おジャ魔女どれみと徒然

おジャ魔女のこと、

日常のこと、

いろいろ。

オーロラの彼方へについて、そのアメイジングメッツ

2024-05-26 06:37:00 | ヒューマン

 1999年、太陽フレアの影響でNYにオーロラが降り注ぐ。
 実家で見つけた古い無線機を何気なく点けたジョンは通信を繋ぎ応答を受ける。

 繋がった先は30年前。
 死んだはずの父、フランクだった──。
 
 というタイムスリップ系SF作品です。
 俺は今まで知らなかったんですが、マイナー映画ながらオススメに上げる人が少なからずいて、気になったんで見てみました。

 確かに、オススメに上げる人がおるんも頷ける。面白い作品でした。
 ちょっとご都合主義ですが、「映画はこれでいい」ってのが摘まってますね。

 逆に今の作品が小難しくしすぎ。それでいて話がショボかったり。
 今作は父が死ぬ歴史を変えたせいで、代わりに母が連続殺人に巻き込まれてのサスペンス要素がありますが。いかにもアメリカチックで良きw

 めちゃくちゃではありますが話が二転三転して面白い。で、最後はハッピーエンド。
 絶対今のドラマなら、全てを救うためにやっぱり父が犠牲になってとかしそうじゃん。

 犯人は成敗され、父母も長生きの大団円。
 何でもあり展開やけど、これこそが映画やと思う。 

 話はシンプル、ハッピーエンド。
 最近のアメリカ映画が忘れてるものを全て持ってた作品。

 近年、ドラマ版が製作されたそうで。
 それは流石に見ないけど(^.^;

 では、また。



市民ケーンについて、その薔薇の蕾

2023-08-11 22:56:00 | ヒューマン

 世界最高傑作。世界の映画の中で最高傑作ですよ!
 分かんないけど、偉い人がそう決めたんだそう。

 1941年製作。オーソンウェルズ、若干25歳。監督脚本主演。
 アカデミー賞9部門ノミネート。しかし、受賞は脚本賞のみ。 

 実在の新聞王・ハーストをモデルとした映画。
 何がビックリって、そのハーストがガッツリ存命中。ラジオ新聞、当時のメディア全てを支配していたハーストの怒りを買い、批判にさらされた悲劇の作品。

 ハーストは偏向、というか虚偽報道で米西戦争を引き起こす。
 プエルトリコ領有を巡り、スペイン警察がアメリカ人を拷問したと報道。もちろん全部嘘です。

 アメリカって奴ぁはよ。その新聞王の人生、皮肉を込めて映画化。
 この映画に関わった人、若死が多いけど。多分、偶然やろな!w

 実際、見てみると、けっこう面白かったです。
 白黒ってだけで、普通に、変な言い方やが現代風というか。

 それもそのはず、このオーソンウェルズ監督。
 その後の映画技法全てを、この人が、この映画で産み出したから。

 ちなみにラジオドラマ『宇宙戦争』を作ったのもこの人。
 ラジオ聞いた人がパニックになって~という有名なアレです。

 製作者としての異質さ。手塚治虫みたいなもんですかね。手塚治虫以後の漫画は全部手塚治虫のパクりみたいな。
 とにかく見やすかった。80年前の映画とは思えない。違和感すらある。

 ウェルズ監督は演劇ラジオを経て映画初進出。
 それ故に映画の撮影方法を何も知らなくて、良くも悪くも奇抜なアイディアが次々生まれたんだとか。

 それをNOと言わず、撮影監督グレッグハーランドが要望に答え続けたという。
 特に有名なのはフラッシュバック。過去回想ですね。今では当たり前のことがこの作品から生まれた。

