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社長おむ耕作は、地球環境について考えていた。 |
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「う~ん……。我が社としても、地球環境に貢献してゆきたいが……」 |
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「お任せ下さい……!」
開発部長、おかか豊作である。 |
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「いいアイデアがあるのかね?」 |
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「地球温暖化抑止装置を開発しています」 |
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「何っ? 温暖化を抑止する!?」 |
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「こ、これがその装置かね? このゴミ袋みたいなのが?」 |
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「そうです……! まあ平たく申しますと、地球をどんどん冷やす装置です」 |
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「この装置によって地球が冷えれば、温暖化の問題は完全に解決です」 |
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「凄いじゃないか!? ノーベル賞ものだよ、君!」 |
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「よし! さっそくテストしてみてくれ!」
「承知しました……!」 |
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―― こうして、『地球温暖化抑止装置』が起動した。
ぐいいぃぃ~ん(←作動音) |
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あっというまに地球は冷えて、温暖化は見事に止まった。 |
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しかし ―― 更にどんどん冷えてゆく。
やがて、川の水も結氷してしまった。
ピキーン |
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ぼこっ |
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次々に霜柱が盛り上がってゆく。
ぼこぼこぼこっ |
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至る所で、大地が氷に覆われてゆく。
ピキーン |
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ピキピキピキーン |
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「ばかっ! 冷え過ぎだっ!」 |
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「し、しまった……」 |
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「氷河期になっちまう! 早く装置を止めんか!」 |
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「なにぶん開発の途中ですので……起動はできても、終了はちょっと……」 |
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「……!」 |
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「あああ、寒い……」
ガチガチガチ |
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「さ、寒い……」
ぶるぶるぶる |
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「寒い~~~っ!」 |
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がくっ |
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「だめだこりゃ……」 |