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おジャ魔女どれみと徒然

おジャ魔女のこと、

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からくりサーカスについて、その二つの別れ道

2025-05-24 11:58:00 | 漫画

 『うしおととら』でお馴染み、藤田和日郎氏。
 1997〜2006年まで少年サンデーにて連載。発行部数1500万部突破。

 2018年にはアニメ化も果たした人気漫画。
 ずっと積ん読してたんですが、やっと見た。

 てか、積ん読しすぎて何で買ったのか。
 何で読みたかったのか目的はサッパリ忘れちゃいましたがw

 多分、単純に最後まで読みたかったからなんだろうけど。
 子供の時、立ち読みながら読んだは読んでたんすよね。

 ただ、俺が読み始めたのは後半の黒賀村編からで。
 正直、話の流れはよう分からんw でも、面白かったんだよね。

 子供の時の記憶、思い出を完結させる為。今回、全巻読みました。


 ストーリーは……正直、全部読んだけど、結局よく分からんw
 よく分からんというか、説明がすごい難しい作品。

 藤田先生は漫画家人生の中で、からくりサーカスを連載していた9年間が一番シンドかったと述懐されてたそうで。

 その苦しみが如実に表れてる気がする。作品を通して伝わってきます。
 
 大富豪の遺産を継いだ御曹司の少年、才賀勝。
 ゾナハ病という奇病に冒された拳法家の青年、加藤鳴海。
 勝の守護を使命とする人形繰りの不死人、しろがね。

 この3人を軸に、世界中にゾナハ病を撒き散らし、人間の生き血を啜る自動人形との戦い。
 そして、その戦いの裏に隠された過去の因縁。因縁は現在へ、人類存亡を賭けた死闘へと繋がっていく、というお話。
 
 まぁ、簡単に言ったらジョジョみたいな話なんすかね?
 吸血鬼と波紋使いの戦い。ジョナサンジョセフ承太郎と意志や因縁が受け継がれていくように。

 からくりサーカスという作品も、ゾナハ病や自動人形の出自。いつ生まれ誰が作ったのか
 200年前の中国、人形繰りの兄弟。才賀家の秘密。フランシーヌとエレオノールと。

 時代や国を超えて紡がれる、人間の因縁と戦いの物語です。

 それで結局、この漫画って面白いの?どうなの?と聞かれると……
 この作品、感想を言うのも難しいw なんて言えば良いんだろうな〜?
 
 面白いは面白い作品です。だけど、ホント話が複雑でね。

 例えるなら、定食屋に行ってカツ丼を注文したと。
 旨い旨いと食ってたら、途中からカレーを丼にかけられ。

 次は麻婆豆腐、次はナポリタン、次はハンバーグみたいな。
 面白い話や熱い展開がどんどん被さって、そりゃ旨い物に旨い物を被せてるから美味しいのは確かなんだけど。

 結局、じゃあこれ何の料理?って、完食した後に聞かれたら、それは分からないという。なんかそんな感じw

 初っ端からかなり唐突だったしな。勝の遺産争奪編。
 鳴海って、こんな行き当たりばったり、行きずりで戦ってたのかw

 腕もこんな序盤で失くしてたとは。後半の展開しか知らないし、読み始めはビックリしました。
 ちょっと唐突なスタートだったから、困惑もしましたが。

 でも、鳴海のセリフがいちいちカッコよくて熱いんすよね。そこで心惹かれる。
 フラーヴィオ戦やマネキン編もカッコ良いしさ。とにかく熱いキャラでホント好きになる。

 勝✕エノオノールのおねショタもかわいいしねw
 話もキャラも、少年漫画らしい熱さとエロさを兼ね備えてて、そこに不満はない。

 文句があるとしたら後半すかね。
 後半は俺もリアルタイムで読んでて思い出深いシーンが沢山ありますが。

 てか、黒賀村編って……不評だったってホント?w

 まずそれ知ってビックリしました。藤田先生宛のファンレターですら、直で苦情を書かれたり。
 読者の中では黒歴史と言われるくらいの不人気回なんだとか。

 マジか。俺、めちゃめちゃ好きなんだけど黒賀村w

 からくりサーカスは鳴海勝エレオノールの3人が主役で、
 代る代るそれぞれの活躍が描かれるんですが、黒賀村は勝サイドのお話。

 弱々しい御曹司だった勝は仲町サーカス団で居場所を見つけ、逞しく成長。
 一方、鳴海は不死人『しろがね』としてフランス中国サハラなど世界を駆け回り戦い続ける。
 
 戦いの最中。徐々に明かされる秘密。

 人形繰の兄弟が生み出した錬金術の秘宝《生命の水》。
 その兄弟を引き裂くことになった、1人の女性との悲恋。
 悲恋から始まる惨劇。自動人形としろがねの血塗られた戦いの幕開け。