 そのおかげか、映画として見易いだけでなく、何より面白かったです。
 話もテンポいいし、リメイクあってもおかしくないくらい。

 「薔薇の蕾」の謎とは? 一代で王となった男が得たもの、失ったものとは?
 なんか上手く丸め込まれた気もするがw 圧倒されるというか、やっぱり話が面白かったです。

 表彰されずとも、現代にまで作品が残る。
 アカデミー賞受賞以上の価値を得たこと。栄華を極めた王様が未来を知る由もないこと。

 そんなん当たり前だけど、なんだか皮肉に感じた。
 では、また。



灼熱の魂について、その歌う女

2023-08-02 21:04:00 | ヒューマン

 他界した母の遺言。父と兄へ宛てた2つの手紙。
 残された双子の姉弟は、母の故郷である中東へ旅立つ。

 そこには母が隠す秘密、壮絶な過去が待ち構えていた。

 全部、見終わったら「あっそう」って感じw
 至るところで衝撃作やら問題作と聞いてたから期待して見たが、もうなんだよ……

 また近親相姦かよ!!
 みんな好きだな! まぁ、そこに至るまでの過酷さ、皮肉な運命とかが見所なんやろうが。

 そこはまあ、引き込まれたし面白かったけど。
 結論それかい。エライ壮大な雰囲気で冒険した結末が、もう見慣れすぎて……どっちゃらけ、投げ槍な気持ち。

 6月の俺だったら、めっちゃ感動してたやろうなとは分かる。
 戯曲が原作ってことで神話的、荘厳な感じ。刺さってたやろうなとは。

 正直、途中で展開が読めて興醒めした。『ガールインザベースメント』の影響で。
 もう一捻りあるかと期待してしまった。ロケが壮大だから、話はシンプルが見易いってのはあるが。

 子供がスクスク育っとんやから別にええやろがい!
 なお、現在、ホラーの見すぎで俺の倫理観は狂っていますw

 では、また。



ダンサーインザダークについて、そのTheLastSong

2023-07-05 23:25:00 | ヒューマン

 ブログのコメントで教えていただいたオススメ作品を見てみました。
 2000年、パルムドールに輝いた傑作『ダンサーインザダーク』です。

 けっこう有名人とか、色んな人が好きな映画に上げてるよね。
 だから、名前だけは知ってる。相当なトラウマ映画だということもw

 ストーリーは、

 アメリカのとある町。チェコ移民のセルマと息子のジーン。
 彼女は遺伝性の眼病を抱え、失明寸前だった。

 息子にもその眼病は移り、彼女は手術費を稼ぐため工場で黙々と働く。
 貧しいトレーラー暮らし。唯一の楽しみは息子の成長と、好きなミュージカルを見、歌い、踊ること。

 まぁ、皆さん知ってますよね? 俺も今まで何で見てなかったのか、不思議なくらい有名作ですもん。
 で、ようやっと初めて見ることになったんですが……


 すまん、どういうこと?


 さっぱり意味が分からんかったな。
 救いがただただないというか、残酷というか……。

 そういう鬱を通り越して「なんで!?」って思ってしまう。
 この混乱具合、イニシェリン以来やぞ! まさかの原点発掘か?

 結局、全部自分の選択だからなぁ。
 なぜ無罪だったり減軽を主張しなかったのか。

 なぜ病が遺伝すると分かって子供を生んだのか。
 どっかで踏み止まれたはずだったのに。セルマさん、この人ずっとアクセル全開なんだもんw
 
 1人の女性の転落を描いてると言いますか……。
 それを端的に、ちょっとドキュメンタリー風なんだよね。

 なんか独特な質感と思ったら、これがトリアー監督の撮影方式らしい。
 ドグマ95という。トリアー監督の故郷、デンマークで提唱された撮影手法。

 手法というかルールか。カメラはハンディ、セット撮影なし、効果音やBGMなし。
 ありのままの素材で撮る。そういう主義なんだとか。

 まぁ、ミュージカルシーンもバンバンあるから、厳密なドグマ95の作品じゃないらしいが。
 このミュージカルも特徴的。主演と劇中歌を担当したビョークさん。

 もう、ほとんどビョーク無双なとこありますよねw
 この人の白鳥ドレスはニュースで見て、なんか覚えてた。

 セルマの内面、膨れ上がる感情や目が見えなくなっても心の中は自由なんだと。祈り歌い踊る。
 奔放な感じが何とも女性的。この表現力は圧巻でした。

 唖然ともしましたがw 一挙に突き放されてしまう。
 ここまで感情移入できない作品、生まれて初めて出会いましたw

 本当に傍観してるしかなかった。
 共感は出来ないけど、自分ならどうしていたか。深く考えさせる作品にはなってるんかな。

 まぁ、どう考えたところで「そうですか……」しか言い様がないけどw
 セルマが一つの目的に振り切ってるからね。ただただ息子の為。

 でも、いくら息子に病のこと教えたくないからってさ。
 親が殺人犯ってのも精神的なストレスになって病状が悪化すると思うんだけど!!

