『うしおととら』でお馴染み、藤田和日郎氏。
1997〜2006年まで少年サンデーにて連載。発行部数1500万部突破。
2018年にはアニメ化も果たした人気漫画。
ずっと積ん読してたんですが、やっと見た。
てか、積ん読しすぎて何で買ったのか。
何で読みたかったのか目的はサッパリ忘れちゃいましたがw
多分、単純に最後まで読みたかったからなんだろうけど。
子供の時、立ち読みながら読んだは読んでたんすよね。
ただ、俺が読み始めたのは後半の黒賀村編からで。
正直、話の流れはよう分からんw でも、面白かったんだよね。
子供の時の記憶、思い出を完結させる為。今回、全巻読みました。
ストーリーは……正直、全部読んだけど、結局よく分からんw
よく分からんというか、説明がすごい難しい作品。
藤田先生は漫画家人生の中で、からくりサーカスを連載していた9年間が一番シンドかったと述懐されてたそうで。
その苦しみが如実に表れてる気がする。作品を通して伝わってきます。
大富豪の遺産を継いだ御曹司の少年、才賀勝。
ゾナハ病という奇病に冒された拳法家の青年、加藤鳴海。
勝の守護を使命とする人形繰りの不死人、しろがね。
この3人を軸に、世界中にゾナハ病を撒き散らし、人間の生き血を啜る自動人形との戦い。
そして、その戦いの裏に隠された過去の因縁。因縁は現在へ、人類存亡を賭けた死闘へと繋がっていく、というお話。
まぁ、簡単に言ったらジョジョみたいな話なんすかね?
吸血鬼と波紋使いの戦い。ジョナサンジョセフ承太郎と意志や因縁が受け継がれていくように。
からくりサーカスという作品も、ゾナハ病や自動人形の出自。いつ生まれ誰が作ったのか
200年前の中国、人形繰りの兄弟。才賀家の秘密。フランシーヌとエレオノールと。
時代や国を超えて紡がれる、人間の因縁と戦いの物語です。
それで結局、この漫画って面白いの?どうなの?と聞かれると……
この作品、感想を言うのも難しいw なんて言えば良いんだろうな〜?
面白いは面白い作品です。だけど、ホント話が複雑でね。
例えるなら、定食屋に行ってカツ丼を注文したと。
旨い旨いと食ってたら、途中からカレーを丼にかけられ。
次は麻婆豆腐、次はナポリタン、次はハンバーグみたいな。
面白い話や熱い展開がどんどん被さって、そりゃ旨い物に旨い物を被せてるから美味しいのは確かなんだけど。
結局、じゃあこれ何の料理?って、完食した後に聞かれたら、それは分からないという。なんかそんな感じw
初っ端からかなり唐突だったしな。勝の遺産争奪編。
鳴海って、こんな行き当たりばったり、行きずりで戦ってたのかw
腕もこんな序盤で失くしてたとは。後半の展開しか知らないし、読み始めはビックリしました。
ちょっと唐突なスタートだったから、困惑もしましたが。
でも、鳴海のセリフがいちいちカッコよくて熱いんすよね。そこで心惹かれる。
フラーヴィオ戦やマネキン編もカッコ良いしさ。とにかく熱いキャラでホント好きになる。
勝✕エノオノールのおねショタもかわいいしねw
話もキャラも、少年漫画らしい熱さとエロさを兼ね備えてて、そこに不満はない。
文句があるとしたら後半すかね。
後半は俺もリアルタイムで読んでて思い出深いシーンが沢山ありますが。
てか、黒賀村編って……不評だったってホント?w
まずそれ知ってビックリしました。藤田先生宛のファンレターですら、直で苦情を書かれたり。
読者の中では黒歴史と言われるくらいの不人気回なんだとか。
マジか。俺、めちゃめちゃ好きなんだけど黒賀村w
からくりサーカスは鳴海勝エレオノールの3人が主役で、
代る代るそれぞれの活躍が描かれるんですが、黒賀村は勝サイドのお話。
弱々しい御曹司だった勝は仲町サーカス団で居場所を見つけ、逞しく成長。
一方、鳴海は不死人『しろがね』としてフランス中国サハラなど世界を駆け回り戦い続ける。
戦いの最中。徐々に明かされる秘密。
人形繰の兄弟が生み出した錬金術の秘宝《生命の水》。
その兄弟を引き裂くことになった、1人の女性との悲恋。
悲恋から始まる惨劇。自動人形としろがねの血塗られた戦いの幕開け。
そして、自分の出生に疑問を持った勝。
そこで暴かれる才賀家の因縁。もう一つの悲劇。
真実を前に、勝は己の使命を見出し、全ての元凶・フェイスレスとのゲーム、エレオノールを賭けた決闘に挑む。
と言った流れで、勝は仲町サーカスやエレオノールと分かれ、1人で自動人形と戦う。
黒賀村で暮らすことになり、阿紫花家という家族に預けられ親睦を深めていく。
特にそこで登場する阿紫花三姉妹が邪魔くさいって言われてるやって。