 そして、自分の出生に疑問を持った勝。
 そこで暴かれる才賀家の因縁。もう一つの悲劇。

 真実を前に、勝は己の使命を見出し、全ての元凶・フェイスレスとのゲーム、エレオノールを賭けた決闘に挑む。

 と言った流れで、勝は仲町サーカスやエレオノールと分かれ、1人で自動人形と戦う。
 黒賀村で暮らすことになり、阿紫花家という家族に預けられ親睦を深めていく。

 特にそこで登場する阿紫花三姉妹が邪魔くさいって言われてるやって。
 そうか? 三姉妹はもっと活躍する所見たかったくらいなんだけど。

 三姉妹それぞれのエピソードを通して、決闘や勝の成長が描かれる。
 ちょっとしたラブコメでもあります。その展開が俺はもう大好きなんですw

 三姉妹全員かわいいからな。この漫画、おねショタが徹底しててとにかくエロい。
 俺としてはリーゼと合わせてハーレムでも良かったのに!w

 漫画全体の話にしても、勝の自立を描いたり、修行回として必要性も十分感じるし。
 個人的にはシルベストリっていう、自動人形の中で一番好きなキャラが出てて、やっぱり黒賀村は嫌いにはなれないな。

 黒賀村を酷く言うなら、最終章であるデウスエクスマキナ編の方がもっと酷く感じるしw

 フェイスレスとのゲームに勝ち、一時ながら幸せな日々を送る勝に、破滅のラッパが鳴り響く。
 全世界に対するゾナハ病一斉感染。人類存亡の危機に、鳴海勝エノオノールと仲町サーカス団が立ち向かう。

 堂々の完結で、つまんないってわけじゃないけど。
 一気に話を畳みにきたなっていう、端折りや巻き展開でもある。

 まず残念なんが、ゾナハ病の免疫設定。後付けだしあやふやだよな〜。
 しろがねの血を飲んだら大丈夫とか、1年間一緒に過ごしてた仲町サーカス団は無事とか。

 別にあやふやなんは良いんだけど、それだったら、黒賀村の人達も無事で良かったんじゃないの?
 それで三姉妹や平馬や五郎達が勝と共闘するとか、そんな展開が欲しかった。

 活躍の場を奪われるんが、黒賀村編が好きだった分、ショックだったな。

 まぁ、終盤のキャラだし割を食うのはしゃーないにしても、
 ミンシアやジョージとか既存キャラも、よくよく考えたら意外に活躍少なかったりせん?w

 ジョージはシュナージ戦が熱い展開で、優遇されてる方だとは思うけど。
 名場面な分、もっと事前に登場してても良かった、活躍してほしかったとも思った。

 リーゼもドクトルラーオ戦で動物人形を使役する戦い方が面白くてね。
 動物人形が精巧に作られてるからこそ、猛獣使いに操られてしまう。敵の攻撃を逆手に取るみたいな。

 これももっと早い段階でやってくれたら、リーゼがバトル要員として活躍できる場が沢山できたのに。
 勝と共闘したりヒロインとしての立場も確立できたのにって。

 なんか、終わりをちゃんと全うしたの、英良ぐらいじゃない?

 ところどころ出てくる設定が勿体なく感じたな。
 9年の長期連載だけど、実は9年じゃ全然足りないくらいの規模が、話の下地や風呂敷としてはあったんじゃないかと読んでて思いましたかね。

 今なお30年続いてるジョジョとまで行かなくても、9年は短すぎたんじゃ?w

 風呂敷は確かに広かったけど、包むべき中身は、意外に小さいんじゃないか。そこは読んでて残念やったな。
 まぁ、全部のキャラを拾うのは無理だし、仕方ないのも分かるんだけどね。

 それに何だかんだと話はちゃんと纏めてるし。

 それぞれが戦いに向かい散っていく。
 最終決戦、フィナーレへ突き進んで行く展開は感動しました。

 最後の最後、勝vsフェイスレスがゾナハ病の治し方教える教えない問答になって、そこはグダってたけどw

 ゾナハ病の治し方はハリーだったり、機械や薬が完成したって展開で、あっさり終わらせた方が良かったと思う。
 天才錬金術師vs人類の叡智みたいな、そういうシンプルな構図にしてほしかった。

