音多歌樂箱 オタカラバコ・音楽療法の待合室

東信濃に生息する看護師×出前音楽療法士ハラサチコの覚書。

ひざまくら&誰がために

2009-09-24 23:37:03 | 音:Music Therapy
ある現場の男子くん。彼は女性スタッフの「ひざまくら」が
好きなのです。きょうは思うところがあり、道具を用いた音楽は
あえて使わず、その空間に居てみたいんだけど、とスタッフさんに
申し出たところ、快諾をいただけたので、その男子くんの傍に
ちょこんと座ってみました。すると、すかさず「まくらチェック」。
男子くんは横になってしっくりくる位置を自分で探し、私の膝に
耳をつけ、見上げて私の顔を見つめたり、輪郭を確認したり。
私も男子くんの背中をさすりながら、ゆっくりハミングして
身体へ直接振動を伝えるイメージで歌ってみました。すると、
やがて寝息をたてて入眠した男子くん。寝ちゃって良い時間?と
スタッフさんに確認したところ、OKとのことなので、そのまま
休んでもらいました。
どうやら私も「ひざまくらの人」として受け入れてもらえた模様。

最近、別の現場でも音楽提供時の音数や音色、方法について
青天の霹靂を味わいました。
いや、目からウロコ、の方が適切な例えかも。
それは同時に、これまでの自分の音の使い方を猛省したことでも
ありますが、きょうの男子くんとの関わりもそんな感じでした。

こちらの問いかけを、相手が「心地よく感じる音」として
受け取ってくれているだろうか、不快であったり危険であったり
しないだろうか、と常々考えた上で音を出していますが、
これくらい慎重であったほうが良いのかも知れません。
だって、コミュニケーションは相手あってのものであるし、
どんな関わりも、相手を傷つけるものであるから。
これは最近友人と話していて非常に共感した概念なのですが、
傷つけることを知るからこそ、相手を思いやり、労われるもの。
そして相手が傷ついている時は自分も同じように傷ついていると
自覚が出来ると、争いごとや諍いは無くなるんだ、きっと。
男子くんとのかかわりの中でたくさん学ばせてもらい、幸せ。

ただいま、こんな内容も加味された雑誌用の文章を執筆中です。
テーマは「コミュニケーションは誰がために」。お楽しみに。

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