霜柱、売ります

2010年01月14日 16時40分00秒 | B地点 おむ

 

 

課長 おむ耕作シリーズ ファイル10



企画部長、おかか豊作である。

「うへへへ! 社長! ビジネスチャンスですよ!」
社長、おむ耕作である。

「……ビジネスチャンスだと?」
「そうです! ほら、霜柱がいっぱい! これを売りましょう!」
「甲子園のカチワリみたいに! 原料タダだから大儲け!」
「う~ん? ……ま、やってみたまえ。ただし、君の責任でな」
―― こうして霜柱が売り出されたが、当然、売れなかった。

「すんません。大赤字です……」
「……責任を取って、辞表を出して貰おうか」
「ご、ご勘弁を! 暖かけりゃ売れますから!」
「今は真冬だよ! 暖かくなるわけないだろ!」
「カ、カイロと毛布で! あ~暖かい! 暖かいな~!」
「だめだこりゃ~っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


オチは任せろ

2010年01月14日 15時50分00秒 | B地点 おかか

 

 

厳しい寒気がやって来た。
ご覧の通り、霜柱。
午後になっても溶けない。
「いや~、冷えるな! オシッコが近くなるのも無理はない」
「おい、膀胱炎なんかには気を付けろよ……」
「ありがとうございます。ま、大丈夫でしょう」
「おっと。忘れてた」
「水を飲まなくちゃ」
「水分摂取が、とても大切ですからね」
「うむ。いい心掛けだ」
「それから、保温も大切です」

「そうだ。その通り」
「毛布を被って、体を温めます」
「下半身は、特に念入りに」
「これでバッチリですよ」

「うむ! ……ところで、オチは?」
「それも大丈夫ですよ。木の上を見て下さい」
「木の上だと?」
「ほら、サギがいるでしょ」
「あのサギに、オチを任せましょう」
「む、わかった! あれが落ちるというオチだな?」
しかし、サギは木から落ちたりしなかった。
「アホー!」
「……」
「サギではなくて、白いカラスだったようですね!」
「無理があり過ぎるぞっ」