 そんで、ラスボスのフェイスレスを倒してスパッと終わり。
 なんかフェイスレスのたまたまの気まぐれで人類が救われた印象。

 こいつがここで改心するの、イマイチ納得は出来なかったな。
 まぁ、宇宙ステーションでの戦いで、スケールの大きさに圧倒されるのはあれど。

 兄と弟。作品の根幹である愛憎の関係性。
 最後にフェイスレスが兄としての一役を皮肉ながら演じる。

 リングの終演が運命として巡ってくる。
 白金、ディーン、貞義、フェイスレスと次々と役を変え続けた男を、兄という一役を演じさせるまで追い詰めた。

 勝の意地の勝利ってことなんかね?
 今だったら、ちょっとは分かるような気がする。

 でも、ホント風呂敷の広さに助けられてるというか、読者ごと丸ごと作品に包まれて取り込まれてる感じ。

 からくりサーカスという興業は、観客も演出演目の1つ。
 この漫画を読むことはリングへ上がるということで、読者は読者という1つの役を演じさせられてる。

 つまり、そういうことだったのか!?
 多分、違うと思いますw

 藤田先生が苦しんで難産の末に生まれた作品というのも、読んでいく内に理解や共感できるので。
 それも相まってか、ホント読み終わった後に独特な心地良さがあります。

 子供の時の思い出を回収して昇華もできたし。
 良い経験をさせてもらいました。

 では、また。



背すじをピン!とについて、その鹿高ダンス部

2025-03-09 14:47:00 | 漫画

 横田卓馬氏によるジャンプ漫画。
 2015年から2017年まで連載。全10巻。

 知名度こそ低いですが、知る人ぞ知る名作。
 俺は何年か前に買って読んで面白くて。それからずっと本棚に置いてたんですが。

 今回、本棚を整理する為に、ちょっと惜しいけど、手放そうかなと。
 それで最後に改めて一回読んでみたんすね。

 やっぱり面白いなぁ、せすピン。

 捨てるの止めたw
 危ない危ない、これは捨てられない!

 もう1巻読んだ時点で、昔、一番最初に読んだ時の感動が蘇りまして。
 改めて読んでも感動が薄れてなかったな。脳に刻まれとるわい。

 少なくともこの感動が薄れるまで、せすピンは残します。
 本当に面白い作品です。まだ読んでない人はぜひオススメ。

 ストーリー、というよりテーマは競技ダンスというスポーツ。
 男女で組む社交ダンスを競技化した種目で、フィギュアみたいに芸術点を競い大会での優勝を争う。

 競技ダンスに熱中する高校生達のお話。

 主人公の土屋・亘理のコンビがダンス部へ入り夏の全国大会まで。
 全10巻で話自体は短いんですが、中身は詰まってて見応えがあります。

 それにスポーツ漫画には珍しい展開の作品でもあると思う。そこも見所です。

 似たような作品やとアイシールドとか、はじめの一歩とか。
 ひ弱で地味な主人公が成長して活躍する、よくある話ではあれど。

 今作の主人公・つちわたコンビはそない成長も活躍もしないというw

 10巻の内、6〜10巻が最終章の全国大会編なんすが、
 7巻でつちわたは2回戦落ち。もうそこで主人公の戦い終わっちゃうんすね。

 普通の漫画なら、競技始めて数カ月の主人公が全国の猛者と渡り合って〜とか、
 展開的にありそうですけど、今作にはそういうのなし!

 けっこうシビアというか、天才や才能や努力の線引がしっかりしてる。
 元々ダンスの才能を持ってる人や子供の頃から十何年努力してる人には敵わないよという。

 まぁ、漫画としては現実的すぎて、あんま盛り上がらないってのは、そりゃもちろんなんすが。
 でも、単に現実的なだけじゃなく、競技ダンスに対する敬意があってこその作品やと思う。

 主人公はつちわたというより、競技ダンスというスポーツ。
 そのスポーツに熱中する高校生全員の青春ってこと。

 それを無理なく矛盾なく、セキララありのまま描いてる。

 主人公がバチボコに勝ち上がっていくような興奮やカタルシスは今作では得られないし、
 主人公がバリバリ活躍する系が読みたい人には微妙な内容かもだが。

 ダンスを通して自分自身を変えていく。
 あるいは、ただだだダンスが好きだということ。

 内面での成長や情熱とか。自分の中にあるゴールを直向きに目指していく。
 弱いこと結果が伴わないことに卑屈になるんじゃなく別の強さに置き換えてるのが良い。それが見てて清々しい。

 つちわたは恐らく先輩達のようにプロにはなれなくて。
 そういうの想像するとちょっと寂しいんだけど。

 でも、ダンスはずっと続けていくんだろうなと。
 そう考えると、何だか寂しさの中にも暖かさがあるような気がする。
 
 次読み返すのはいつか分からない。
 でも、この気持ちをまた味わいたい。

 では、また。



栄光のナポレオンについて、そのエロイカ

2025-01-27 13:58:00 | 漫画

 やれやれ、やっと家のWiFiからgooブログ繋がったわい。
 この前の記事が運営へ届いたのとか?w たまには不平不満も言ってみるもんだな。

 とはいえ不便は不便だったが、この期間で色々気付きみたいなんはあったかなとは。
 今まで漫然とブログを読んだり書いたりしてたけど、それが自分にとって大事だと思い返せました。