 弁護士費用もさ。キャシーはともかく、ジェフは漢気見せて払えよw
 なんで見捨てるような真似すんの? ここら辺は脚本の齟齬というか矛盾やと思うんやが。

 あえて言うなら、もうセルマは全て諦めてたんかな?
 裁判なんて息子の為じゃなく、何ならビルを庇ってたまであるw

 死にたかったんでしょうね。
 目が見えなくなるって、好きなミュージカルを見れない踊れないとか、そういう次元じゃないやろうし。

 日常にすら苦労する。いくらでもやり様は絶対にあったけどね。
 詰んだと思ってもおかしくなかったろうな。

 投げ槍というか、本当の意味でお先真っ暗。
 自分の人生に対しても盲目的な生き方しかできなくなった。

 そして、題名に掛かった最後を遂げる。
 本来ならもっと奈落に突き落とされる予定だったらしいがw

 元々は息子の手術も失敗して終わる原案だったんやと。
 それをビョークさんが「いくら何でも……」と反対して変更になったんだとか。

 撮影中、ビョークさんとトリアー監督の折り合いは良くなったそう。
 後のMeToo事変、ワインシュタインの乱で、ビョークさんはトリアー監督からセクハラを受けていたと告発。

 もうむちゃくちゃだよ。なんだよこの映画w
 撮影裏までダークとは。マジの深淵やな。

 ただ、本当に陰鬱なのは1人の女性の死に様ではなく。
 それを止めることもできず、ただただ傍観することしかできない。

 この作品を見る全ての人間がセルマの舞台の、観客の1人。
 それだけは理解できました。

 では、また。



イーディ83歳について、そのはじめての山登り

2023-06-07 06:13:00 | ヒューマン

 夫の介護が終わり、1人になったイーディ。
 娘から施設に入ることを勧められ、人生の終わりを悟る。

 しかし、心にやり残した後悔が一つ。
 スコットランド・スイルベン山。

 イーディは衝動的に、夜行列車へ飛び乗っていた。

 多分、皆さんが思ってる以上におばあちゃんですw
 そんなおばあちゃんが二つの山頂を持つ名峰、スイルベン山へ。

 最初はけっこう悲壮感が漂ってます。
 おばあちゃんもさることながら、娘もしっかりおばちゃん。

 それがひしひしと現実を打ち付けてくる。
 それでも山へ、希望を見出だすために挑みます。

 主演のハンコックさんは1933年生まれ。
 2017年公開時でほぼ同い年。まさにぶっつけ体当たりの演技。

 同い年だから嘘偽りなし。ただ、良い年の取り方をしてるというか。
 俺みたいな若僧が生意気言えませんが。純粋な笑顔と瞳が印象的。

 麓の大自然と相まってか、どこか神秘的ですらある。
 そして、それに付随するテーマ。ネバートゥレイト。

 人生は一度きり。遅すぎることはない。
 よく聞くセリフだが、本当にその意味を理解しているのか。

 見た人に考えさせる作品になってると思う。
 ただ、それにしてもラストがちょっと気に食わないけどw

 山登って大団円だが、実は何も解決してないという。
 娘の関係もそうだが、ジョニーも彼女にフラれちゃったよね。

 かわいそw 山登ったくらいじゃ問題は何も解決しない。
 それでも、下りた時に何か変わってるかもしれない。

 年齢や境遇ではなく、自分がやりたいこと。チャレンジすること。
 その大切さを教えてくれる作品。所詮は綺麗事かもしれないが。

 現実を、諦める理由にするのか。
 全て現実に沿えばいいってもんじゃない。

 では、また。