おジャ魔女どれみと徒然

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ノルマンディー上陸阻止作戦について、その「危険に生きること」

2023-08-26 23:14:00 | 戦争映画

 ノルマンディー上陸阻止作戦。タイトルで借りるの余裕でしたw
 タイトルの通り、ノルマンディー作戦をドイツ側から描いた作品。

 ただ、この映画。注意してほしいのがアメリカ製作だということ。
 色々、肩透かしな作品ですw ドイツ視点なのに全編英語やし。

 戦闘もCG足しの低クオリティ。
 まぁ、さすがに『プライベートライアン』みたくいかんのは分かるが。

 てっきりドイツ製作の濃厚な作品なんかなと。
 期待と現実の落差で言えば今年一番の作品かもw

 ドイツ視点と謳いながら、徐々にアメリカ視点が侵食していくし。
 アメリカって相手の気持ち考えるの苦手そう。中国の『1950』の方がまだマシという。

 せめて、物語として面白かったらな。ドイツ俳優くらい集められただろ。
 ルッソ兄弟が作った『モスル』は中々面白かったが。やっぱ自国が中心じゃないと気が済まんのね。アメリカがただただコミュ障ということは分かった。

 でも、段々、その雑さ粗さが癖になっていくというか。
 自主製作映画みたい、コントみたい。

 なんか『コワすぎ』を見てから、こういうゴミ映画も楽しめるようになってきたw
 我ながら守備範囲が広まった。宇宙人に洗脳でもされたか。何だかだ最後まで楽しめました。

 大作映画、凝った作品ばかり見るのもな。神経使っちゃうからね。
 たまには駄作を見て、まったりしましょうw

 では、また。



ウィンターウォーについて、その厳寒の攻防戦

2023-08-12 18:58:00 | 戦争映画

 8月になると戦争映画が見たくなるということで。
 ずっと見たかった『ウィンターウォー』。

 傑作映画『アンノウンソルジャー』の前日談。連との死闘、冬戦争を描いた作品。
 かの有名なシモヘイヘが活躍した戦い。ただ活躍と同時に負傷もしていて、その後の継続戦争へは参加できなかったとか。

 まぁ、どのみちシモヘイヘは出てこないから関係ないんだけどねw
 アンノウン同様、英雄の物語ではなく、一般兵の悲哀。冬戦争の南方戦線へ派遣されたある小隊のお話。

 3時間の長丁場。戦争映画って奴ぁ、どいつこいつも何でこんなに長いんでしょうかね?w
 まぁ、戦争をちゃんと描こうとすると、どうしても時間がかかってしまうんやろうな。

 最初の1時間は訓練と拠点となる村の防備を固める。
 退屈は退屈だけど、冗長とか無駄な時間とは感じなかったな。

 後の2時間はソ連軍の波状攻撃をひたすら耐え凌ぐだけ。
 冬戦争の一戦闘を描いてる。淡々としてる。冬戦争全体の推移とか全然分からんから、そういうの知りたいって人は拍子抜けするかも、そこは注意。

 ただ戦争映画としてはよく出来てるし面白い。
 さすがに戦闘シーンやらアンノウンには敵わないけど。30年前の映画だから多少は仕方ない。

 何より一番良いのは脚色や美化をしてない所。
 戦争が淡々と始まり、終わる。

 フィンランドとソ連は戦力差が歴然で、本当なら併合されてもおかしくなかったレベルの中、フィンランドがかなりの善戦。
 善戦し過ぎて、ヒトラーの方針を変えさせたほど。この作品、『スターリングラード』の前日談でもあるんすね。

 ナチスはロシア侵攻から崩壊が始まったから、何気にフィンランドが影の立役者になるんかなw
 善戦には理由があり、色々と武勇伝みたいな面白いエピソードが沢山あって、映画にしたら面白そうなのに、そういうのを全く描きません!

 だから、見る人によっては期待外れになるんかな?
 俺としてはそこが良い。戦争映画って、所詮プロパガンダじゃん……。

 「僕達、カッコいいでしょ?」って部分。国威発揚の賜物ですから。
 しかし、この作品はそういう臭みが一切ない。

 善戦はしたけど、フィンランドは敗北。領土も割譲される。
 武勇伝で浮かれた作品じゃない。そこら辺の冷静さ、反省がちゃんと込められてるのが良い。

 ただ、映画では淡々してるけど、それから80年経った現在。何やら皮肉な時代になってるのが何とも……。
 宇露戦争に、フィンランドのNATO加盟。今や日本すらNATO入ろうかって話になってるくらいだし。

