「先日仕事の関係でとある職人さんと話をしたんですが
実は冬のスポーツ競技スケルトンをされているそうです。
この競技です。
スケルトンといえば日本では越選手が有名ですよね!
そうです、あのスケルトンです。
今年のトリノ五輪も目指していたそうですがヒザを故障してしまい
結局思うような成績をあげられずに国内予選を終えたそうで。
今は2010バンクーバーオリンピックに向けて調整って感じだそうです。
彼は冬季スポーツを継続するための経済的な難しさを語ってくれました。
スケルトンの道具だけでも300万もするそうです。
「自分で造った方が安いし早いんちゃうか?」
なんて冗談言ってましたけど、ホンマお金がかかるんですね。
当然それは道具だけのことであって、
練習するための様々な諸経費は全て自腹。
それはいわゆる強化指定選手であっても殆ど変わらないそうです。
特にスケルトンやボブスレーなどをするための
その施設自体が日本には確か長野の1ヶ所しかなかったと記憶してます。
(間違ってたらゴメン)
とにかく、そこまで行く旅費なども当然かかるわけです。
では夏の間に仕事して稼げばいいなんて考えちゃいますが
たとえそのわずかな期間でも練習せずにお金を作るために仕事をしていると
選手にしかわからない微妙な瞬発力を取り戻せないんだそうです。
コンマ何秒の世界
それだけでタイムは大きく異なります。
その感覚を掴むために選手は常に練習し努力しなければならないのですが
現実はそうそう簡単にはいかないと。
例えばいざ滑り出そうって助走の瞬間に分っちゃうそうです
「あ、これは遅れた」って。
特に怪我をしてしまったのが大きいと言ってました。
「頭では分っているんだけど体がいう事を聞いてくれない」と。
恐怖心とかメンタル的なものとは別に、
その細かな技術が怪我や仕事のブランク等で取り返しがつかなくなっちゃうそうです。
とにかく今は4年後に照準を合わせるなんて難しいので
コツコツ稼いでその感覚を少しづつ調整し取り戻していきたいと語ってくれました。
それにしても実に有意義なお話を聞かせてもらいました。
話を聞いていて感じたのは
結局、技術とか云々以前に基本として経済的に恵まれてないと
世界で闘えるアスリートになりたくてもなれないんだなぁと。
特にこういったマイナーな競技にはスポンサーもついてもらえないそうで
結局仕事をして練習費用などを捻出しなきゃいけないけど
仕事をすれば選手としての技術が失われてしまうという
ジレンマとの闘いが
こういった冬の競技には避けられないのかもしれませんね。
それを考えればフィギュアスケートなんてまだまだ恵まれてる方だし
日本スケート連盟のドタバタ劇なんて選手からすれば
「ふざけんなバカヤロー」
って言いたくもなるよね。
でも・・・
言えないんだよね・・・・・
おまけに技術面でも大変なのにマスコミがギャーギャー騒いだりして
メンタル面まで追い込まれる選手はたまったもんじゃない。
なんだかなぁ・・・・・・・」