音多歌樂箱 オタカラバコ・音楽療法の待合室

東信濃に生息する看護師×出前音楽療法士ハラサチコの覚書。

うそコン ~後編・仕掛けそびれる~

2006-05-10 23:39:30 | 箱:Private
【後編突入前に、「うそコン前編・ハマる」をお読みいただくと良いかも

これは先輩たちの後日談なのですが、
先輩たちは、怖い人・優しい人以外にキャラクター設定がありました。例えば、
「2階○号室の△△は夜な夜なベランダでUFOを呼んでいる」とか、
「4階□号室の※※は占い師で、実は誰も正体を知らない」など。
(でも結局、そういう細かい設定までは私たちに伝わることなく終えたのですが)

看護学校入学直後、寮で先輩方から衝撃的な歓迎を受けた1年後、
今度は私たちが新入生を迎える立場になりました。
みんなで協議した結果、細かいキャラ設定はせずに「優しい組」が門限に遅れる、
という伝統をそのまま継ぐことにしました(ナイチンゲール誓詞の特訓や
「ごきげんよう」も)。そして私、何とその「優しい組」の1人に決定!
そして多数を占めることになる厳しいキャラを、本当は心底優しい子達が必死に
演じておりました。優しい組は「インパクトある門限の遅れ方」の研究と、ビビる
新入生のフォローに奔走して、「きたるべき時」に向かっていました。ところが。

うそコン3日目の日中。昼食後の校内がにわかに騒がしくなりました。
寮生のひとりが忽然と姿を消した、というのです。聞けば、「辛くて辛くて、もう
逃げたい」と毎日言っていたのだとか。うわわわわ、これは大変・・・
大捜索の結果、無事発見はされたものの、彼女が失踪の理由に「寮生活の厳しさ」を
明確に挙げたとのこと。で、喧喧諤諤の結果、やむを得ず中止することに。
このときの挫折感は、私たちにとってはけっこう大きなものだったのですが、
当時の担任教官(同窓生・うそコン経験済み)の一言に救われました。

「確かに(その新入生にとっては)辛かったかもしれないけどさ、これからもっと
大変なことが待っているわけじゃん。ここを越えられないってことは、この先の
苦労に耐えられるか心配になるよ。あんたたちが悪いんじゃないからね」

…というわけで、その日の夜は臨時寮総会が開催され、新入生に事情を説明しつつ
お詫びするという地味なカミングアウト、そしてそれは、十有余年続いた伝統が
途絶えた瞬間でもありました。何だかなあ…
先輩の皆様、伝統を止めてしまってごめんなさい。
そして後輩の皆様、「素晴らしい伝統」をちゃんと伝えられなくてごめんね。

ステキな伝統行事に今もなおものすごく憧れるのは、この出来事(失敗体験)が
ベースにあるから、かも知れません。

後日談。
その後も学校生活になじめなかった「彼女」は、学び半ばで自ら学校を去りました。

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2 コメント

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とってもお久しぶりです。 (shanshankotokoto)
2006-05-11 15:31:03
こんにちは!

実は、GW中はず~っと仕事でした(^_^;)



自分の方も、ボラの方、作品の方、やっと形になりました!!



また、頑張れそうな気がします。



ご結婚記念日、おめでとうございます!!

では、またお邪魔致しますm(_ _)m。
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それは何より (ハラサチコ@私も)
2006-05-12 10:37:45
shanshankotokotoさん、いらっしゃい。

順調なようで何よりです。また作品どんどん見せてくださいね。

いま外からの書き込みなのですが、目の前の山の若緑がものすごくキレイ(^^)

これから眩しい季節になりますね。またいつでもお立ち寄り下さい。

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