 これからどうなるのか、まだまだ分かりませんが。
 歴史は繰り返すのではなく、韻を踏むのでもない。

 ただただ、人間は歴史を忘れて、また別の、新しい悲劇が起きるだけなんだと思う。
 では、また。



1950について、その鋼の第7中隊

2023-07-20 01:18:00 | 戦争映画

 世界興収1130億の中国ミリタリー映画。
 1950年に勃発した朝鮮戦争。中国軍VS国連軍。

 激戦となった“長津湖の戦い”を『鋼の第7中隊』『水門橋決戦』。
 前後編の超大作映画となっております。

 まず感想としては「なっげぇ!」って事よね。
 前後編が170分+150分ですから。体力いるぜこりゃ。

 主人公は第7中隊を率いる伍千里隊長とその弟・万里。
 中隊の活躍を描くというお話。

 途中途中のコメディが間延びしてて、本当に辛い。
 「早く戦闘に入ってくれ……」と祈りながら見てた。

 まあ、戦闘に入ったら入ったで、これがまた長いんだけどw
 映画自体のクオリティは凄まじい。凝ってはいるからね。
 
 『紅海行動 』の時も思ったが、「これが見たいんだろ?」っていうストレートな展開で面白い。CGも綺麗。
 マッカーサーとか、ちゃんと外人の役者さんが演じてアメリカ側も描いているから臨場感もたっぷり。

 だけど、話としてはとにかくクドい。
 『RRR』も見ててシンドかったが、RRRって改めて面白かったんだなと思った。

 詰め込み過ぎはどっちにも言えることだか、1950は後編へ続いとるからなw
 いくらなんでもそれは……。CG綺麗、戦闘凄い。だけど、前後編で5時間半。記憶に残るエピソードがあんまなかったなとw

 RRRは最初から全部嘘っぱちなのが良い。エンタメ全力だった。
 1950は美化とか脚色が透けて見えるのがな。

 これは俺が日本人だから、そういう偏見なんかもせんが。
 純粋に映画を楽しめなくなる時代が来るのかも。漠然とした不安や恐怖も見てて感じました。

 では、また。



ハンバーガーヒルについて、そのアパッチスノー作戦

2022-03-12 07:14:00 | 戦争映画
 
 ──1969年5月10日。

 ベトナム・アシャウ渓谷にあるドンアプピア丘、通称“937高地”攻略のため、アメリカ軍はアパッチスノー作戦を発動。

 後に10日間に及ぶベトナム軍との死闘の幕開け。


 アシャウ渓谷はベトナムとラオスの国境沿い、フエという街の東にある地点。
 脚本のジェームズ・ガラバトソスさんは第1騎兵師団に所属したベトナム帰還兵。

 実在の第101空挺師団の戦いを描いた話。

 最初の40分ダラダラでちょっと飽きそうになりましたw ここら辺は帰還兵ならではのリアルな視点なんでしょうが。
 いきなり戦闘じゃなしにまず訓練があり、訓練中も敵が待ってくれるわけがなく死人が出たり。

 そしていざ戦いが始まっても勇壮でもなければ華々しいわけでもない。
 まぁ、良くも悪くも報われない。起承転結もなければ波風もない。淡々と戦闘が始まり終わる。

 この虚しさ。一般兵の虚しさですね。
 とにかくこの戦闘、登り下りです。渓谷というか山岳地帯なんで。ひたすら斜面でベトナム兵との殺し合い。

 その上に密林の悪天候。高所を制圧したと思ったら敵と勘違いされ味方ヘリに誤射されるわ、散々です。
 そして最大の敵は母国という。手紙に「戦争賛成と思われたくないから、もう返事は出さない」と恋人に書かれた日にゃ……
 
 この時、ベトナム戦争は末期に差し掛かり、アメリカ軍の撤退が決まっていました。
 すでに戦いの意義を失い、現地のアメリカ兵は悪人呼ばわり。国のために戦っていたのに……

 そもそもこの戦争の目的は何だったのか、この作戦の意味は?
 一般兵は何も知らされない。それでも生き残るために戦うしかない。

 そして、全てが終わった後のこの虚無感。
 見る楽しさは全くないんだけど、全身を包み込みような徒労が戦場のリアルを物語る……

 では、また。




セルビアクライシスについて、その1914バルカン半島の危機

2022-03-06 07:46:00 | 戦争映画
 
 ──2022年2月24日。

 ウクライナのNATO参加を巡り、ロシア・ウクライナ両国の交渉決裂。ロシアは報復としてウクライナ領内へ侵攻。
 ロシア軍はドネツク・ルガンスクを掌握し、ベラルーシ・黒海からも部隊を展開。キエフ・ハリコフなど各都市を攻撃する。

