心痛

2010年01月13日 17時17分00秒 | B地点 おむ

 

 

おむの奴について、話しておきたい。

読者にとっては繰り返しの部分も多いだろうが、聞いてくれ。

おかかは、カメラの若造が見ている前で用を足すのが好きなのだが、おむの奴は、逆だ。

奴は、人前では、排泄しないのだ。
だが、一年ほど前のこと、そんなおむが、若造の前で排尿するようになった。

そして、遂には、一時間ほどの間に何度も排尿するまでになったのだ。
恐らく、排尿時に痛みがあって、尿がうまく出せず、結果として、頻尿になったのだろう。
その時は、ボランティアさんが病院に連れていってくれたので、尿閉にまでは至らず、奴は命拾いをした。

膀胱炎・尿道炎ということで、カメラの若造の家で一週間ほど養生して薬を飲み、良くなったのだ。

2008年の、12月のことだ。
ボランティアさんが病院で調べてくれたところでは、奴は生まれつき尿管が細い上に、2008年初夏の時点で既にストラバイト結晶も確認されたとか。

下部尿路症候群 ―― それが奴の宿痾なのだ。
おむの奴は、若造の家で保護されていた時、体が良くなってくると、それはもう、とてつもなく凄まじい夜鳴きを続けたそうだ。

広大なテリトリーを巡回するのが、奴の仕事だ。川原を疾走し、巨木に駆け登るのが、奴の生き甲斐だ。

だから、奴を室内・宅内に閉じ込めてはならないのだろう。
そうだ。住み慣れたこの美しい地で、いままで通り、私と一緒に、伸び伸びと暮らすのが、奴にとって一番いいのだ……。
―― すまん。ちょっと脱線してしまった。

とにかく、病気が心配だ。

だから私はずっと、おむの奴を注意深く観察している。
カメラの若造の前で奴が排尿したら、それは注意信号だ。

頻尿になったら、それは危険信号なのだ。

そうなったら、前回のように、病院で診察を受けさせ、療養させねばならぬ。
カメラの若造は、前回の経験に学んで、この冬はケージを入手した。

それはシンジ君の保護の際に使われたが、そもそもはおむの保護を想定して購入されたものなのだ。
さて、この冬 ――

何度か厳しい冷え込みが襲ってきたが、幸い、これまでの所、おむは、若造の前で排尿を見せることがなかった。
しかし、この日、この時、数ヶ月ぶりに、若造の見ている前で、排尿した。
これが、「たまたま」であれば良いのだが。

ただ単に、「冷えたからオシッコが近くなっただけ」であれば良いのだが……。