釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

新燃岳の噴火

2017-10-18 19:14:19 | 自然
今月14日、宮崎県と鹿児島県の県境に位置する霧島連山・新燃岳が噴火した。新燃岳は2011年にも噴火している。比較的近い桜島はこれまでも断続的に噴火しており、16日には気象庁が小規模な火砕流を伴う爆発的噴火の警報を出している。両火山ともに阿蘇山から南の薩摩硫黄島を含む霧島火山帯に属する。そこには北から阿蘇カルデラ、加久藤カルデラ、姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラが含まれている。昨年4月の熊本地震も含め、九州南部には地下で断層やマグマに圧力がかかって来ている。桜島では1914年の大正大噴火に近いマグマの蓄積が見られており、山体膨張も観測されている。桜島の山体だけでなく、桜島を含む姶良カルデラの海底が1914年以来1.5m隆起していることも観測されている。昨年4月と10月に噴火した阿蘇山もまだ入山規制が敷かれている。阿蘇山は過去30万年で4回の超巨大噴火を起こしている。桜島を含む姶良カルデラは2万2000年前には、1991年に発生した雲仙普賢岳の火砕流の40万倍の規模の火砕流が流れ、南九州の標高300m以下の地表を埋め尽くした。九州での地震は最近少なくなって来て、関東や東北太平洋岸で頻発している。日本列島は巨大な太平洋プレートの西進の影響を常に受けており、関東以北と九州の地下で圧力が高まっている。琉球大学の木村政昭名誉教授は独自の理論で、2019年までの富士山の噴火を予想されている。今月16日の米国NATIONAL GEOGRAPHIC誌では、アリゾナ州立大学の研究で、イエローストーン国立公園のスーパーボルケーノ(超巨大火山)で、これまで考えられていたマグマ溜まりの2.5倍のマグマが溜まっていることがわかったと言う。研究者の予想以上の早さでマグマが溜まる。地質学的には一瞬と言えるほどの短期間で、スーパーボルケーノが再び噴火する可能性があると言うのだ。イエローストーンでの超巨大噴火は過去200万年に3回発生しており、最後は63万年前である。九州でカルデラ噴火が起きれば、日本列島全域に被害をもたらすが、イエローストーンの場合は、世界中に影響が出る。自然災害の危機も経済危機も予測は可能だが、正確な時期については知る由もない。いずれの危機も個人で備えを怠らないようにするしかないのだろう。
七竈(ななかまど)