そうか? 三姉妹はもっと活躍する所見たかったくらいなんだけど。
三姉妹それぞれのエピソードを通して、決闘や勝の成長が描かれる。
ちょっとしたラブコメでもあります。その展開が俺はもう大好きなんですw
三姉妹全員かわいいからな。この漫画、おねショタが徹底しててとにかくエロい。
俺としてはリーゼと合わせてハーレムでも良かったのに!w
漫画全体の話にしても、勝の自立を描いたり、修行回として必要性も十分感じるし。
個人的にはシルベストリっていう、自動人形の中で一番好きなキャラが出てて、やっぱり黒賀村は嫌いにはなれないな。
黒賀村を酷く言うなら、最終章であるデウスエクスマキナ編の方がもっと酷く感じるしw
フェイスレスとのゲームに勝ち、一時ながら幸せな日々を送る勝に、破滅のラッパが鳴り響く。
全世界に対するゾナハ病一斉感染。人類存亡の危機に、鳴海勝エノオノールと仲町サーカス団が立ち向かう。
堂々の完結で、つまんないってわけじゃないけど。
一気に話を畳みにきたなっていう、端折りや巻き展開でもある。
まず残念なんが、ゾナハ病の免疫設定。後付けだしあやふやだよな〜。
しろがねの血を飲んだら大丈夫とか、1年間一緒に過ごしてた仲町サーカス団は無事とか。
別にあやふやなんは良いんだけど、それだったら、黒賀村の人達も無事で良かったんじゃないの?
それで三姉妹や平馬や五郎達が勝と共闘するとか、そんな展開が欲しかった。
活躍の場を奪われるんが、黒賀村編が好きだった分、ショックだったな。
まぁ、終盤のキャラだし割を食うのはしゃーないにしても、
ミンシアやジョージとか既存キャラも、よくよく考えたら意外に活躍少なかったりせん?w
ジョージはシュナージ戦が熱い展開で、優遇されてる方だとは思うけど。
名場面な分、もっと事前に登場してても良かった、活躍してほしかったとも思った。
リーゼもドクトルラーオ戦で動物人形を使役する戦い方が面白くてね。
動物人形が精巧に作られてるからこそ、猛獣使いに操られてしまう。敵の攻撃を逆手に取るみたいな。
これももっと早い段階でやってくれたら、リーゼがバトル要員として活躍できる場が沢山できたのに。
勝と共闘したりヒロインとしての立場も確立できたのにって。
なんか、終わりをちゃんと全うしたの、英良ぐらいじゃない?
ところどころ出てくる設定が勿体なく感じたな。
9年の長期連載だけど、実は9年じゃ全然足りないくらいの規模が、話の下地や風呂敷としてはあったんじゃないかと読んでて思いましたかね。
今なお30年続いてるジョジョとまで行かなくても、9年は短すぎたんじゃ?w
風呂敷は確かに広かったけど、包むべき中身は、意外に小さいんじゃないか。そこは読んでて残念やったな。
まぁ、全部のキャラを拾うのは無理だし、仕方ないのも分かるんだけどね。
それに何だかんだと話はちゃんと纏めてるし。
それぞれが戦いに向かい散っていく。
最終決戦、フィナーレへ突き進んで行く展開は感動しました。
最後の最後、勝vsフェイスレスがゾナハ病の治し方教える教えない問答になって、そこはグダってたけどw
ゾナハ病の治し方はハリーだったり、機械や薬が完成したって展開で、あっさり終わらせた方が良かったと思う。
天才錬金術師vs人類の叡智みたいな、そういうシンプルな構図にしてほしかった。
そんで、ラスボスのフェイスレスを倒してスパッと終わり。
なんかフェイスレスのたまたまの気まぐれで人類が救われた印象。
こいつがここで改心するの、イマイチ納得は出来なかったな。
まぁ、宇宙ステーションでの戦いで、スケールの大きさに圧倒されるのはあれど。
兄と弟。作品の根幹である愛憎の関係性。
最後にフェイスレスが兄としての一役を皮肉ながら演じる。
リングの終演が運命として巡ってくる。
白金、ディーン、貞義、フェイスレスと次々と役を変え続けた男を、兄という一役を演じさせるまで追い詰めた。
勝の意地の勝利ってことなんかね?
今だったら、ちょっとは分かるような気がする。
でも、ホント風呂敷の広さに助けられてるというか、読者ごと丸ごと作品に包まれて取り込まれてる感じ。
からくりサーカスという興業は、観客も演出演目の1つ。
この漫画を読むことはリングへ上がるということで、読者は読者という1つの役を演じさせられてる。
つまり、そういうことだったのか!?
多分、違うと思いますw
藤田先生が苦しんで難産の末に生まれた作品というのも、読んでいく内に理解や共感できるので。
それも相まってか、ホント読み終わった後に独特な心地良さがあります。
子供の時の思い出を回収して昇華もできたし。
良い経験をさせてもらいました。
では、また。