 監督のフーボーさんは自殺されたそうで。
 何でもプロデューサーとの衝突が原因とか。

 4時間は長すぎ、2時間半くらいに編集しようって話になったらしいんだが監督はそれが嫌で嫌で仕方なかったんと。

 監督の身を挺した抵抗があって、
 こうして4時間フルでのリリースが決まったんだそうな。

 凄まじいエピソード。
 まぁ、見てると実際短くできたとは思うけど。

 2時間半はともかく3時間くらいしたらもっと見やすくできたんじゃないかなとは。
 でも、どうしても譲れなかったんやろうな。そういうこだわりみたいなんも十分伝わってくる。

 役者の後ろや周りをウロウロヌメヌメと。
 これが真の長回しか!!w

 あながちこの長尺も無意味じゃないのがな。
 登場人物4人の1日を追う上では非常に画期的な演出だと思う。

 長いんだけど目が離せない。早送りするような隙もない。
 徐々に物語に引き込まれていく。

 貧困や格差。隣の芝は青いけど、結局どこも変わらない。
 この世の生き辛さや現実。後ろめたさや身勝手さ。希望や救い。

 あーでもないこーでもない空想。それでもすがらざるをえない。
 監督の心の叫びが映画の中で常にこだましている。

 まさに今年一発目の映画に相応しい。
 2021年は静かな絶望からスタート。

 では、また。




それでも夜は明けるについて、その11年8ヶ月26日

2020-12-13 20:40:00 | ヒューマン

 1841年、ニューヨーク州サラトガ。

 自由黒人の身分でありバイオリン奏者のソロモンノーサップはサーカスの芸人と名乗る二人組から、巡業に加わらないかと仕事を依頼される。

 快く引き受けたソロモンは公演があるというワシントンDCへ旅立つのだが……。
 ふと目が覚めるとそこは冷たい牢屋の中だった──。



 2014年アカデミー賞受賞。
 実在のソロモンノーサップという方の実話。

 ニューヨークとワシントンって近いのに、奴隷制賛成反対の違いがあったんやな。

 こんなんじゃロクに移動も出来んな。てか、アメリカの首都なのにね。
 当時はアメリカ有数の奴隷市場があった場所で、その近辺じゃ黒人の誘拐が公然と行われてたんと。

 にしても、ソロモンさんも迂闊よな。
 それだけニューヨークの生活が穏やかだったんか知らんが。

 ちょっと営業行こう思ったらニューオリンズまで連れ去られる。
 地図で確認したらめちゃくちゃ遠いw

 よく迎えに来れたよな。奇跡が起きた。

 32才から12年の奴隷生活。
 現代でも行方不明レベル。見つけるのも至難の技やったろ。

 つくづく今の時代に生まれて良かったわ。ブラック企業とか社蓄がかわいいくらい。
 今の日本人には選択肢がある。少なくとも拷問を受けることはないわけだし。

 でも、この映画みてたらいまだに人種差別が終わらないのも分かる気がする。黒人の恨みが絶えないのも。
 黒人と白人は争い合う宿命なんやろ。180年の時が経とうとしてる今ようやっとってとこか。

 トランプとバイデンが争って国がほぼ二分した。
 その戦いも今や泥沼化してるこの状況。第二次南北戦争と言われるだけのことはあるな。

 これで何が変わるのか分からんし混沌とするだけなのかもしれんが、
 世の中はこうやって移ろい行くのかなぁと。

 日本だって人種差別を意識させるニュースが最近多いからね。
 同じ人間とはいえ、そんなものは詭弁だと証明してるのも人類の歴史なわけで。

 ちなみにソロモンさんはその後、消息不明という。

 映画の原作になる本を出版、活動家として各地を歩いて1857年にカナダで講演したのを最後に居場所が分からないんだと。

 南北戦争直前か。
 日本も戊辰戦争直前に坂本竜馬が暗殺されてるもんね。激動の時代やから。

 もし生きてたら世界はもっと良くなってたんかね?
 まぁ、死んだとは限らんけど。家族と仲良く暮らして歴史からひっそり姿を消しただけかも。

 そうだとええな。

 では、また。




真実について、そのヴァンセンヌの森

2020-09-05 19:26:00 | ヒューマン

 是枝監督最新作。日仏合作映画。

 正直、万引き家族より好きかもしんないw 面白いかった~。 
 なんか全く違和感ないよね。溶け込んでるというか、日本人が撮ってるとは思えない。

 さすがは国際的に活躍してるだけはあるよなあ。
 これくらいの芸当はなんてことないんやろうね。

 なんか主演女優のおばちゃんがかなりのワガママだったらしいが、
 そのまま素の感じでわざとらしくないというか、かなり自然よね。

 なかなか日本の役者のように指示とはいかんかったやろうが、
 返ってそれが功を奏する形になった。

 話がスムーズで無理がない。自然の流れを意識したような作品。
 ちょっと淡白すぎて引っ掛かりがない気がするが、それが是枝監督なんですよw

 では、また。