 ウクライナ大統領・ゼレンスキーは国民に徹底抗戦を呼び掛け、自らもキエフに残ることを決意。
 国家の存亡、民族の誇りを賭けた戦いが始まった──。


 ゼレンスキー 
 プーチンに屈しなかった大統領



 さて、冗談はさておきw


 でも、この戦争も100%映画化するよね。
 まぁ、さすがにプーチン政権がある限りは無理だろうけど。プーチンをそこらの独裁者と比較するにもちと無茶があるしな。

 ただ歴史は繰り返すといいますか、今回見た映画はかなりタイムリーな内容でした。

 時は遡り、1914年。第一次世界大戦。
 セルビア王国 VS オーストリアハンガリー帝国のお話。

 主人公は実在したセルビア王・ペータル1世。
 一応、群像劇みたいな感じで、国王兵士マリンコその母親マクレナ。帝国に家族を殺された少年モムチロ

 この4人で物語が進む。
 サラエボ事件に端を発し、帝国から最後通牒を突き付けられた王国政府は急遽、引退していたペータル1世に復職を懇願。

 ペータル1世、その時71歳。

 大変だよ~w
 今でも国内で人気が高いだけあり当時も重鎮として権威みたいなのがあったんやろね。

 最初はむっちゃタバコ吸って、偉そうなジイサンと思ってましたがw
 しかし、帝国の屈辱的な要求に対しても飄々と「受ける」の一言。

 「今日恨みに思っても、明日バカらしく思える」

 「罰だと思っても、大きな破壊を免れることに繋がる」
 

 セリフはカッコいいんだよな。
 まぁ、結局は戦争が始まってしまうんやが。元々、この前に豚戦争という戦いがあって帝国との関係は悪化してたんだと。

 何事も順序というか、起こるべくして起こってるんやな。
 最初の戦いが結構劇的だった。苦戦してると見せかけての……映画として見せ方が上手かった。

 しかし、勢いはここまで。
 緒戦の勝利から徐々に追い詰められ、ついにアルバニアへと撤退。

 そして、後に24万人が死亡することになるアルバニアの山越えという悲壮な逃避行の幕開け。

 一応、国王は着いてくるか来ないか国民に選択を委ねたけどね。それにしても何というか……まぁ、残った所で帝国に何されるか分かんないし。
 それに周囲の事情もあるんでしょう。この山越えの過酷さは雪山だってこともさることながら、アルバニアは別に友好国という訳ではなく、普通にセルビア人に追い討ちをかけてきますw

 通行許可取ってなかったんですかね? 当時アルバニアは無政府状態だったらしく、どういう意図があったのか分かりませんが。
 火薬庫と言われるだけあって複雑なんでしょう。まだ国王に着いてった方がマシという状況。忠誠心とかそういう話ではないとは思う。
 
 ちなみに映画の半分はこの山越えシーンとなります。
 これは見てて拍子抜けだったけど、原作がそういう展開だから仕方ないかな。

 原作は1994年に発表された『ペータル1世の靴下』という小説。

 前線で戦う息子を心配する母親。
 撤退の最中、ばったり国王に会った母親は咄嗟に「息子に靴下を届けてほしい」と頼む。国王は快諾し、部隊を確認しながら息子を探す。

 といった内容。映画もそういう物語ですね。
 靴下の行方は映画を見てのお楽しみということでw

 戦争中に家族の無事を祈るというのは胸に来るものがあります。
 俺には堪えられそうにない……と見てて思った。

 そして、ついに山を越えアルバニア沿岸へと到達。
 国王は海岸を見渡しながら、自分の戴冠式の記憶がフラッシュバックする。

 ポツリと、

 「この戦争が、最後の戦争であってほしい」


 そう呟くのでした。

 それから、国王は海路を使いギリシャへと亡命。
 国民は海岸で難民キャンプを張ります。別に置いて逃げたわけではないぞw

 最終的にセルビアは第一次世界大戦で、人口の3分の1という130万の人々が亡くなります。
 万骨枯る……というやつかな。一歩間違えれば、それだけ王の責任は重いということ。

 今回のペータル1世の判断が誤ってたかどうかは別として。

 終戦後、セルビアとクロアチア・スロベニアが合併しユーゴスラビア王国へ。
 ペータル1世はそこでも王位に就き、1921年、77歳で天寿を全う。

 しかし、王国に平和が訪れることはなく、再び戦乱に巻き込まれる。
 後に、人類史でも未だかつて無い『民族浄化』という殺戮の舞台になることを。 


 その事を、海岸に佇む1人の王は、まだ知らない──。

 では、また。





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