 一段落一安心だけど。でも、避難用というかもう1つブログ持つのもありっちゃありだなとも改めて感じます。
 何書くかは知らんw まぁ、追々ですかね。



 ということで、今年初の漫画レビュー。
 池田理代子氏の『ベルサイユのばら』続編。稀代の英雄を描いた歴史超大作。

 ベルバラが1973年に連載が完結し、それから12年。
 現地取材など、池田氏はフランス史を研究し満を持して、1986年に婦人公論から連載スタート。

 ストーリーは、1789年。フランス革命が勃発。バスティーユ襲撃の最中。
 衛兵隊隊長、ベルバラの主人公たるオスカルが凶弾に倒れる。

 そして、オスカルが忠誠を尽くして仕えた王妃マリーアントワネット。1793年に断頭台の露に消える。
 続いて1794年にフランス革命の主導者・ロベスピエールが捕らえられ処刑。

 革命に関わる人々が次々と世を去り1795年。
 ついに革命に憂い疲れたパリ市民が暴動を起こす。ヴァンデミエールの反乱。

 悪徳の士・バラス総裁率いるフランス政府は右往左往。
 そこでバラスはある1人の男を政府へ呼び寄せる。後に、欧州を揺るがす英雄・ナポレオン。

 天下を覆う大鷲が翼を拡げ飛び立つ。
 その一夜から、物語は始まる。

 前作のベルバラは絢爛なブルボン朝、人々をウットリさせるような物語だったけど。
 今作のナポレオンはガチ戦史。前作とは作風が一変。

 キングダムとか三国志が好きなら、めちゃめちゃ興奮すると思う。
 全12巻で読みやすく、フランス革命・ナポレオン戦争を知る上で資料や教材にもなってる。

 ただ、全体的にあっさりな感じではあるんかな?
 ベルバラみたいな、漫画としての読み応えはあんまなかった。

 前作キャラのアランやオリキャラのカトリーヌとか、物語にもうちょい絡むのかなと思ったら途中退場したり。
 途中から方針が変わったんかね? ナポレオンの人生を描くことに重点を置かれてて、ベルバラの流れをそこまで汲んではないんかな。

 でも、拍子抜けってだけで悪いとこではないで。あっさり読めるのは良いことだし、別個の歴史作品として楽しめます。
 それにこれはマーガレットから婦人公論へ移籍したから、作風の変化なんでしょう。大人向けです。

 それと、あっさりとした読み口ながら、しっかりとしたメッセージ性もあります。
 特に7巻。アランの言葉が胸に染みます。「歴史の段階」。

 王政を悪とし革命で打倒したけど、元はと言えばその王政があったからこその革命だった。
 ブルボン朝は戦争を繰り返して財政を圧迫したものの、そのおかげでフランスは欧州の強国として確立し文化が醸成され、国民の意識が向上し革命の精神に繋がった、と。

 全てがそういう歴史の積み重ねだと。1つ1つ、その階を登っていくしかない。階を飛ばして真の共和国は得られない。
 ナポレオンという1人の英雄が作る時代も、その段階の1つなんだ、と。

 アランって漫画だとヤンチャなキャラなんですけど、すげー冷静なこと言うよねw
 未来を読んでたんじゃないかってくらい、今の日本にも当てはまる言葉やと思う。

 戦後80年、平和を保ってきた日本やけど、今やその平和も揺らいでいます。
 自民打倒を声高に叫ぶ奴が多いが、その戦後80年の平和を率いてきたのも自民党だ。

 とはいえ、石破政権の見るに耐えん悪政や頼りない野党を見るに、アランの言っていた歴史の段階を感じさせる。
 果たして日本はどういう段階へ進むのか、そもそも次の段階というのがあるのかないのか。

 ベルバラみたいな少女漫画としての読む面白さみたいのはないですが。
 このナポレオンは少女漫画から1つ段階を登り、万人へ向けたメッセージになってるんだと思います。

 圧巻の作品でした。やはり池田理代子先生すごいっす。
 てか、最近気付いたんですがベルバラ復活したんすね。

 新アニメが劇場版で31日に公開。
 ジークアクスか室町無頼を見に行こうかな思って、たまたま映画館のサイト見てたら公開予定を知った。

 なんか運命を感じますねw 本当に偶然なだけなんすが。
 ぜひベルバラだけじゃなく、ナポレオンのアニメ化まで見たいね。そう切に願いつつ。

 見たい映画が3本。どれ見ようか悩むな〜w
 では、また。